大企業勤めの友人と数年ぶりに喋ったら実力がすごくなっていた話

働いている人のリアル
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「1足30円の靴下を仕入れて、それを300円でメルカリで売る!このビジネス、すごくない?」

みなさま、このビジネスモデルをどのように思われますか?

先日、大企業に勤める友人と久しぶりにお酒を交わしました。彼は誰もが知っている大企業の電気メーカーに勤めています。

お互いに30歳を超えているので、お酒が進むうちに『これからの人生』みたいな大きなテーマに話が膨らんでいきました。話しているうちに「これが大企業に勤める人の実力なのか…」ということが分かってきました。そんな記事。

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中国から30円で靴下を購入してメルカリで300円で転売したい

彼はこう言います。

「大企業に勤めるだけでは経済的自由は手にできない。だから副業を始めて40代のうちに経済的自由を手に入れるんや。」

そんな彼が目をつけた副業が『中国せどり』です。中国から安く仕入れて日本で売る、というやつですね。

なぜ中国せどりに目をつけたのかというと、今の彼の仕事が材料調達で、「中国でものを買えば安い!」というのが実体験からも分かっているからだそうな。

そして彼は続けてこう言います。

「アリババのサイトで送料無料キャンペーンを使って1足30円の靴下を仕入れて、メルカリで300円で売れば利益が出る!いいビジネスやない?」

と。

さて、みなさん、どう思われますでしょうか?この副業はオススメできるでしょうか?企業に勤めながら、片手間でできるでしょうか?

私はこの話を聞いているとき、「え?これ?ワイを試してるの?」「ドッキリなの?」みたいに思っていました。

ビジネスモデルの全体像がまったく見えていない大企業社員

彼はビジネスの全体像がまるで見えてませんでした。部分しか見えてないのです。

部分だけで見ると、『300円ー30円=270円』と、靴下を1足売るだけで270円の利益が出そうなもんです。でも本当にこれ、そんなに単純な計算でいいのでしょうか?

もちろんダメです。手数料やら送料やらがまったく考えられていません。

メルカリは手数料が10%なので、300円で売却すると300円の10%の30円が手数料として自動的に取られます。

また送料も考えないといけません。売れやすさと安全さを考えると、匿名配送です。となると、ゆうゆうメルカリ便の175円(税込)です。

さて、もう一度300円で売れたとして計算をしてみましょう。

300円ー30円(手数料)ー175円(送料)ー30円(靴下代)=65円

というわけで、靴下を1足売るたびに65円が利益になりそうです。

計算はこれで大丈夫でしょうか?

お金の面だけで見るとこれだけでよさそうですが、もっとリアルに考えてみましょう。メルカリで商品が売れると、以下の作業が必要です↓

  1. 商品が売れたら、商品を包装する(包装代も必要)
  2. 商品を発送する

というわけで、手間がかかります。靴下が1足売れるたびにこの手間がかかります。商品を包装して、発送しにいく…。これ、簡単ですか?大変じゃないですか?これだけしても65円の利益しか出ません。時給換算すると大変なことになります。

で、1ヶ月で1万円稼ごうと思ったら、約153足売らなければなりません。1ヶ月を30日と考えると、毎日5足売らなければなりません。

これ、めちゃくちゃキツくない?(言うまでもないことですが、売れなければ赤字です)

もちろん毎月どのくらい稼ぎたいのかの程度の問題にもよりますが、「これすげーじゃん!」と久しぶりに会う友人に話すような内容ではないかと思います。(ちなみに彼は、お前もやったほうがいい!とオススメしてきました笑)

そもそもメルカリを使ったことのない大企業社員

一度でも商売をした人なら、こういう計算をするまでもなく直感で「いや、30円で仕入れて300円でメルカリで売るってめちゃくちゃきついぞ」というのが分かるはずです。これがビジネスや!と言っちゃう人は、送料やら手数料やら人件費やらを考えたことのない人間だけなのですね。

私は友人を傷つけないように、「…それ、キツくないかな?」「…手数料とか考えた?」とか、やんわりと聞いていました。それでも友人は「いや、いけるって。これ、すごくない?」と、脳内お花畑なのです。

そこで私はこう聞いてみました。「メルカリを使ったことはあるんよね?」と。

彼は答えました。「やったことない!」と。

え?

日本のユニーコーン企業と呼ばれて久しいメルカリを使ったことない…。いや、使ってなくても全然いいんだけど、これだけ熱くせどりについて語るんだったら、1回でいいからメルカリを使っておこうぜ…笑

メルカリを使ったことのある人だったら発送作業の大変さ、わかりますよね?

ホワイトカラーで働き続けると体を動かす作業が分からなくなる

会社のデスクでパソコンをぽちぽちするホワイトカラーな職業をやっていると、実作業の労力が分からなくなります。彼はそうなっていました。

頭では、

  • 売れたら商品を梱包して発送するだけやろ
  • あとは手数料が引かれるだけやろ

と、簡単なイメージができているのでしょう。

でも、実際の発送作業ってめちゃくちゃ大変なんですよね。利益65円のために、わざわざ発送作業なんてやってられないですよ。また評価のことも気にし始めると、取引連絡をまめに入れるという作業も発生します。大変です。

「いらなくなったものを売ってタンスのスペースを確保したい」、というのが目的であればこの利益でもOKです。でもこの利益で「副業としてやる!」なんていうのはまさに机上の空論。(もちろん中国せどりを否定するわけではありません)

「20代のうちに決まる」は過言ではない

30代になり、染みる言葉があります。

「20代のうちに決まる」

これはかなり真理っぽいです。30歳を過ぎて周りを見渡せば、20代の努力がハッキリと出ています。

もちろん例外を探せばいくらでもあるでしょう。でも、かなりの部分は20代で決まっちゃうのだろうなーというのが、経験としても分かってくる今日この頃。

大企業に就職できた、公務員に就職できた、「安定や!」と思って手を抜いていると、彼のようになるのかもしれません。社会人として何年も働いているはずなのに、「30円で仕入れてメルカリで300円で売れば副業として成立する!これがビジネスや!」と考えてしまうのです。

十把一絡げにすることなんてできませんが、彼と話していて大企業で働く社員の実力ってなんだろう?という疑問が出てきました。(冒頭にも書いた通り、彼は本業で材料調達の仕事をしているのです。それなのにこの計算ができないの…?という感じ。)

いやー、一度入ったらヌクヌクとお金をもらいながら働ける大企業は最高ですよ。というわけで、あなたはどうしたい?

参考までに。それでは!

追記:そもそも300円で靴下って買うのかな?

追記です。(2021/04/25)

彼は靴下を30円で仕入れて、300円でメルカリで売ると言っていたのですが、私はずっとひっかかっていたことがありました。

メルカリで300円で靴下を買う人ってそんなにいるのかな?

だっていろんな店で3足で900円〜みたいなのやってるじゃないですか。というかそこらへんの品質がよく分からない靴下買うより、ユニクロでよくない?というのが正直なところ。

利益の計算うんぬんの前に、こういう感覚すらも変になってるんじゃないかなーと。どう思います?

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