私は以前、自衛隊幹部候補生試験に合格しました。公務員試験対策講座などは受けず、独学での合格です。ただ、私は理系だったので、文系科目の勉強には手こずりました。
受験を振り返ると、長い筆記試験も、民間企業とは少し雰囲気の違う面接も覚えています。これから受ける方に向けて、そのときのことを書いていきます。ここで紹介する科目や面接の質問は、私が昔受験したときの体験です。現在の募集案内については、末尾で少し補足します。
自衛隊に対する考えは、昔と変わりました
試験の話をする前に、書いておきたいことがあります。
恥ずかしながら、大学生の頃の私は「大学を卒業したのに自衛隊に進むなんてバカじゃないの?」と思っていました。自衛隊という組織に偏見があり、「税金のムダ」とまで考えていたのです。
今では、それは私自身がよく知らなかったからだとわかります。当時の自分をぶん殴ってやりたいくらいです。自衛隊の大切さを考えるようになった今、あまり知らないまま進路まで否定していたことを恥ずかしく思います。
以前、陸上自衛隊の一佐の方から、幹部はチームを率いなくてはならないので倒れてはならず、そのためにリーダーシップや知識が求められる、という話を聞きました。
幹部を目指すというのは、人を率いる立場を目指すことなんですよね。試験に受かるための勉強も必要ですが、その先で自分は何をしたいのか。そこまで考えることが大切だと私は思っています。
独学で合格しましたが、文系科目には苦労しました
「どうやって勉強しましたか?」という質問を、この記事を読んだ方からいただくことがあります。私の場合は、公務員試験対策講座には通わず、自分で勉強しました。
ただ、独学で合格したからといって、勉強が楽だったわけではありません。理系だった私にとって、文系科目の知識はビミョーでした。知らないことを勉強していくのに苦労した記憶があります。
なので、これから受ける方にまず伝えたいのは、筆記対策をきちんとしておいてほしい、ということです。幹部自衛官になりたいという気持ちがあっても、最初の筆記を通過しなければ、面接でその思いを話すところまで進めません。
私の経験から言えるのは、独学でも合格できたということまでです。講座が必要かどうかは、自分の得意・不得意や勉強の進み具合で考えてください。私も、苦手な科目に手こずりながらの受験でした。
また当時はわかりやすい動画講義なんてほとんどありませんでしたが、今ではスタディサプリなどもありますし、YouTubeにも無料で分かりやすい動画があります。それらを使ってコツコツ勉強すれば大丈夫だと思います。
(そしてなんならどこもかしこも人不足ですし)
筆記試験は長い一日。英語と化学を選びました
私が受けた当時は、1次が筆記試験でした。院卒の試験では記述を2科目解く形式で、私は英語と化学を選びました。
記憶では、朝8時頃から夕方18時頃までかかる長い一日でした。問題を解くだけでも疲れますが、拘束時間も長くて、本当に疲れたんですよね。チョコレートとフリスクを持っていったことも覚えています。
糖分と眠気ざましと水分は必須です。
私はパイロットの試験も併願しました。そちらで覚えているのは、戦闘機の写真を見て、どの方角に向かっているのかを判断するような問題です。少し考えれば解けそうでも、時間が短いので、すぐに判断しなければなりませんでした。
パイロットの筆記は翌日にもあり、午前中で終わった記憶があります。あれこれ併願した分、試験を受けるだけでも体力的にきつかったです。1日目終えた時点で腰がバキバキになりました。
英語と化学の選択も、この時間割も、あくまで当時の私の話です。今受験する方は、自分が受ける区分の科目と日程を確認して準備してください。
面接は約20分。面接官3人に、私が1人でした
面接は20分くらいで、面接官が3人、受験者は私1人でした。聞かれた質問で覚えているのは、次の内容です。
- なぜ幹部自衛官になりたいのか?
- 今までどんなスポーツをしてきたのか?
