✅元日本マイクロソフトの代表取締役社長の成毛眞(なるけまこと)さんの著書『定年まで待つな!一生稼げる逆転のキャリア戦略』を読みました。鋭い視点で『転職』について書かれていました。この記事でメモしていきます。資格なし&これといった実績もないミドルエイジの方は必読の書かと思いますー。
ミドルエイジが転職を考えるべき理由
それではミドルエイジが転職を考えるべき理由について書いていきます。
1:逃げきれない世代だから
現時点で50代後半ですと『適当に働いて逃げ切る』ことが可能です。でもミドルエイジは無理です。激変するであろう時代に飲み込まれます😱
ですから、今の会社が今後やばそうなのであれば、
とっとと会社を辞めて、長く稼ぎ続けられる職場を探そう!
というわけです。
2:ミドルエイジの危機感は薄い
- 60代まで続く住宅ローンを組んだり
- 高価な車を買ったり
- 「経験」といって贅沢な外食をしたり
- かといって資産運用などせず、普通口座にお金を貯めているだけ
ので、このままの価値観で高齢者になったらヤバイ!のです。
今でさえ、大企業に勤め上げた高齢者で『お金に困っている』人は少なくありません。なぜかというと、
- 大企業時代の金銭感覚が抜けない(プライドが高い)
- 「大企業に勤めていたんだから」という理由で貯金があると思い込んでいる
そういう困った人がいるのですね😅
3:スマホを使いこなす世代が会社に入ってくる
AIやロボットに仕事を奪われる、という話は耳タコですが、それ以上に、スマホを使いこなす若者が組織に入ってくるという怖さもあります😱
今では10代や20代で、スマホを使いこなして自分で稼いでいる人が当たり前な時代。彼らの方が『ビジネス感覚』を身につけていたり、急変する時代についていける対応力があったりするのですね。
いまの40代以上の人たちは、もはや若い世代の足を引っ張るだけになり、定年まで持たずに駆逐される人の続出するだろう。p35
4:退職金があてにならない
金融緩和というのはインフレ率を2%上げようとする政策です。今は2%の目標に届いていませんが、インフレが起こり、退職金がインフレに対応して上がらない場合、退職金の価値は減っていきます。
たとえば、いま40歳とした場合、60歳までの20年間、年率2%ずつインフレが起きると仮定しよう。単純計算すると、2% × 20年だから、20年で40%のインフレが起こることになる。もし退職金が3000万円だとして、20年後も金額が変わらなかったとしたら、退職金の実質的な価値は3000万円× 60%だから、1800万円になる。もちろんそこから、さらに税金が引かれる。p41
インフレ率を2%で留めておけたらの話です。歴史を見る限り、インフレが起こり出すとそれをコントロールできず、一気にインフレが上がります。そうなったとしたら・・・🤢
5:内部留保があり早期退職金で上乗せされるならそのチャンスを逃すな!
成毛さんは、
早期退職制度は大チャンス!
と言っております。
なぜかというと、
- 今はまだ企業は内部留保としてお金を溜め込んでいる
- そして早期退職制度で多くの退職金がもらえる
からです。内部留保が少なくなると早期退職に+αのお金が出せなくなるのですね。だからこそ、早期退職制度でお金がプラスしてもらえるうちに転職した方がいいという考えです。
仮に退職金で1500万円もらえたとして、これをインフレに連動する年利2%の金融商品で運用したとすると、20年で2229万円です。(複利で計算)
年利2%でこれなのですから、3%、4%で運用すればなかなかの金額になります👍
私はこれを読んで目からウロコが落ちました。早期退職には退職金を運用できるというメリットもあるのですね。(くれぐれも、退職金をビットコインやレバレッジをかけたFXでワンちゃん狙わないように!)
ミドルエイジが転職するための思考法
ではミドルエイジはどうやって転職していけばいいのでしょうか?以下では成毛流の転職思考法について書いていきます。
1:転職に必要ないものは捨てる
- MBAはいらない→役に立たないから
- ビジネス系のセミナーもいらない→「起業のために人の話を聞きにくるなんて頭が悪い」byビル・ゲイツ
- 資格取得もいらない→あと5〜10年で士業はほぼ全滅する
お金と時間がかかる割に効果のないものはスッパリと切り捨てましょう。
2:転職はプライドを捨ててダウングレードせよ!
