医療費の自己負担率を上げても大丈夫なのか問題

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医療費の自己負担率は 上げるべきなのか問題

今の日本がなんでやばいかというと、医療費がヤバイからです。
高齢者の数も増え、医療費も毎年どんどん増えていきます。

だから医療費抑制が日本再建のためのカギなのですが、どうしたら抑制できると思います?
1つの方法として、自己負担率を上げたらいいんじゃね?という話があります。

医療費の自己負担率が低いから、なんでもかんでも病院にすぐ通っちゃうから医療費が上がるということですね。
ではでは、医療費の自己負担率を上げても問題はないのでしょうか?

「原因と結果」の経済学』を参考にして、それについて書いていきます。

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高齢者の医療費の自己負担率を上げるとどうなる?

2017年、日本の医療費負担率は次のようになっています。

  • 70歳未満は3割負担
  • 70〜74歳は2割負担
  • 75歳以上は1割負担

歳をとればとるほど、自己負担率は低くなっていきます。

自己負担が低いとどうなるかというと、「病院に行かなくてもいいくらいのケガで病院に行っちゃう」問題が発生します。
放っておけば治る怪我で病院に行かれても・・・ということです。

高齢者は1割負担、でも医者には同じようにお金が入る、というwin-win関係があるのも問題なんですけどね。

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医療費の自己負担率が低すぎるから、気軽に病院に行きすぎるということで、「医療費の自己負担を上げたらいいじゃん!」という意見が出てきます。

でも、コレ、本当に大丈夫でしょうか?

自己負担率が高くなり、高齢者が病院に行くのをためらい、結果として健康状態を害する可能性もあります。
病気が進行した後だと、より医療費がかかるかもしれません。

だから自己負担率を上げても本当に大丈夫なの?てな話なのです。
そこで、科学的知見を参考にしてみましょう!

ランド医療保険実験によると

ランド医療保険実験というものがあります。
1971年〜1986年に実施された研究で、現在の価格で約300億円もの研究費を使った壮大な実験になります。

アメリカの6市に住む2750世帯を対象に行われ、対象者は無料で医療保険に加入することができました。
ただし、ランダムに自己負担割合の異なる4つのグループに分けられました。

  • グループ1:自己負担割合0
  • グループ2:自己負担割合25%
  • グループ3:自己負担割合50%
  • グループ4:自己負担割合95%

その結果、医療費の自己負担割合が高くなれば、国全体で支払う医療費は減少することがわかりました。
また、医療費の自己負担割合が高くなるほど、病院に受診する回数も減ることが分かりました。

まぁこの結果は予想通りな感じですね。

気になるところが『自己負担割合と健康状態』になります。

ランド医療保険実験が明らかにした事実は、

医療費の自己負担割合と人々の健康状態のあいだには因果関係がないことを明らかにしたのだ。p72

つまり、医療費が高かろうが低かろうが、健康状態は変わりませんよってことです!

貧困層には関係がある

ただし、所得が低い貧困層の人々に限って見ると、自己負担割合が高くなると、健康状態を悪化させることが確認されているそうです。

つまり、医療費の自己負担率を上げる場合は、貧困層に悪影響が及ばないような設計をしなくてはならないということです。

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まとめ

ランド比較実験から分かることは、「医療費の自己負担率あげようぜ!」ということです。(ただし、低所得者は除く)

日本の金融資産の半分以上って65歳以上が持ってるんですよね。
つまり、一番お金持ってる世代に、もっとも高待遇な社会保障制度が設定されているわけです。

世界からも注目される日本の『世代間格差』。
これを少しでもよくするためにも、早いところ医療費の自己負担率を上げたらいいんじゃないかなーと思うのです(´・ω・)

あなたはどう思われますか?

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

追記:自己負担割合が低くなると病院に通う回数は増えるの?

追記になります。

「そもそも、自己負担割合が低くなると、本当に病院に通う回数が増えるの?」

高齢者の自己負担割合が低下すると、外来患者数は10.3%増加することが示されている。p139

膝の痛みとか、関節痛の患者が急増するんですって。
詳しくは原因と結果の経済学を手にとって見てください〜。

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