5.1chとかDolby Atmosとか、動画を探していたらよく目にしますよね。
それってなんじゃらほい?という人も結構いると思います。私も昔はそうでした。
簡単に言えば、5.1chとかDolby Atmosなどはサラウンドシステムの1つです。サラウンドシステムとは、いろんな方向から音が聞こえるようにしてリアリティのある音にするシステムのことです。
以下では、もう少し具体的に5.1chとかDolby Atmosについて書いていきます。
5.1chとかDolby Atmosはサラウンドシステムと呼ばれるものの1つ
5.1chとかDolby Atmosは、サラウンドシステムと呼ばれるものの1つです。
サラウンドは英語で「surround」で、「囲む」という意味があります。つまり、家の中で立体的な音響をつくりだすシステムのことを『サラウンドシステム』と呼びます。(≒ホームシアターと言ってもいいと思います)
じゃあどうやって立体的な音響を作り出せばいいのか?という話なんですけど、簡単に言ってしまえば、「いろんな位置にスピーカーを設置することで、立体的な音響を作り出す」という方法をとります。
より具体的に言えば、スピーカーの数というよりは、聞こえてくる音の位置を『Channel:チャンネル』と言い、チャンネルの数を増やしていくわけです。5.1chの「ch」はチャンネルのことです。
このように、それぞれ異なるスピーカーから異なる音の信号を出すことで、より立体的な音響をつくりだせるのです。
モノラルやステレオとは?
ここまで理解すれば、モノラルやステレオや5.1chやDolbyやAtmosの違いもすぐに分かります。
よく聞く『モノラル』は1つの音なので、チャンネル表記すれば『1ch』です。
同じようによく聞く『ステレオ』は左右から違う音が出るので、チャンネル表記すれば『2ch』です。
基本的に、『チャンネルの数=スピーカーの数』と思っていただければ良いです。(正確には違うけど)
5.1chの『.1』とは?→ サブウーファーが1つあるということ
ここまででモノラルが1chで、ステレオが2chなのは理解できたと思います。
となると、5.1chの『.1』が気になってきます。「.1ってなんじゃい!」って思いますよね。
低音を出力するサブウーファーを『.1』で表記することになっています。つまり、サブウーファーが1つならば『○.1』だし、サブウーファーが2つならば『○.2』となります。
5.1chは5個のスピーカーにサブウーファー1つ
これでもう5.1chが理解できたと思います。
『チャンネルの数=スピーカーの数』とすると、5.1chは、
- 5個のスピーカー
- 1つサブウーファー
なわけです。
ただし、これらのスピーカーをズラーと一直線に並べても立体音響は作られませんので、配置を考える必要があります。
パナソニックさんのサイトから絵を拝借しますと↓
こんな感じで5.1chのサラウンドシステムを構築できます。
正直、5.1chの環境を作り出すのは難しいです。値段とかもそうなんですが、『配線がごちゃごちゃする』んですよ。電源も必要だし、スピーカー同士を繋ぐ必要があるし…大変です!
7.1chになろうもんならさらに絶望します笑
Dolby Atmosとは
5.1chや7.1chの上を行くものがDolby Atmosです。
Dolby系もいろいろありまして、Dolby DegitalとかDolby TrueHDとかが昔ありました。で、今のところの最終進化系が『Dolby Atmos』です。(2021年現在)
んで、Dolby Atmosってなんなのよ?という話ですが、公式サイトより引用しましょう。
これまで映画のサウンドデザイナーは、個々のサウンドをミックスしてチャンネルにまとめて、サウンドトラックを製作していました。 たとえばヘリコプターが飛び立つ音を必要とするシーンがある場合は、そのサウンドを1個のチャンネルに割り当てて、他のサウンドとミックスする必要がありました。
https://www.dolby.com/jp/ja/technologies/dolby-atmos.html
このヘリコプターのサウンドはチャンネル間で移動できても、頭上へ移動することはできませんでした。 そのため、実際のサウンドとは異なって聞こえます。
これまで見てきたように、5.1chと言えども平面にスピーカーを配置するため、上の音を正確に再現できませんでした。Dolby Atmosはこれを克服しようとしたのです。
ドルビーアトモスは、チャンネルではなく、音声オブジェクトをベースにした業界初のオーディオフォーマットです。 ドルビーアトモスでは、ヘリコプター、けたたましい車のクラクション、子供の叫び声といったあらゆるサウンドが、チャンネルの制限がない独立した音声オブジェクトとして存在することができます。 このオブジェクトは頭上も含めてどこにでも配置および移動することができます。
じゃあ、Dolby Atmosの環境を自宅で作るためにはどうしたらいいのかと言いますと、
天井にスピーカーが必要
です。
それも複数必要です!
天井にスピーカーを設置するということは、天井に電源も必要です!
ちなみにチャンネル表記しますと、天井のスピーカーはサブウーファーの後につけることになります。天井に2つのスピーカーを設置したとすると、『5.1.2』みたいになります。これがDolby Atmosの最低限の配置です。
Dolby Atmosを堪能しようと思えば、『5.1.4』が必要です。つまり天井にスピーカー4つです。
ってことで、普通の家に住む人がDolby Atmosをガチで考えることはやめましょう笑。家のリフォームとか、新しく家をつくるとかが必要になってきますから。ハードルが高すぎます😅
そんなにスピーカーを設置できねえ!という家向けに登場したのがバーチャルサラウンド
5.1chにしろDolby Atmosにしろ、この環境を作ろうと思ったら超大変です。考えすぎて頭パンクします。結局は多くの方が諦めることになります。
「ワイには無理や…もう映画を最高の環境で楽しむことは諦めなければならないんや…」
と、涙を流した人も大勢いるはずです。
そんな方のために登場したのが『バーチャルサラウンド』です。ようは擬似的に5.1chやDolby Atmosを再現しましょうやってな技術です。
バーチャルサラウンドを用いれば、より少ないスピーカーの数で、立体音響を楽しめるようになりました。
またパナソニックさんからイメージ図を拝借しますと↓
天井に音をぶつけ、それを反射させて擬似的に上からの音を再現するスピーカーもあります。Sonosで言えばSonos Arcです。
おわりに:サラウンドシステム構築には妥協が必要だ!
ここまで読んできた人は察しているはずです。「うわー、どこかで妥協するしかないな」と。
そうなんです。ガチのDolby Atmos環境を作られる人なんて、日本人の1%未満ではないでしょうか笑。
Dolby Atmosの専用部屋が必要ですし、スピーカーも必要ですし、そうなってくるとプロジェクターとかも欲しくなってきますし、それぞれが値段がピンキリですし…もうね、こだわろうと思えばお金がめちゃくちゃ必要なんです! (音は反響するので、その反響音も邪魔になったりするので、反響音が防げるような防音設備なども必要になってくる)
ってことで、妥協しましょう。
私は今のところ、
- Sonos Playbase
- Sonos One×2
で落ち着いています。これだけでも十分にいい音です。
>Sonos One(Gen2)を2台購入してサラウンドスピーカーにしてみた
参考までに。それでは!
追記:Sonosで5.1chシステムを構築しました!>Sonosで5.1chワイヤレスホームシアターを完成させてしまった話
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