『おカマ白書』山本英夫先生のラブコメ

『おカマ白書』山本英夫先生のラブコメ マンガの感想
本サイトはプロモーションが含まれています
スポンサーリンク

人は誰しも仮面(ペルソナ)を被っている。親の前の自分という仮面、祖父母の前の自分という仮面、友達の前の自分という仮面などなど。複雑な人間関係を渡り歩くためには一つの仮面だけでは足りない。複数の仮面を用意し、場面に合わせて付け替える必要がある。この漫画は、主人公の岡間(おかま)がキャサリンという女の仮面をつける物語である

 

ひょんなことから自分の女装した姿の美しさに気がついた岡間。友達にもおだてられ、岡間はゲイバーでキャサリンという源氏名を使って働くことにした。あるとき、ゲイバーに遊びに来た女子大生の一人に岡間は恋をした。その女性の名前はミキ。岡間の女装した姿と瓜二つだった

 

容姿が似ているということもあり仲良くなる岡間とミキ。しかし、ミキは岡間ではなく、岡間が女装した姿のキャサリンと仲良くしているだけなのだ。キャサリンとしてミキに接近しすぎた結果、「自分はキャサリンではなく岡間だ!」とも切り出せなくなってしまった

 

そうこうしているうちに、岡間は自分が作り出したキャサリンに次第に取り込まれていく。キャサリンの仮面をつけすぎたのだ。そしてミキが好きだったのか、それともキャサリンに似ているミキが好きだったのか、そこも分からなくなっていく・・・。

 

『おカマ白書』は山本英夫先生の初期の作品だ。週刊ヤングサンデーに1989年から1991年に連載していたものである。『殺し屋1』や『ホムンクルス』から山本先生の作品に入った人は、おカマ白書のラブコメ具合に驚くであろう。だが、単なるラブコメではない。その点においてはさすがは山本先生である。全5巻からなるので気軽に読めるはずだ。

*関連記事

『新のぞき屋』ただのエロい本とは違う

コメント