AirPlay・Bluetooth・HDMIで「音が違う」理由を、経路で丸裸にする(Sonos/Apple対応)

AirPlayは便利ですが、映画/ドラマのホームシアター用途では「期待したフォーマット(5.1/Atmos)にならない」ことがあります。 これは“スピーカーの性能”より、音が通る経路(Apple TV経由/ミラーリング/アプリ再生など)で結果が変わるためです。 オーディオ・音響の知識
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AirPlayは便利ですが、映画/ドラマのホームシアター用途では「期待したフォーマット(5.1/Atmos)にならない」ことがあります。
これは“スピーカーの性能”より、音が通る経路(Apple TV経由/ミラーリング/アプリ再生など)で結果が変わるためです。
この記事では、Sonosで音が変わる理由を「経路」という視点で整理します。

映画や音楽で「同じ作品のはずなのに、経路を変えると音が違う」と感じるのは、気のせいじゃないです。

理由はシンプルで、経路が変わると「誰が」「どこで」音を作り直しているか(デコード/ミックス/レンダリング/再エンコード)が変わるからです。

じゃあ結局どれがいい音なのよ?

この回は、Sonos(Arc/Beam/Ray/Oneなど)とApple(Apple TV/iPhone/iPad/Mac)を前提に、音が変わる“分岐点”を地図にします。


まず結論:ホームシアターの最適解は「HDMI eARCを軸」にする

背景が真っ白なインフォグラフィック図イラスト。左側に「Apple TV 4K」デバイスのアイコンがあり、「HDMI」とラベル付けされたケーブルで中央の「TV」画面アイコンに接続されている。「TV」アイコンからは、「eARC」とラベル付けされた別のケーブルが、右側の「Sonos Arc」サウンドバーアイコンに接続されている。幅広く光る青い矢印が、Apple TVからTVを経由してSonos Arcへ直接流れる信号経路を示している。この矢印の上には「最高品質の経路(Atmos / マルチチャンネル保持)」というテキストがある。スタイルはクリーンでモダン、最小限の色使いの模式図。

映像作品(映画・ドラマ・ライブ)で音の品質と安定を最優先するなら、

  • Apple TV / BDプレーヤー / PS5 など →(HDMI)→ TV →(eARC)→ Sonos Arc/Beam

この1本道が最強です。

ようはeARCを使って物理ケーブルでSonosから音を出すのが最強!ってことです。

eARCは「TVに入った音を、なるべく元のままサウンドバー/AVRへ返す」ための規格で、ケーブル1本運用と“元音の保持”を狙っています。(hdmi.org)
Sonos側も、Arc/Beam(Gen2)でAtmosやTrueHD、マルチチャンネルPCMを受けるにはeARCが必要、と明記しています。(Sonos Support)

💡補足:テレビ側の設定が「オート(変換あり)」になっていると、せっかくApple TVがいい音を送ってきても、テレビ内で別のフォーマットに再エンコードされてしまうケースがあります。テレビ側の音声出力設定を『パススルー』にしておきましょう。


「音が変わる」原因はだいたいこの4つ

背景が白で隔離された概念的なインフォグラフィックイラスト。左側に「元のソース(5.1ch / TrueHD Atmos)」とラベル付けされた大きなアイコンがあり、複数のスピーカー記号と豊かな音波が描かれている。このソースは、「AirPlay / Bluetooth / ワイヤレス経路」とラベル付けされた狭まる様式化された漏斗(じょうご)またはパイプに流れ込んでいる。狭いパイプの中で、複数のオーディオチャンネルが圧搾され変形している。右側には、狭いパイプから出てくる「出力(ステレオ2ch / 加工済み / 空間オーディオ)」とラベル付けされた小さなアイコンがあり、スピーカー記号は2つだけで音波も単純化されている。大きな矢印が左から右への流れと変化を示し、データの損失や改変を強調している。

1) 経路のどこかで“2ch化”している

AirPlayやBluetoothは仕組み上、受け手やモードによってはステレオ(2ch)として扱われやすい。
すると、サラウンドの情報はそこで消える(もしくは別の形に作り直される)ので、音場が変わります。

2) “Atmosの種類”が変わっている(ここが沼)

Atmosは「Atmosという別の音」ではなく、ベースの音に“追加情報(オブジェクト情報)”が乗る仕組みです。
Sonosは、Apple TVがDolby MATという入れ物でAtmosやDolby Multichannel PCMを渡してくること、そして「Atmosは“マルチチャンネルPCM+Atmosオブジェクト情報”」と説明しています。(Sonos Support)

つまり、Atmosの“通り方”が変わると、結果も変わり得ます。

3) 端末側で“疑似サラウンド化(バイノーラル化)”してから送っている

ヘッドホンのSpatial Audio系はこのパターンが多い。
「マルチチャンネルをそのまま送る」ではなく、「端末側でヘッドホン向け2chにレンダリングして送る」ので、体験は良くも悪くも別物になります。