ここが本書の核心だと思います。
転職に、
- スキルや資格
- これまでの仕事の実績
は必要ありません。
なぜなら、
転職はダウングレードすればいい
からです。
- 今より規模の小さな会社
- 都会ではなく地方の会社
ここに絞って転職をするのです。地方の小さな会社に狙いを定めて転職するのです。
ちなみに、ダウングレードする際は、同業ではなく、異業種・異業界を狙いましょう。なぜならダウングレードして同業種を狙う場合「あ、こいつ、仕事ができなくてリストラ対象だったから、こっちに来たのかな?」と思われるからです😅「異業種だとこれまでの経験が通じないから心配」という気持ちも分かりますが、実際は同じ業界への転職の方が難しいのですね。
また、「異業種だったら仕事ができないから心配・・・」と思われるかもしれませんが、そこは謙虚な姿勢で一から学び直せばOKです。
3:地方の会社は黒字で倒産している企業が多い
地方の小さな会社と聞くと、「赤字で廃業寸前なんじゃねーの?」と思うかもしれません。確かにそういう会社もあるでしょう。しかし、赤字で廃業する企業ばかりではありません。
廃業する中小企業の5割は黒字経営で、後継者がいないために、やむなくつぶれているのである。じつに残念でもったいない会社なのだ。p58
もともと黒字の会社ということは、
- 消費者のニーズをつかんでいた
- 経営もうまくいっていた可能性が高い
- 地域のブランド性もある
ということなので、このダイヤモンドの原石とも言える会社に転職できれば、超優良企業にすることも可能なのです!
4:小さな企業だと経営陣に加わることも可能
小さな企業だと、そこで出世すれば経営陣に加わることも可能です。大企業に勤めていたら不可能であった道が開かれるかもなのです。
企業経営なんて自分にはできないと思うかもしれないが、最近は無料で経営指導してくれる自治体も増えている。特に地方自治体は税収を確保するために必死だから、地元企業に入り、立て直しを図ろうとする意識の高いビジネスパーソンがいたら、喜んで全面サポートするだろう。そうした支援を上手に活用すれば、「素人経営者」でも十分やっていけるはずだ。p59
この本で紹介されていた可能性のある転職先を下に書いておきます。
✅温泉旅館
- ITで顧客サービスの向上・経営効率化を図る
- インバウンド客が増えているので温泉旅館はポテンシャルがある
✅造り酒屋
- 日本酒もまだまだ可能性がある
- 獺祭ももともとは倒産寸前の酒屋だった
✅つぶれかけの老舗
- 100年以上の歴史を持つ「老舗の会社」はそれだけで価値がある
- 歴史がある会社を海外の人たちは「信用できる会社」と評価する人が少なくない(海外では100年続く会社が少ないから)
- 「SINCE1850」「江戸時代から続く」などとアピールできるのは強み
- 老舗の会社は歴史上の人物とや出来事と所縁があるケースが多く、宣伝効果もある
5:地方移住の注意点
ガチの田舎ですと、『人間関係』がめんどくさい場合があるので、
- 地方の政令指定都市
- 都心から片道1時間圏内の郊外
がいいです。成毛さんのオススメは仙台と福岡です。
6:東南アジアに目を向けるのもあり
無意識のうちに、「日本でしか働けない」と決めつけてはいないか。私は「海外で働く」ことも選択肢に入れるべきだと思う。p92
少子高齢社会で疲弊していくより、人口が増え続けている東南アジアに移住した方が幸せな人生を送れるかもしれません。
- マイナビ転職グローバル
- DODAグローバル
- リクナビnext
を使えば求人が活発であることも分かります。
✅転職サービスについてはこちらの記事を参考にしてみてください↓
>【転職サイトとエージェントの違い】なぜ転職では複数のサービスを利用するべきなのか?
「日本では無理だけれど海外だと有利」という斜陽産業に勤めている人は、海外に目を向けた方がいいでしょう。
- 印刷会社→日本より安く印刷できるけれど、日本向けのパイプやノウハウがないので「印刷のことがわかり、日本で営業できる日本人向けの営業マン」が欲しい
- アルミの生産→海外の方が電気代が安い
- データセンター→海外の方が電気代が安い
などなど、視点を変えて海外に行けば拓かれる職種もあります。
また、『海外から日本向け』をターゲットにしている企業では『語学力不問』にしている求人もあります。日本企業や日系企業の現地法人を狙いに定めている企業では『日本語を話せる人』を求めていたりするのですね。
おわりに
ミドルエイジで転職をお悩みの方には、新しい知見を与えてくれる本です。ぜひお読みください。
とりあえずは転職サイトに登録するところから始めて、
- 「転職する」という行動のイメージを持つ
- 自分はなにをしたいのか?
- 家族との相談
などなどをしていくのがいいかなーと思います。
それでは!
✅読書メモとして簡単に動画にしています↓↓↓
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