富士通が早期退職制度により3月末までに2850人を削減すると発表しました。3ヶ月前の2018年11月には、NECが早期退職を募集し、2170人が応募したと発表しました。
解雇規制が厳しいとされる日本でリストラは難しいので希望退職というカタチをとるしかありません。「退職の条件をよくするから、よろしく頼むぜ☆」というわけです。ここで考えたいことが、
どういう人が希望退職するのか?
ということです。今回の記事ではそれについて書いていきたいと思います。
希望退職で優秀な人が残り無能が離れるのは幻想
企業側の本音としては、
給料泥棒の無能は我が社にはいらん!
ということでしょうが、希望退職で給料泥棒を弾くことができるのでしょうか?いや、ほとんどの場合、無理です。せっかく得たリストラがほぼない正社員の称号。ましてや大企業の肩書き。それをすぐに捨てれる人はいません。無能な人ほどしがみつきます。
会社を出ていく人は優秀な人
会社を出て行ける人は以下のような人たちです。
- 大企業の肩書きを捨てれる人
- 正社員の称号を捨てれる人
つまり、優秀な人です。
「転職を考えてたら、退職金をプラスしてくれるって?ラッキー!!」
希望退職を募れば、これを機としてスキル・能力のある人ほど新天地へと出かけ、会社にしがみつかないと生きていけない人たちが会社に残ることになります。
組織を考えれる優しい人も出ていく
優秀な人以外でも、心の優しい人も会社を離れる可能性があります。
「もしかしてワイって会社のお荷物?会社のことを考えるのなら・・・」
という、組織全体を考えれる自己犠牲精神がある人も出ていく可能性があります。
会社に残る人とは?
優秀な人・組織を考えれる優しい人が会社を離れる可能性が高いと書いてきました。では会社に残る人とはどういう人でしょうか?
- 会社に忠誠心があり能力もある優秀な人(ごく少数)
- 会社にしがみつく大多数
- 「ワイは優秀だから会社に必要なんだ。お前こそ早期退職しろよ!」というスーパー勘違いをしている人
上のような人が会社に残る可能性が高いです。
ある程度優秀で、会社のことを思える優しい人たちがいなくなる組織が出来上がってしまいます。こうなると、会社に忠誠心がある優秀な人たちは絶望することになります。
「なんでお前らちゃんと仕事しないんだよ・・・」
と。それは仕方がないです。優秀な人、会社を思える優しい人は早期退職制度で会社から離れているのですから。会社に残った人は
- 会社にしがみつく能力が高い人
- 自分の価値をやたらと高く見積もる能力のある人
- 正社員の特権をフルに利用しようとする能力のある人
たちなのですから。
人件費という固定費を削った先にあるもの
企業が思う希望退職の理想とは、
無能な人がいなくなり、人件費が安くなる
ということでした。しかし、その理想は叶えられません。優秀な人間が去り、会社を思える優しい人を排除した組織の未来は暗いです。
おわりに:予想通りに不合理
「会社の業績が悪化してるぞ!これからはAIやロボットの時代だしな。そろそろ人を削減しとくか!」
という考えはとても合理的だと思います。でも、その合理的な考えを実行したからといって、組織が合理的に動くかというとそんなことありません。組織は不合理な人間の集まりだからです。組織運営の難しいところですな。それでは!
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