選挙に行く前に理解しておきたい衆議院と参議院の違い

政治・経済
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日本の国会は、衆議院と参議院の二院制を採用しています。
ちなみにアメリカも2院制を採用しており、上院と下院からなります。

二院制ってどんな意味があるの?
衆議院と参議院の違いはなんなの?

という疑問を解決すべく、今日は衆議院と参議院について詳しく見ていきましょう。

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もともとは一院制だった?

第二次世界大戦後、GHQが考えた日本の新しい憲法の草案では、
日本の国会は一院制となっていました。

ここで日本は
「国会は二院制にして互いにチェックする必要があると主張して二院制にしたという歴史があります。

戦前の日本では衆議院と貴族院という二院制をとっていました。
新憲法のもとでは、華族制度が廃止されて貴族院は参議院に変わりました。

二院制のメリット

法案などの国にとって重要な問題について衆議院と参議院が二つの視点でチェックし、
おかしな法案は通らないようになっています。

衆議院と参議院の違い

違いを見ていきましょう。

  衆議院 参議院
人数 475人 242人
任期 4年(任期途中での解散もあり) 6年(解散なし。3年毎に半数改選)
被選挙権 25歳以上

30歳以上

選挙制度

小選挙区(295区)で295人

比例代表選出(ブロック別11区)で180人

選挙区(都道府県単位47区)で146人

比例代表選出(全国単位)で96人

 

衆議院と参議院の期待される役割

最も気になるところが任期の違いだと思います。
なぜ任期が違い、また衆議院では解散があるのでしょうか。

・民意の反映という視点

衆議院には任期が短く解散もあります。
ということは衆議院のほうが選挙をする回数も多くなり、
選挙で当選するためには民意を反映する必要があります。

ではなぜ参議院は任期が長く解散もないのでしょうか?

・衆議院を抑制するという視点

いくら民意を反映する必要があると言っても、日本を国家として存続させるためには長期的な視点が必要となります。
そのため衆議院のやりすぎをチェックするために参議院が存在しています。
民意の反映よりも「良識の府」としてじっくり政治の問題に取り組めるようになっています。
そのため被選挙権も衆議院より年齢が高く設定されているのです。

選挙制度

選挙制度を変えることによって衆議院と参議院に、
異なるタイプの議員を選出しようとしています。

衆議院の選挙方式

衆議院の選挙制度では、「小選挙区」と「比例代表」の選挙を同時に行います。

小選挙区の投票では投票用紙に候補者名を、
比例代表では生徒の名前を記入します。

小選挙区ではその区で最も得票数が高い人が当選します。

比例代表は少しややこしいので例を出します。
例えば、9人の当選者が出るブロックがあるとします。

政党名 A党 B党 C党
票数 100万票 60万票 20万票
1で割る 100 60 20  
2で割る 50 30 10
3で割る 33.3 20 6.6
4で割る 25 15 5
当選者数 4 3 2

各党の投票数を1,2,3と数字で割っていき数字の多い順で当選者数を決めていきます。
これを「ドント式」といいます。
こうすることで、人数が少なく弱い政党でも議席を取ることができるんですね。

参議院の選挙方式

参議院の選挙制度では「都道府県ごとの選挙区」と「全国を1つの選挙区とした比例代表」です。

都道府県ごとの選挙区では、選挙区によって当選者数が異なります。

衆議院と参議院で意見が割れた場合

二院制で困ることとして当然かもしれませんが、衆議院と参議院で意見が割れて法案が決まらないことがあります。
法案に対して衆議院が賛成多数で可決したのに、参議院が反対多数で否決した場合は、
衆議院の代表と参議院の代表が集まって「両院協議会」を開きます。

そこで話し合いで決めるのですが、まぁ決まりません。

決まらない場合は再可決が行われ、衆議院が改めて出席議員の3分の2以上の賛成で可決されたら法案は成立します。
つまり衆議院の議決=国会の議決になります。
これが俗にいう「衆議院の優越」ってやつですね。

なぜ衆議院が参議院よりも優先されるのでしょうか?
私にはよくわからない理由なのですが、
衆議院は参議院より任期が短く、選挙をする回数が多いので、直近の国民世論を反映している可能性が高いからだそうです。

これって参議院は必要なのか?という疑問が出てきます。
「参議院無用論」として実際に議論されたこともあるのです。

だって、衆議院も参議院もどのみち自民党の議員が多数なので、結局はいつも答えが一緒なんですよ?

ねじれ国会

衆議院では与党(自民党)が多く、参議院では野党(民主党)が多い状態のことを「ねじれ国会」と呼びます。

この状態では衆議院と参議院の結論が異なることが多いのです。
こうなると参議院の存在価値が見えるような気もします。

ただ、ねじれ国会になると、政治や行政が停滞することになります。
その損失はどれくらいになるのかは分かりません・・・。

衆議院だけでできること

ねじれ国会でも、参議院が関与しないことは衆議院だけで決めることができます。
参議院が関与することは「法案」に対してなので、

  • 内閣総理大臣の指名
  • 予算の承認

この2点に関しては衆議院だけでできるようになっています。

 

参考

https://ja.wikipedia.org/wiki/ねじれ国会