私はSonosのサウンドバーを使っております。
んで、Sonosのサウンドバーの機能をフルに使うために知っておきたい用語があります。
それが「eARC」です。
Sonosなどのサウンドバーで最高の体験を得るためには、eARCについての知識は必須です。
というわけで、この記事では「eARC」について解説していきます。
「記事なんて読むのはめんどくさい!どうしたらeARCを使いこなせるか教えろよこんちくしょー!」という方は、以下の3つを揃えて繋げてください。
- eARC対応のサウンドバー(2023年11月現在のSonos製品でいえば、ArcとBeam Gen2)
- eARC対応のテレビ
- eARC対応のHDMIケーブル(HDMI2.1対応ケーブル、eARC対応ケーブル、ウルトラハイスピードHDMIケーブルなどの名前で売られています)
eARC解説:テレビのサラウンドシステムをワンランクアップ
では以下にeARCについて具体的に書いていきます。
eARCとは?
eARCは、「Enhanced Audio Return Channel」の略です。日本語では「拡張オーディオリターンチャネル」と呼ばれていたりします。
これはテレビからオーディオ機器に向けて音声を送り返す技術で、たとえばサウンドバーなどのオーディオ機器を使っている人にとって、音質向上やよりリッチなオーディオ体験を可能にします。より具体的に言えば、このeARCという技術を使うことで5.1chより上のDolby Atomos(ドルビーアトモス)なんかをお家で楽しめるようになります。
2023年現在のSonos製品でいえば、eARCに対応しているものはSonos ArcとSonos Beam Gen2の2製品です。言い換えると、ドルビーアトモスを楽しめるSonos製品はいまのところArcとBeam Gen2のみで、他のSonos製品は5.1ch止まりです。
ARCの進化版がeARC
eARCの旧規格に「ARC」があります。
通常のARC(オーディオリターンチャネル)では、オーディオ信号の伝送に制限がありました。具体的には、伝送できるのは最高192kHz/24bitのLPCM(リニアPCM/ステレオ)または、各種5.1chフォーマット(Dolby Digital/DTS/MPEG-2 AAC)に限られました。
eARCはARCの進化版で、より多くのデータを伝送できるため、高音質のオーディオや最新のサラウンドサウンドフォーマットにも対応しています。Dolby Atmos/DTS:X のほかに、5.1ch/7.1chリニアPCM信号(最大8ch)や、最大32chの圧縮音声などの伝送にも対応します。
つまりeARCはより没入感のあるオーディオ体験が手に入るというわけです。
ARCやeARCはHDMIケーブルのみでOK(光デジタルケーブル不要)
ARCやeARCのすごいところはオーディオ体験だけではありません。接続も簡単になっています。
ARCやeARCに対応していないサウンドバーなどの機器にテレビ放送の音声を入力するためには、光デジタルゲーブルが必要でした。旧来の技術では映像はHDMI接続、音声は光デジタルケーブル接続と2種類のケーブルが必要だったのです。
しかしARCやeARCですと光デジタルケーブルは不要で、HDMIケーブルのみでOKです。ケーブルが1本不要になるので配線回りがスッキリしますし、「どの光デジタルケーブル買おうか…」という悩みもなくなります。シンプルイズベストなのです!
