なんでコンビニの近くに同じコンビニができるんだろう?
そんな疑問に答えます。
一般的な回答をしますと、『ドミナント戦略』を取っているからです。例えば、セブンイレブンの近くにセブンイレブンを作っておくと、物流コストが安くなります。バラバラの地域に商品を配送するよりは、集中して商品を配送した方がなにかと効率的になります。
また宣伝効果もあります。セブンイレブンが多い地域で育ち、セブンイレブンを頻繁に利用した人は、「コンビニ=セブンイレブン」ということで愛着を持ちます。コンビニに寄る機会があれば、ファミマでもローソンでもなく、セブンイレブンにできるだけ入ろうとします。
さて、これが一般的な回答です。以下では裏の回答を書いていきます。
コンビニが近くにできる裏の理由
基本的にコンビニはフランチャイズ店になります。
例えば、その辺にあるセブンイレブンは、セブンイレブンの本社が運営しているわけではありません。
「コンビニのオーナーになったるで!」という人がセブンイレブンとフランチャイズ契約して、
- 営業のノウハウ
- 商品の提供
などを受けています。ようはセブンイレブンの看板を借りているということです。「田中コンビニ」より「セブンイレブン」の方が消費者的にも安心できますからね。ただ、フランチャイズ契約すると、
手数料を取られる
ということが発生します。
売れるコンビニを売れなくさせた方が本社は有利
例えば、セブンイレブンとフランチャイズ契約したオーナーの店が、スッゲー売り上げを出せるようになったとします。するとオーナーは、こんな交渉ができる立場になります。
「手数料下げないと、他のコンビニのフランチャイズになるよ?」
と。
フランチャイズオーナー的にはセブンイレブンだろうと、ローソンだろうとファミマだろうとどこでもいいのですね。手数料が低ければいいのです。売り上げが少ない頃は本社の人にそんな交渉はできませんが、売り上げが大きくなるとそんな交渉ができるようになります。でも本社側からしたら手数料を下げたくない・・・。ならばどうするか?
「近くにコンビニを作っちゃおう!」
と考えます。普通、「あそこのコンビニに行きたいんや!」というよりは、「近くにあるコンビニに行こう!」と消費者は考えます。ですから、売れてるコンビの近くにコンビニを作れば、
売り上げが新しいコンビニに流れる
というわけです。
本社的には売り上げは変わらないけれど、フランチャイズオーナーは売り上げが下がる
ことになります。そうなると「売り上げもしょぼいのに、手数料交渉するなんて100年早いっつーの!」と一蹴されるようになります。
本社が売り上げデータの全てを管理している
コンビニの本社が売り上げを全てのデータを管理しています。つまり、「お、あそこの売り上げいいやん。ならもう一個くらい近隣にコンビニ作ったろ。」とすぐにできるわけです。それなので・・・
フランチャイズオーナーが裕福になることはない
のです。
- 売り上げを増やす→近くにコンビニを建てられる
- 売り上げが普通→そのまま
と、本社にコントロールされっぱなしなので、フランチャイズオーナー的には売り上げの上限が決められているようなものです。。つまり、
生かさず殺さず
の、本社側の搾取モードが発生します。
私たちが享受できているコンビニの便利さは、このような搾取の構造にあります。コンビニは週7日の24時間営業。過酷すぎです。私としては誰かの大きな犠牲の上に成り立っている仕事は微妙だなーと思うわけでして、「コンビニは24時間営業がいい!」みたいなことはとてもじゃないけれど言えません。
もちろん深夜帯に働きたい人は働けばいいです。でも全てのコンビニにそれを適用させるのはどうかなーと思うわけです。でもフランチャイズ契約上、それを変えるのは難しい・・・。
当たり前にあるコンビニですが、その当たり前は、簡単に作られているものではありません。消費者としてそれを知っておくのがいいんじゃないかんーと思います。それでは!
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