4) 音量正規化・遅延補正・リサンプリングが勝手に入る

特にワイヤレス経路は遅延が増えやすく、補正も増える。結果、輪郭やノリが変わったように感じることがあります。


経路別:何が起きて、何が起きやすいか

ここからが「地図」です。

A. HDMI eARC(TV→Sonos Arc/Beam):映画向きの王道

  • 狙い:TVに入った音を“元のまま”サウンドバーへ返す(hdmi.org)
  • Sonos Arc/Beam(Gen2)は、eARCがあるとTrueHD/Atmos(TrueHD)やマルチチャンネルPCMなど対応範囲が広がる(Sonos Support)
  • Apple TVはDolby MATでAtmosやDolby Multichannel PCMを渡すことがある(Sonos明記)(Sonos Support)

体感として「音感じが安定する」「サラウンドが崩れにくい」ルートです。まずここを基準にすると迷子になりにくい。


B. AirPlay → Sonos(Arc/Oneなど):便利だけど“ホームシアター経路”ではない

  • Sonosは、サラウンド構成にしているスピーカー(例:Oneをリアにしてる等)はAirPlayの対象にならない、と明記(Sonos Support)
    (“個別スピーカー”としては出ない。セット全体の扱いになる/ならない、などで混乱が起きやすいポイント)
  • Apple側も「Apple TV 4Kのホームシアター出力(Atmos/サラウンド)」はHomePod用の仕組みで、他のAirPlayスピーカーは対象外と明記しています(Appleサポート)
    → AirPlayを“ホームシアターの主配線”として考えるとズレます。

結論:AirPlayは「日常の手軽な再生」に強いけど、映画の“最終音質ルート”としてはeARCに負けやすい。


C. AirPlay → Apple TV:実は“当たり”になり得る(条件付き)

AirPlayには大きく2種類あります。

  • コンテンツを飛ばす(ストリーミング)
  • 画面ミラーリング

Appleの案内でも「AirPlayでストリーミング」「ミラーリング」は別操作として分かれています(Appleサポート)

重要なのは、ストリーミング系でApple TV側が受け取って再生する場合、Apple TV →(HDMI)→ TV →(eARC)→ Sonos の“王道ルート”に戻れることがある点。
このときはAtmosの恩恵も取り戻せる可能性があります(アプリとタイトルの対応次第)。

ただし、ミラーリングは端末画面の複製なので、音も映像も別の制約を受けやすく、遅延や品質劣化が出やすい。ここで「なんか音が違う」事件が起こりがち。


D. Sonosアプリで再生:同じ曲でもAirPlayと違う“ことがある”

Sonosは2024年のアップデートでApple Musicのロスレス対応を追加したと公式に書いています。(Sonos Support)
つまり「Apple Musicをどう鳴らすか」は、AirPlayよりSonosアプリ直の方が得するケースが現実にある

音が違うと感じたら、まずは「その音源、どのアプリが取りに行ってる?」が第一チェックです。


E. Bluetooth(ヘッドホン):Atmos“そのもの”を送るというより、端末が作って送る

背景が白い、分割パネルのインフォグラフィック比較イラスト。左側のパネルは「サウンドバー ATMOS(部屋スケール)」というタイトルで、リビングルームの設定でTVの下にあるSonos Arcサウンドバーから、動的な音波が壁や天井で跳ね返り、ソファの周りに大きなサラウンドのバブルを作っている様子を示す。右側のパネルは「ヘッドホン ATMOS(デバイスレンダリング)」というタイトルで、スマートフォンがBluetooth経由で人物のシルエットが装着したヘッドホンに接続されている様子を示す。シルエットの頭部領域内には、物理的な部屋のオーディオとは異なる、内包された仮想的な音波の球体がバイノーラル処理を示している。分割線が2つのパネルを分けている。

Apple MusicのDolby Atmos再生は、Apple TV 4K+Atmos対応サウンドバー/AVRでも、Bluetoothヘッドホンでも可能だとAppleが案内しています。(Appleサポート)
ただし、体験は同じ“Atmos”でも中身は別物になり得ます。

  • サウンドバー:マルチチャンネル+空間情報を部屋で再生
  • ヘッドホン:端末がヘッドホン向けにレンダリング(Spatial Audio)して2chで渡す(ことが多い)

「BluetoothなのにAtmosって言っていいの?」問題はまさにここで、名前が同じでも“作り方”が違う、が現実的な理解です(言葉が同じで人類を混乱させるやつ)。


F. Sonos AceのTV Audio Swap:Bluetooth“以外”の抜け道がある

Sonos AceのTV Audio Swapは、対応サウンドバー側でWi-Fiを有効にして使う、とSonosが要件として明記しています。(Sonos Support)
つまり「TVの音を、普通のBluetooth受信とは違う経路でヘッドホンに渡す」仕組みが入っている。ここが、単純なBluetoothヘッドホンと違う“土俵”です。


じゃあ、あなたのケース(Sonos Arc中心)だとどう使い分ける?