*関連記事>Sonosのサウンドバーを購入する前に知っておきたいテレビとの接続の話【HDMIか光オーディオ】
ARCとeARCの音声フォーマットの違い
ARCとeARCの音声フォーマットの違いを表にとまとめます。
音声フォーマット | ARC | eARC | 説明 |
---|---|---|---|
PCM (Pulse Code Modulation) | ◯ | ◯ | 基本的なデジタルオーディオフォーマット |
Dolby Digital | ◯ | ◯ | 圧縮されたマルチチャンネルオーディオフォーマット |
DTS (Digital Theater Systems) | ◯ | ◯ | 高品質なサラウンドサウンドを提供するオーディオフォーマット |
Dolby Digital Plus | ◯ | ◯ | 高いビットレートでオーディオを伝送するための拡張形式 |
Dolby TrueHD | ✕ | ◯ | 非圧縮のオーディオフォーマットで、高音質なサラウンドサウンドを提供 |
DTS-HD Master Audio | ✕ | ◯ | DTS社による非圧縮のオーディオフォーマット |
Dolby Atmos | ✕ | ◯ | オーディオの高さ情報を含む3Dサウンドを提供 |
DTS:X | ✕ | ◯ | サウンドオブジェクトを使用して臨場感あるサラウンドサウンドを提供 |
MPEG-2 AA | ◯ | ◯ | 地上デジタル放送の音声形式 |
MPEG-4 AAC | ✕ | ◯ | 4K放送の音声形式 |
eARCの特徴のまとめ
eARCの特徴について簡単に箇条書きでまとめます。
- 高音質のオーディオ伝送: eARCは、より多くのデータを伝送できるため、高音質のオーディオをテレビからオーディオ機器へ送ることができます。
- サラウンドサウンドの向上: eARCは、最新のサラウンドサウンドフォーマットにも対応しているため、より臨場感あるオーディオ体験が可能です。
- 双方向通信: 通常のARCと異なり、eARCは双方向通信が可能です。これは、オーディオ機器からテレビへの制御信号の送信ができることを意味します。リモコン一つで、テレビとオーディオ機器をスムーズに操作できます。
eARCの使い方
では最後にeARCの使い方についてです。
eARC対応のテレビ/モニターを用意
なんといってもまずはeARC対応のテレビ/モニターを揃える必要があります。テレビで言えば、知名度のあるメーカーの最新モデルを購入すれば基本的にはeARC対応しています。
テレビに対してモニターでeARCに対応しているものはほとんどありません。2023年11月現在ですとLGがeARC対応モニターを出しています。>LGからeARC対応のモニター/ディスプレイが発売されてるぞ!
eARC対応ではないテレビ/モニターでも、あるデバイスを使えばサウンドバーに音を出力できもするのですが…値段が高いです。「どうしてもこのテレビ/モニターを使いたいんや!」という欲望がない限りは、eARC対応のテレビ/モニターに買い替えた方が無難です。
eARC対応のオーディオ機器を用意
もちろんオーディオ機器もeARC対応でなければなりません。
2023年現在のSonos製品でいえば、eARCに対応しているものは、Sonos ArcとSonos Beam Gen2の2製品です。
Sonos RayやSonos Beam Gen1はeARC対応ではありませんのでお気をつけください。
eARC対応のHDMIケーブルを用意
eARC対応のHDMIケーブルも必要です。
eARCに対応しているHDMIケーブルは、いろんな呼ばれ方がされているので悩みどころです。
- HDMI2.1対応ケーブル
- eARC対応ケーブル
- ウルトラハイスピードHDMIケーブル
と呼ばれているHDMIケーブルがeARCに対応しています。
逆に、
- HDMI1.5
- HDMI2.0
- ハイスピードHDMIケーブル
などはeARCには対応しておりませんのでお気をつけください。4年前に1000円くらいで購入したHDMIケーブルが家にあったりするとは思いますが、たぶんそのHDMIケーブルはeARCに対応していません。
で、eARC対応のHDMIケーブルが用意できたら、テレビのeARC対応のHDMIポートと、オーディオ機器のeARC対応のポートを適切に接続しましょう。
テレビ/モニターの設定画面からeARCを有効にする
ここはメーカーによってやり方がさまざまなところです。
基本的には、テレビやオーディオ機器の設定メニューから、eARCを有効にする必要があります。各機器の公式サイトの取扱説明書を参考に、簡単な設定を行いましょう。
おわりに:すでにサラウンドシステムを構築している人にeARCはオススメ
eARCは、テレビとオーディオ機器のコミュニケーションを新しい次元に引き上げる素晴らしい技術です。
すでにサラウンドシステムを構築していて5.1chを楽しんでいる方は、さらなる高みを目指してeARC対応のテレビ/モニターを買い替えてもいいかもしれません。
逆に言えば、「サウンドバーのみしか持っていない!」という人は、そこまでeARCにこだわらなくてもいいんじゃないかなーと。eARC対応のものを購入する値段で、中古で5.1chサラウンドシステムを構築したほうが満足度高いような気がします。
参考までに。それでは!
*参考にしたサイト↓
- https://direct.sanwa.co.jp/contents/sp/onayami/arc_earc/
- https://kakakumag.com/av-kaden/?id=16330
- https://yabe.jp/gadgets/all-about-hdmi-earc-atmos/
コメント