U-NEXTで、堀口恭司選手とマネル・ケイプ選手のUFCでの再戦を見ました。
見終わったあと、しばらく何も言えませんでした。
結果は、マネル・ケイプ選手が3ラウンド2分42秒、パンチによるTKO勝ちです。
まじかよ…
「いけるぞ、これはいけるぞ堀口」
そう思っていました。
3ラウンドの途中までは、本当に勝てると思っていました。
それが、ケイプ選手のスイッチからの右フックで一瞬にして崩れました。
「え?」
「うそ」
「まだいけるよね、エスケープして」
「あ、あ、ああ……」
そして、レフェリーが間に入りました。
止められた。
止められたーーーーーーーーー。
さっきまで勝てると思っていた試合が、本当に終わってしまいました。数秒でひっくり返った。
MMAはそういう競技だと分かっています。どれだけ良い時間を作っていても、一発で全部が変わる。頭では分かっています。
でも、これはきつかったです😭
堀口恭司vsマネル・ケイプ2の試合結果
まず、試合結果を整理しておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | UFC Fight Night: Kape vs. Horiguchi |
| 会場 | 米国ネバダ州ラスベガス・Meta APEX |
| 試合 | 堀口恭司 vs マネル・ケイプ2 |
| 階級 | フライ級 |
| 結果 | マネル・ケイプが3R 2分42秒、パンチによるTKO勝ち |
| 大きな流れ | 堀口が序盤を優勢に進めるも、3Rにケイプがスイッチからの右フックで逆転 |
一部ではKOと表記されることもありますが、公式決定や戦績サイトではTKO、パンチによるストップとして扱われています。そのため、この記事では「堀口選手のTKO負け」と書きます。
ただ、結果だけを見ると、この試合の印象をかなり間違えてしまうと思います。
堀口選手が何もできずに負けた試合ではありません。むしろ、1ラウンドと2ラウンドは堀口選手が良く、3ラウンドも途中までは勝ちが見える内容でした。
だからこそ、あの一発が本当に重かったです。
2017年RIZINから続いていた再戦
この2人は、今回が初対戦ではありません。
最初に戦ったのは、2017年のRIZINバンタム級トーナメント準決勝です。そのときは、堀口選手が3ラウンド4分27秒、肩固めでケイプ選手に一本勝ちしています。
当時のケイプ選手は、荒々しくて、身体能力が高くて、見ていて危ない選手でした。勢いで試合を壊しそうな怖さがありました。
それでも、総合力では堀口選手が上でした。最後はきっちり寝技で仕留めました。
そこから約8年半。
堀口選手はRIZINやBellatorで大きな実績を積み、日本MMAを代表する存在になりました。ケイプ選手もRIZINで朝倉海選手に勝って王者になり、その後UFCへ進み、フライ級上位まで上がってきました。
だから今回の再戦は、ただのリマッチではありませんでした。
RIZINで堀口選手に負けたケイプ選手が、UFCのトップ戦線で待っている。そこに堀口選手が戻ってきた。しかも勝てば、タイトル挑戦にもかなり近づくかもしれない。
堀口選手に勝ってほしい。
でも、ケイプ選手が危ないのも分かる。
それでも、堀口選手ならやってくれるんじゃないか。
そんな気持ちで見始めました。
1ラウンド、最初は息を止めて見ていた
1ラウンドは、堀口選手がいきなり完全に支配したというより、かなり慎重な探り合いでした。
ケイプ選手はサウスポー、堀口選手はオーソドックス。お互いにフェイントを入れながら、どこで入るかを探っている時間が長かったです。
正直、最初の数分はあまり声も出ませんでした。
ケイプ選手の一発が怖い。
堀口選手が入るタイミングも怖い。
まだ大きな展開はないのに、ずっと危ない空気がある。
そんな1ラウンドでした。
堀口選手はインローや右ミドルを蹴りながら、無理に打ち合わず、ケイプ選手のパンチに対してタックルを合わせる場面も作っていました。ケイプ選手も蹴り足を取ろうとしたり、パンチを返したりしていて、決して一方的な展開ではありません。
それでも終盤、堀口選手がケイプ選手の入りに合わせて組みつき、テイクダウンを奪って上を取りました。
ここで少しだけ息ができました。
「よし」
そう思いました。
派手に削ったラウンドではありません。でも、最後に上を取って終えたことで、堀口選手がやや優勢にまとめたように見えました。
慎重に入って、無理をせず、最後にポイントを取りにいく。
堀口選手らしいラウンドでした。
2ラウンド、これはいけるんじゃないかと思い始めた
2ラウンドは、かなり手応えがありました。
堀口選手が打撃で流れを作り、そこからテイクダウンにつなげました。上を取ってからは、派手に殴り続けるというより、ケイプ選手の攻撃時間を削りながら、自分のペースで試合を進めていました。というか、堀口選手に上になられても、決定的な打撃を与えられなかったケイプ選手がすごい。
このラウンドは、打撃で圧倒したというより、テイクダウンとトップコントロールが大きかったと思います。
ケイプ選手も下から肘を返して抵抗していました。でも、流れを握っていたのは堀口選手でした。
ここで、かなり前のめりになりました。
「これはいけるんじゃないか」
まだ油断してはいけない。
ケイプ選手は危ない。
この選手は最後まで何が起きるか分からない。
頭では分かっていました。
それでも、2ラウンドまでの堀口選手はかなり良かったです。打撃だけで勝負せず、組みも混ぜる。上を取って時間を使う。ケイプ選手に気持ちよく打たせない。
まさに堀口選手の総合力が出ていました。
このまま落ち着いて3ラウンドを進めれば、勝てる。