映画・ドラマ・ライブBD(最優先:音と安定)

  • 基本:Apple TV/BDプレーヤー → TV → eARC → Sonos Arc
  • Sonosアプリ表示が「Dolby Atmos」「Dolby Multichannel PCM」「Multichannel PCM」系なら勝ち筋(Arc/Beam Gen2はeARCで受けられる範囲が広い)(Sonos Support)

手軽さ優先(家事中のBGMなど)

  • iPhone/iPad → AirPlay → Sonos(対応機)
    ただし“ホームシアターの主配線”のつもりで使うとズレやすい(Appleサポート)

深夜(家族に配慮しつつ没入)

  • Sonos Ace+TV Audio Swap(対応環境なら)
    Wi-Fi要件がある=単なるBluetoothとは違う路線(Sonos Support)

まとめ:耳が正しい。経路が違うと、音は別物になり得る

  • “音”はデータだけじゃなく、どこでどう料理されたか(デコード/レンダリング/再エンコード)が体験を決める
  • 映画の正攻法は「HDMI eARCを軸」にして、AirPlayは便利枠に置くのが事故りにくい(hdmi.org)
  • ヘッドホンのAtmosは、サウンドバーのAtmosと同名でも中身が違う(だから面白いし、ややこしい)
  • Sonos AceのTV Audio Swapは“Wi-Fi要件”がヒントで、単純Bluetoothではない(Sonos Support)

この記事で書いた結論に至るまでの、私の試行錯誤過程の過去記事を載せておきます↓

過去記事:SonosでAirPlayを使う欠点【5.1chに対応していない】

私はSonos製品をPS4 Proと光デジタルケーブルで繋いで映画やライブBDなどを楽しんでいます。

5.1ch環境なので迫力満点なのです。>Sonosで5.1chワイヤレスホームシアターを完成させてしまった話

んで、ここで疑問がありました。

SonosはAirPlayでも音が出せるんですよ。Sonosは光オーディオ出力でも音が出せるし、AirPlayでも音が出せる…どちらが音が良いのでしょうか?

ケーブルを繋いでる方が良い音が出そうなので、光オーディオ出力をしておりました。でもお手軽さでいったらAirPlayなんですよね。Macからでも、iPhoneからでもiPadからでもApple TVからでも音が出せるってめちゃ便利です。

というわけで光オーディオ出力とAirPlayで聴き比べてました。同じアプリと同じ映画で聴き比べてみました。

その結果… 映画を見るならば、AirPlayは微妙ということがわかりました。なぜならAirPlayは5.1chに対応していなからです。ただのステレオ再生になってしまうんですよね。


SonosをAirPlayで接続すると5.1chにはならない

以下の何パターンかを試してみました。

  1. PS4 ProとSonosを光デジタルケーブル接続
  2. M1 MacとSonosをAirPlay接続
  3. iPhone SE2とSonosをAirPlay接続
  4. iPad Pro 12.9 第五世代とSonosをAirPlay接続
  5. Apple TV 4k 第二世代とSonosをAirPlay接続

これら5つのデバイスで共通しているアプリで試してみました。Apple TVアプリ、Amazon Prime Videoアプリで映画を再生してみました。

結論から言うと、5.1chサラウンドシステムがちゃんと機能したのは、光デジタルケーブルで接続したPS4 Proのアプリからのみでした。

ちょっとApple製品とAirPlayにはがっかりしました。iPhoneやiPadはダメでも、MacやApple TVのAirPlayでは5.1chには対応していてほしかったなーと。AirPlayだとすべてが2chになってしまいました

すべてのApple製品というか、AirPlayは映画には不向きなんですね。音楽用途っぽいです。

(Apple TV 4KはeARC対応のテレビとHDMI接続すれば、5.1chどころかDolby Atmosまでいけちゃいます。)

結論:SonosのAirPlay接続は音楽用途

と言うわけで、Sonosで5.1ch環境を整えているのであれば、「映画を再生するときはAirPlay接続ではなく光デジタルケーブル接続 or HDMI接続にするべき」です。(HDMI接続の場合、テレビはHDMI ARCかeARCに対応している必要あり)

AirPlayは音楽専用だと思っておくのがいいですね。

Sonos製品を揃えてなくて5.1chサラウンドシステムを整えていないのであればどっちの接続でもいいですが、揃えているのにAirPlay接続するのはもったいないっすな。

ちなみにAirPlayが対応しているフォーマットって何なんだろうと思って調べてみたのですが、なかなか良い情報がヒットしませんでした。2018年と少し古い記事を参考にしますと↓

AirPlayがサポートするメディアフォーマット
音声:PCM、Apple Lossless(ALAC)、AAC、AAC ELD
映像:MPEG-4(m4a/m4v/mp4)、QuickTime(mov)

https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/1146229.html

AirPlayが進化して、5.1chに対応することはないのかなぁー。

参考までに。それでは!

5.1chとかDolby Atmosとは?【サラウンドシステムの種類】

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