一人の考える時間を大切にしよう。西谷昇二先生に教わった「only is not only」を思い出した

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考える時間を大切にする

「つねに誰かと一緒にいないとダメ・・・」

孤独を私たちは嫌います。
誰かと関わりあうことを選択し進化してきた人類にとって、“孤独”を避けようとすることは本能なのかもしれません。

でも、必要以上に誰かと関わろうとしすぎた結果、深い関係性を築けず、結局“孤独”を味わってしまうのが皮肉なところです。

バージニア大学で行われた実験に、こんなものがあります。

被験者が一人、部屋に取り残されます。
部屋には、“押すと自分に電気ショックを与えることになるボタン”が1つだけあります。

それ以外に、モノはありません。
そんなボタン押しませんよね?普通。

しかし、室内に取り残されて6分以内に、被験者の大半がボタンを押してしまうのです。
その理由は、ひとりで考え事をして過ごせないからです。

参考文献→Just think: The challenges of the disengaged mind

この実験からわかることは次の2つだと思います。

人は孤独よりは痛みを選ぶこと。
そして、“わずか数分でも一人で考えることもできない”ということ。

私たちは「考える」ということを忘れすぎているのだと思います。

  • 学校に行けば受動的な教育
  • 気になることがあればすぐにネットで調べる
  • くだらないSNSを見て暇つぶし
  • 対象年齢を12歳に設定しているテレビを大人になっても見続ける

今の時代を普通に生きてると、目にうつるものがたくさんありすぎて、何か1つに集中することができなくなっています。

だからこそ、“一人で考える時間”が大切になります。
何かを深く考えるためには、“一人で考える時間”が絶対に必要です。

1週間に一度でも、10分でもいいからそんな時間を作っていますか?

片手には常にスマホを持って、暇な時間は全てSNSに潰している人も多いと思います。

そう、ほとんどの人は深い思考をしないまま行動し、むしろ深く行動することについて「阿呆らしい」とさえ感じていると思います。

私が中学生だった頃、私の中学では「真面目に勉強するやつはダサい」という風潮でした。
だから、成績のいい人とか真面目に勉強する人は「ダサい」のレッテルが貼られるので、あえて不真面目を演じる人が少なくありませんでした。(私もその一人です)

その価値観が、今や大人にまで広げられているような気がします。

  • 大人になっても勉強する?ばかじゃない?
  • 大学は遊ぶところでしょ〜
  • 図書館に行くなんて、暇人やね
  • 選挙、そんなもの知らねーよ
  • 政治について語るなんて、頭固いなー

表面上のことばかりをさらい、モノの本質を見定めないまま、インスタントな行動ばかりしてしまいます。

インスタント食品のような、インスタント脳を持っている悲しい人々が増加中なんですね。
3分しか考えることができないような、レンジでチンする時間しか思考できないような・・・。

インスタントな行動しかできなくなった人は、果たしてヒトなのか、チンパンジーなのか。
姿形は似ているけど、同じ種なのか、そうでないのか。

こんなことを書くと「ナチスのヒトラーみたいで危険だ!」といって、話を避けようとするはずです。
でも私はそんなことを言いたいのではありません。

“本質”を見極めて欲しいわけです。

人間とは何か?

その哲学的な問いを、哲学者でなくとも、今一度考える必要があると思うわけです。
あなたはちゃんと考えれてますか?

複雑な問いに対して「よく分からない!」とすぐに片付けるのではなく、自分の頭で最大限に考えれてますか?

「そういう考え方もあるよね〜」と、多くの人の考えを受け入れるような人は、一般的に優しいとされます。
しかし、本当にそれは優しいのでしょうか?

それは、ただ深い会話を避けているだけではないでしょうか?
あなたの発言に興味がない人なのではないでしょうか?

例えば、

Aさんは原発賛成派です。

Bさんは原発反対派です。

これって、「人っていろいろな考え方があるんだよね〜」で片付けていいことですか?
なにが言いたいかというと、一般的に優しいと言われる人って、“なにも生み出さない”のです。

なぜなら深い対話を避けようとするから。

  • 議論を避ける
  • 深い対話を避ける

確かにそうしていれば、人を傷つけることはありません。
だから、人から嫌われることもありません。

つまり、“孤独”になることはありません。

私たちは、孤独を避けようとして、優しい人を演じていないでしょうか?
孤独を避けるためにインスタント脳への道を歩んでいないでしょうか?

それは本当の意味での優しさではありませんし、その優しさだけでは深い人間関係を築くことはできません。
インスタントな行動をしている限り、孤独から避けることはできないのです。

代々木ゼミナールに通っていた時、英語の西谷昇二講師がこんな言葉を教えてくれました。

Only is not lonely.

一人は孤独じゃない。

一人で深い思考をすることは孤独ではありません。
インスタント脳を持ったまま、うわべだけの付き合いしかできないことが孤独を感じさせるのです。

一人で考え、深い思考を持ち、人と語れるようになった時、私たちは孤独から遠ざかることができるのだと思います。

お前がいつの日か出会う禍は、
お前がおろそかにしたある時間の報いだ。

ナポレオン・ボナパルト

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