*試合結果を受けて、記事をリライトしています。
堀口恭司選手が、9年ぶりのUFC復帰戦でタギル・ウランベコフ選手に勝ちました。
結果は3ラウンド2分18秒、リアネイキッドチョークによる一本勝ち。UFC公式でも、堀口選手がウランベコフ選手に3R 2分18秒、リアネイキッドチョークで勝利したことが発表されています。
いやー、これは本当にしびれました。
この記事はもともと、堀口恭司選手のUFC復帰戦に向けた試合前予想として書いていました。試合前に私が一番気にしていたのは、ウランベコフ選手のグラップリングです。
ダゲスタン系のレスリングと寝技。一度組まれたら、テイクダウンされて、上を取られて、削られて、最後はサブミッションまである。正直、かなり怖い相手だと思っていました。
でも、実際の試合を見終わって感じたのは、堀口選手がその不安を真正面から上回ってきたということです。
単に打撃で勝ったわけではありません。距離を作り、カーフキックで前進を削り、組みでも対応し、最後は打撃から寝技までつなげてフィニッシュした。
9年ぶりのUFC復帰戦という話題性だけではなく、堀口恭司という選手の完成度をあらためて見せつけた試合だったと思います。
Sonosのホームシアター環境で観ていて、凄すぎて震えた試合でした。
試合結果|堀口恭司がウランベコフに一本勝ち
UFCファイトナイト・カタールで、堀口恭司選手はタギル・ウランベコフ選手と対戦しました。
ウランベコフ選手は、ロシア・ダゲスタン共和国出身のグラップラー。試合時点ではUFCフライ級11位として報じられていた強豪です。
その相手に対して、堀口選手は3ラウンドにリアネイキッドチョークで一本勝ち。
しかも、ただ勝っただけではありません。
1ラウンドからカーフキックでダメージを蓄積させ、2ラウンドにはテイクダウンも見せ、3ラウンドに打撃で崩してからバックを奪い、最後はチョークで仕留めました。
試合後には、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトのボーナスも獲得しています。
復帰戦としては、これ以上ないぐらいの内容だったと思います。
正直、堀口選手が強すぎた。仕上がりすぎてた。「これが堀口恭二」っていう内容でしたね。
試合前の予想|最大の不安はウランベコフの組みだった
試合前に私が一番警戒していたのは、ウランベコフ選手の組みでした。
堀口選手の打撃が世界トップレベルなのは、今さら言うまでもありません。伝統派空手ベースの出入り、独特のリズム、踏み込みの速さ、一瞬で距離を詰めてまた外す動き。打撃戦になれば、堀口選手が主導権を握る可能性は十分あると思っていました。
ただ、問題はそこではなかったんですよね。
怖かったのは、ウランベコフ選手が堀口選手の打撃を受けながらでも組みついて、テイクダウンして、上から削ってくる展開です。
ダゲスタン系の選手は、ただタックルが強いだけではありません。ケージ際で相手を逃がさない、倒した後に立たせない、上を取ったら細かく削る、相手が動いた瞬間に首や背中を狙う。そういう嫌な強さがあります。
だから試合前の私は、距離をコントロールし続けること、テイクダウンを切ること、組まれる前に打撃で圧力をかけること、ウランベコフ選手に組みのタイミングを与えないこと。このあたりが重要になると思っていました。
では、実際はどうだったのか。
答え合わせをすると、警戒ポイント自体は間違っていなかったと思います。
ただ、堀口選手はその不安を上回ってきました。
1ラウンド|カーフキックでウランベコフの前進を削った
まず大きかったのは、序盤からのカーフキックです。
堀口選手は1ラウンドからカーフキックを使い、ウランベコフ選手の前足にダメージを与えていました。
これは単に「足を効かせた」というだけではないと思います。ウランベコフ選手のようなグラップラーにとって、前に出る力はとても重要です。
踏み込めないとタックルに入れない。距離を詰められないとケージに押し込めない。足が気になると打撃への反応も遅れる。
つまりカーフキックは、打撃ダメージでありながら、同時に組みの入り口を潰す攻撃でもあったわけです。
試合前は「堀口選手が距離をコントロールできるか」が大事だと思っていました。
でも実際には、ただ距離を取るだけでなく、カーフキックで相手の前進そのものを削っていました。
逃げて距離を作るのではなく、攻撃しながら距離を支配する。
この入り方が、かなり大きかったと思います。