- 親は自衛隊に入ることをどう思っているのか?
- 自衛官になって何がしたいのか?
- 上官と判断が食い違ったらどうするか?
- 長所と短所は?
質問の内容そのものが、ものすごく変わっていたわけではありません。ただ、普通の民間企業の面接とは、やっぱり雰囲気が違いました。
決して圧迫面接ではなかったのですが、なんとなく「ピリっとした」感じです。怖かったというより、普段とは違う場にいる感覚がありました。
もちろん、今も同じ人数で同じ質問が出るという話ではありません。私がそのとき実際に聞かれたこととして、受験を考える材料にしてもらえればと思います。
振り返っても、「なぜ幹部自衛官になりたいのか」と「自衛官になって何がしたいのか」は、よく考えておいてほしい質問です。公務員としての安定に魅力を感じるとしても、それだけで自分がこの仕事を選ぶ理由を話せるでしょうか。
私は、幹部を目指す以上、人を率いることについても自分なりに考える必要があると思っています。「上官と判断が食い違ったらどうするか」という質問にも、その人がどう考え、行動しようとするのかが表れますよね。
これを答えれば受かる、という正解を私から示すことはできません。自分が何をしたくて、どんな考えを持っているのかを、自分の言葉で話せるようにしておくことが大事だと感じました。
私が実際に受けた別の面接については、JT(日本たばこ産業)に合格した私が覚えている面接の話|実際に聞かれたことと志望動機でも書いています。企業の面接と自衛隊幹部候補生の面接では雰囲気は違いましたが、自分の考えを掘り下げておくことが大事だった、という点は共通していました。
面接や小論文に向けて、社会のことにも目を向けてほしい
筆記対策とあわせて勧めたいのが、日本や世界で起きていることを知ることです。ニュースを見て終わりにせず、その出来事を自分はどう考えるのか。そこまで言葉にしてみてください。
小論文も、いざ「書いてください」と言われて、すぐに書けるとは限りません。文章を書くことが苦手なら、書く練習もしておいた方がいいです。知っていることを話すのと、文章にまとめるのとでは、また違いますから。
そのための読み物として、私は防衛白書を勧めています。日本を取り巻く安全保障環境や、防衛省・自衛隊の取り組みを知るための資料です。毎年刊行されていて、2026年は令和8年版が出ています。
試験で読むよう義務づけられているという意味ではありません。自分が進もうとしている組織や、その仕事を考えるために読んでほしいのです。自衛隊に対して、よく知らないまま偏見を持っていた私だからこそ、手持ちの知識だけで判断しないでほしいと思います。
これから受験する方へ
2026年9月時点の公式案内では、幹部候補生の試験は1次が筆記、2次が小論文・口述試験・身体検査という構成です。飛行要員の希望者には、区分に応じた適性検査などもあります。
大卒程度試験と院卒者試験では受験資格が異なります。年齢や学歴の条件、試験科目、日程は、最新の自衛官募集サイトで確認してください。私の昔の受験体験だけで、今の受験準備を進めないようにお願いします。
私自身は、独学で筆記を通過し、面接を受けて合格しました。だからこそ筆記の準備はしっかりしてほしいですし、その先の面接も軽く考えてほしくありません。
勉強を進めながら、「なぜ自衛隊なのか」「そこで何をしたいのか」も考えてみてください。私が約20分の面接で聞かれたのは、そうした自分自身の考えでした。
参考資料
防衛省・自衛隊「自衛官募集サイト」
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/
防衛省・自衛隊「自衛隊幹部候補生」
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/about/recruit/jieitaikambukoho.html
防衛省「防衛白書」
https://www.mod.go.jp/j/press/wp/index
※2015年公開の自衛隊幹部候補生試験の合格体験をもとに、現在の募集情報を2026年9月に確認した公式資料で補ったAI編集稿です。当時の試験内容・面接と現在の制度は同じとは限りません。