そう信じ始めていました。
3ラウンド、「いけるぞ」と思った
3ラウンドに入ると、ケイプ選手は前に出る意識を強めました。
それはそうだと思います。2ラウンドまでを取られている可能性が高い。ケイプ選手としては、何かを変えないといけない状況でした。
でも、堀口選手も悪くありませんでした。
飛び込んで攻撃を当て、ケイプ選手を止める場面がありました。ケイプ選手が下がり、足を気にするような動きもありました。
この瞬間、かなり思いました。
いけるぞ。
これはいけるぞ、堀口。
無理しなくていい。
このまま落ち着いて。
ここをしのげば勝てる。
心の中で、ほとんど声に出すように叫んでいました。
1ラウンドは取っているように見える。
2ラウンドも堀口選手のラウンドに見える。
3ラウンドも途中までは悪くない。
このまま行けば勝てる。
本当にそう思いました。
そして、スイッチからの右フックで全部が変わった
その直後でした。
ケイプ選手がオーソドックスにスイッチしました。
堀口選手がワンツーで入ります。
そこに、右フックが合わされました。
一瞬でした。
堀口選手の足が大きく崩れました。
「え?」
最初は、何が起きたのか分かりませんでした。
「うそ」
「いや、まだいけるよね」
「エスケープして」
「立って」
「まだ止めないで」
そう思っている間に、ケイプ選手が一気に詰めました。堀口選手は亀になりながら耐えようとしていました。まだいける。まだ戻れる。そう思いたかったです。
でも、ケイプ選手の追撃は止まりませんでした。
背後から、脇の下から、容赦なくパウンドが入っていきます。最後は下から突き上げるような右アッパーも入りました。
「あ、あ、ああ……」
言葉になりませんでした。
レフェリーが間に入りました。
さっきまで勝てると思っていた試合が、本当に終わってしまいました。
なぜここまで悲しいのか
この敗戦がここまで悲しいのは、堀口選手が何もできずに負けたわけではないからです。
最初から押され続けて、ケイプ選手の打撃に対応できずに終わったのであれば、「ケイプが強すぎた」で整理できたかもしれません。
でも、そういう試合ではありませんでした。
1ラウンドは慎重な探り合いの中で、終盤にテイクダウンを奪って上を取りました。
2ラウンドはテイクダウンとトップコントロールで、かなり堀口選手の時間でした。
3ラウンドも途中までは勝ちが見えていました。
だからこそ、きついです。
堀口選手は通用しなかったのではありません。
通用していました。
通用していたからこそ、勝ちが見えていたからこそ、あの右フックがあまりにも重く感じました。
MMAは、良い時間を長く作った方が必ず勝つ競技ではありません。どれだけ正しく戦っていても、一瞬の被弾で全部がひっくり返ることがあります。
分かっています。
でも、分かっていてもきついものはきついです。
ケイプの強さも認めるしかない
もちろん、これは堀口選手が悔しいだけの試合ではありません。
ケイプ選手は強かったです。
1ラウンド終盤にテイクダウンを取られ、2ラウンドも上を取られてコントロールされました。普通なら焦ってもおかしくない展開です。
それでも、3ラウンドで一瞬のチャンスを逃しませんでした。
しかも、ただ振ったパンチが当たったという感じではありません。
スイッチして、堀口選手の入りに合わせて、右フックを当てた。あの場面で、あの一発を出せるのがケイプ選手の怖さだと思います。
劣勢に見える時間があっても、消えていない。
相手が良い試合をしていても、一発で壊せる。
チャンスが来たら逃さない。
これは本当に強いです。
悔しいですが、ケイプ選手の勝負強さは認めるしかありません。
2017年にRIZINで堀口選手に敗れ、約8年半後にUFCのメインイベントで再戦し、今度はTKOで勝った。これは単なる1勝ではなく、キャリアの物語としてもかなり強い勝利です。
堀口はもう厳しいのか
今回の敗戦で、堀口選手のタイトル挑戦は遠のいたと思います。
UFCのフライ級は層が厚く、上位戦線では一つの負けがかなり大きく響きます。メインイベントで上位のケイプ選手にTKO負けしたことは、痛い敗戦です。
ただ、「堀口選手はもうUFCで厳しい」と言うのはまだまだ早いと思います。
今回の試合でも、堀口選手はUFC上位相手に試合を作れることを見せました。特に2ラウンドのテイクダウンとトップコントロールは、堀口選手の総合力がまだ高いことを示していたと思います。
問題は、通用するかどうかではなく、勝ち切れるかどうかです。
UFCの上位選手は、少しの隙で試合を終わらせてきます。堀口選手がどれだけうまく進めても、一瞬の被弾で負ける可能性がある。
今回の試合は、その厳しさを見せつける内容でした。
まとめ:勝てると思ったから、余計に悔しい
堀口恭司選手は、マネル・ケイプ選手に3ラウンドTKOで敗れました。
結果だけ見れば、ケイプ選手のリベンジ成功です。UFCフライ級タイトル戦線に向けても、大きな勝利になりました。
でも、堀口選手の内容が悪かったわけではありません。
1ラウンドは慎重に入り、終盤にテイクダウンを取りました。2ラウンドはトップコントロールで流れを作りました。3ラウンドも途中までは勝ちが見える展開でした。
いけるぞ。
これはいけるぞ。
このまま行ける。
そう思った直後に、スイッチからの右フックで全部が崩れました。
本当に悔しいです。
堀口選手の完成度は見えました。
ケイプ選手の破壊力も見えました。
そして見ている側には、「勝てると思ったのに」という気持ちだけが強く残りました。
正直、しばらく引きずりそうです。

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