2ラウンド|「組まれない」だけでなく、組みでも勝負できた
試合前の私は、グラウンドをかなり不安視していました。
ウランベコフ選手に組まれたらどうなるのか。テイクダウンされたら立てるのか。寝技の展開で消耗させられないか。ここが最大の不安でした。
でも実際の堀口選手は、ただ「組まれないように逃げる」だけではありませんでした。
2ラウンドには、カーフキックを蹴りながらテイクダウンも成功させ、有利に試合を進めています。
これが本当に大きかったと思います。
グラップラー相手に打撃だけで勝とうとすると、相手は多少被弾しても「いつか組めばいい」と思いながら前に出てきます。
でも、打撃だけでなく組みでも対応されると、話が変わります。
ウランベコフ選手からすると、打撃で削られる。前足を蹴られる。組みにいっても簡単には支配できない。逆に堀口選手にテイクダウンされる場面もある。
これはかなり嫌だったはずです。
試合前の私は「堀口選手がテイクダウンを切り続けられるか」が鍵だと思っていました。
でも実際は、それより一段上でした。
テイクダウンを防ぐだけでなく、組みの攻防でも主導権を渡さなかった。
ここは、予想以上だった部分です。
ウランべコフ選手、完全に手詰まりでしたね。表情からも「これ無理や」ってのが伝わってきました。
3ラウンド|最後は打撃から寝技まで全部つながった
3ラウンドのフィニッシュも見事でした。
堀口選手は蹴りを起点にウランベコフ選手を崩し、トップを取って攻撃を重ね、最後はバックに回ってリアネイキッドチョークで仕留めました。
細かいフィニッシュの入り方については、報道によって表現に少し違いがあります。
スポニチは「ミドルキックから右フック」と報じています。一方で、MMA Fightingは「ヘッドキックでダウンを奪い、パンチからリアネイキッドチョークにつなげた」と報じています。
そのため、ここでは「蹴りを起点に崩し、最後はチョークで仕留めた」と見るのが安全だと思います。
ただ、細かい表現の違い以上に大事なのは、堀口選手が打撃で崩して、グラウンドで逃がさず、最後に一本まで取り切ったことです。
打撃、トップコントロール、バックへの移行、チョーク。全部がつながっていました。
しかも相手はウランベコフ選手です。
寝技が弱い相手を極めたわけではありません。ダゲスタン系の強豪グラップラーを相手に、最後は寝技で仕留めた。
これが、この勝利の価値をさらに大きくしていると思います。
堀口恭司の勝因は「打撃だけ」ではなかった
今回の勝因を一言でまとめるなら、堀口選手がウランベコフ選手の強みを一つずつ削っていったことだと思います。
カーフキックで前進を削る。出入りで組みのタイミングを外す。組みの攻防でも簡単には主導権を渡さない。最後は打撃で崩して寝技で仕留める。
この流れがとてもきれいでした。
試合前は、どうしても「堀口の打撃 vs ウランベコフのグラップリング」という構図で見ていました。
もちろん、それ自体は間違っていなかったと思います。
でも実際の試合は、もっと総合力の差が出た内容でした。
堀口選手は打撃で勝った。
でも、打撃だけで勝ったわけではない。
組みでも負けなかった。
最後は寝技で勝った。
この勝ち方が、かなり大きいです。
UFC復帰戦で、しかもランキング入りしている相手にこの内容。
「堀口恭司はまだやれる」ではなく、「堀口恭司は今でもUFCフライ級上位で勝負できる」と思わせる試合でした。
35歳の復帰戦ではなく、完成度を見せた復帰戦だった
堀口選手は1990年生まれ。この試合時点で35歳です。
フライ級で35歳。しかも9年ぶりのUFC復帰戦。
普通に考えれば、不安要素はあります。
スピードは落ちていないのか。UFCのレベルに対応できるのか。ダゲスタン系グラップラーに組み負けないのか。RIZINやBellatorを経て、もう一度UFCの上位戦線で通用するのか。
そういう疑問は、試合前には当然ありました。
でも、実際に見せたのは衰えではありませんでした。
むしろ、若い頃の爆発力に経験と判断力が上乗せされているような試合でした。
無理に倒しにいかない。相手の強みを消す。カーフで削る。組みでも慌てない。チャンスが来たら一気に仕留める。
若さだけで押し切る勝ち方ではなく、総合格闘技としての完成度で勝った試合だったと思います。
「昔の堀口恭司が戻ってきた」というより、「さらに完成度を上げた堀口恭司がUFCに戻ってきた」。
そんな印象でした。
次は本当にベルトなのか
試合後、堀口選手は王座挑戦への思いをはっきり口にしました。
国内報道では、堀口選手が「もちろんベルト」と語り、当時のUFCフライ級王者アレッシャンドリ・パントージャへの挑戦をアピールしたことが伝えられています。
また、MMA Fightingも、堀口選手が試合後にパントージャの名前を出し、チームメイトであっても試合はビジネスだという趣旨の発言をしたと報じています。
もちろん、この1勝だけで即タイトル挑戦になるかは分かりません。
UFCのタイトル戦線は、実力だけでなく、ランキング、タイミング、興行的な流れも絡みます。
ただ、少なくとも今回の勝利で、堀口選手がUFCフライ級の上位戦線に戻ってきたことは間違いないと思います。
しかも相手は、フライ級11位として報じられていたウランベコフ選手です。
その相手に、判定ではなく一本勝ち。
これは大きいです。
「日本人初のUFC王者」という目標に向けて、ただ夢を語っている段階ではなくなりました。
現実的な挑戦として、いよいよ見えてきた。
そう感じさせる試合でした。
堀口選手のマイクも最高でしたね。
まとめ|堀口恭司は、予想していた不安ごと上回ってきた
試合前、私はこの試合をかなり怖いと思っていました。
ウランベコフ選手のグラップリングは本物。堀口選手は35歳。9年ぶりのUFC復帰戦。しかも相手はランキング入りしている強豪。
不安要素はかなりありました。
でも、堀口選手はその不安を全部まとめて上回ってきました。
カーフキックで削る。距離を支配する。組みでも対応する。最後は打撃から寝技までつなげて一本を取る。
これは、ただの「復帰戦勝利」ではありません。
堀口恭司という選手が、RIZINやBellatorで積み上げてきた時間を持ったまま、もう一度UFCに戻ってきた試合でした。
若い頃の勢いだけではない。
ベテランの判断力だけでもない。
打撃だけでもない。
寝技だけでもない。
全部をつなげて勝った。
だからこそ、この勝利は大きいです。
試合前に不安視していたウランベコフ選手の強みを、堀口選手はしっかり潰しました。
そして最後は、そのグラップラーを相手にチョークで仕留めた。
いやー、これは本当にすごい。
9年ぶりのUFC復帰戦で、ここまでの内容を見せるとは思いませんでした。
堀口恭司、まだまだいける。
というより、ここから本当にベルトを狙えるんじゃないか。
そう思わせてくれる、最高の復帰戦でした。
参考サイト
UFC公式
UFC Qatar Official Result / Main Card Results
https://jp.ufc.com/news/ufc-qatar-official-judges-scorecards-ufc-fight-night-tsarukyan-vs-hooker
https://jp.ufc.com/news/ufc-qatar-main-card-results-ufc-fight-night-tsarukyan-vs-hooker-event-tonight-recaps-highlights-interviews
スポニチ
堀口恭司 9年ぶりUFC復帰で3Rリアネイキッドチョーク勝利
https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2025/11/23/kiji/20251123s00003000038000c.html
BoutReview
UFC 11.22 カタール 堀口恭司 vs タギル・ウランベコフ レポート
https://www.boutreview.com/3/reports/item_137280.html
イーファイト
堀口恭司、ランキング11位ウランベコフに一本勝ち
https://efight.jp/result-20251123_1666019
MMA Fighting
Kyoji Horiguchi drops Tagir Ulanbekov, rear-naked choke finish
https://www.mmafighting.com/ufc/457944/ufc-qatar-video-kyoji-horiguchi-drops-tagir-ulanbekov-with-head-kick-puts-him-to-sleep-with-rear-naked-choke


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