「サウンドバーって、私は何か購入してたっけ?」
EvernoteのAI Assistantにそう聞いてみると、以前保存していた購入履歴のノートを見つけてくれました。製品名や買った時期を正確に覚えていなくても昔の買い物にたどり着けたので、これは便利だと思いました。
そこで続けて聞いてみました。
「私はサウンドバーについて何か評価してるっけ?」
今度は、自分で書いた感想と一緒に、昔Webから保存した他人のレビューまで出てきました。
何を買ったかは探せる。でも、Evernoteに保存されている意見が誰のものなのかは、うまく区別できない。10年以上Evernoteを使ってきた私が2026年の機能を試してみて、一番印象に残ったのがこの便利さと限界でした。
私は2015年からEvernoteを使っています。保存しているノートは約27,000件です。ただ、長く使っているからといって、機能に詳しいわけではありませんでした。
Webページや資料を保存する。日記を書く。ネット通販の購入メールを転送する。必要になったら検索する。私がやってきたことは、ほぼこれだけです。新しい機能を追いかけることもなく、昔覚えた使い方をそのまま10年以上続けていました。
見直すきっかけになったのは、Evernote Advancedの値上げです。このまま年間料金を払い続ける価値があるのかなどを考え始めました。
→Evernote値上げで解約すべき?10年以上使った私がAdvancedを継続する理由
→Evernoteから乗り換えるべき?10年使った私がNotion・Obsidian・DEVONthinkと比較して考えた
その過程で気づいたのは、乗り換え先を比べる前に、そもそも現在のEvernoteで何ができるのかを自分がほとんど知らないということでした。
そこで、普段使っているWeb版を中心に、気になった機能を実際に触ってみることにしました。知りたかったのは新機能の一覧ではなく、私が10年以上かけてためた約27,000件のノートを、今までより役立てられるのかという点です。
- Evernoteではなく、私の使い方が昔のままだった
- AI Assistantで購入履歴を探すのは便利だった
- 自分の感想と他人のレビューは区別できなかった
- AI Memoryでも今回は解決しなかった
- Semantic Searchは補助として使えそう
- AI Promptsや要約はChatGPTとの使い分け
- PDF注釈は普通に便利だった
- コラム:Mac版アプリではなくWeb版を使っている理由
- ノート履歴は意外にかなりよかった
- 私は使わないが、現在のEvernoteには他にも機能がある
- 外部AIからEvernoteを扱えるMCPもある
- 今後使いそうな機能は4つ
- 1年後のさらなるEvernoteの進化に期待
- AIに課金していない人はEvernoteおすすめできるかも
Evernoteではなく、私の使い方が昔のままだった
Evernoteは2026年1月にv11を公開しました。2020年のv10以来となる大きなアップデートです。AI Assistant、Semantic Search、AI Meeting NotesなどのAI機能だけでなく、エディタ、音声入力、モバイル、検索など幅広い部分が改良されています。
公式の案内によると、2023年以降に250以上の改善を行い、v11公開後の2026年上半期だけでも115以上の改善を追加しているそうです。私が昔の使い方を続けている間にも、Evernoteそのものはかなり変わっていました。
現在はノート内で「/」を入力するだけでも、表、トグル、コールアウト、目次、コードブロック、音声録音など、さまざまな要素を挿入できます。実際に触ってみると、こんなことまでできるようになっていたのかと驚きました。
ただし、機能が増えたことと、自分が使うかどうかは別です。私の場合、きれいなページを作ることよりも、昔保存した情報を必要なときに見つけられることのほうが重要です。そこでまず、検索とAIの機能から試してみました。
まず私が使いそうな機能を表にしてまとめておきます↓
| 機能 | 私の使い方 |
|---|---|
| AI Assistant | 製品名や購入時期を思い出せない過去のノートを探す |
| Semantic Search | 通常検索で見つからない情報を曖昧な記憶から探す |
| PDF注釈 | 保存した説明書や資料の重要部分に印を付ける |
| ノート履歴 | 書き換える前の文章を確認し、必要なら戻す |
AI Assistantで購入履歴を探すのは便利だった
冒頭で書いたサウンドバーの購入履歴探しは、私の使い方にかなり合っていました。
ネット通販の購入メールを長年Evernoteへ保存していると、「あれはいつ買ったんだっけ」「どの商品を選んだんだっけ」と調べたくなることがあります。従来の検索でも、製品名やショップ名を覚えていれば探せます。
しかし何年も前の買い物になると、検索に使う言葉自体を思い出せないことがあります。そもそも購入メールを保存したかどうかも曖昧です。
そんなときに、「サウンドバーって、私は何か購入してたっけ?」と普通の文章で聞けるのは、思っていた以上に楽でした。
AI Assistantは該当する購入履歴を見つけてくれました。便利だと感じたのは、AIが立派な回答文を書いたことではありません。うろ覚えの状態から、確認すべき昔のノートへたどり着けたことです。約27,000件もあると、保存したこと自体を忘れているノートもあります。そういう情報を掘り起こす用途なら、AI Assistantはかなり使えそうです。
自分の感想と他人のレビューは区別できなかった
購入履歴の次に、自分の昔の評価を探してみました。
「私はサウンドバーについて何か評価してるっけ?」
AI Assistantは、私が書いていた感想を見つけてくれました。しかし、それだけではありませんでした。昔Webから保存していた他人のレビューも一緒に拾ってきたのです。
そこで、自分自身が書いた評価だけを探し、他人のレビューは除外するように伝えてみました。それでも今回の検証では、完全には区別できませんでした。
これは私の使い方ではかなり重要な問題です。約27,000件の中には、性質の違う情報が混ざっています。
・自分で書いた日記や感想
・ネット通販の購入メール
・Webから保存した記事やレビュー
・あとで読むための調査資料
これらはすべて私のEvernoteにありますが、すべてが私の文章ではありません。Webクリップの中に「私はこう感じました」と書いてあったとしても、それは記事を書いた人の感想です。私が保存したからといって、私の意見になるわけではありません。
人間なら元ノートを見れば分かることでも、今回のAI Assistantでは混ざってしまいました。
「サウンドバーの評判を探して」と聞くなら問題ありません。しかし「昔の私はサウンドバーをどう評価していたのか」を聞いているときに他人のレビューまで含まれると、意味が変わってしまいます。
AI Assistantは昔の情報を探す補助としては便利ですが、AIの回答をそのまま自分自身の過去の記憶として扱うのは危ないと感じました。自分の昔の判断や感想を調べるときは、最後に元ノートを自分で確認する必要があります。
AI Memoryでも今回は解決しなかった
この混同を減らせないかと思い、AI Memoryも試しました。AI Memoryは、好みや継続して使いたい指示などをAI Assistantに覚えさせる機能です。
私は、自分自身の感想と他人の文章を区別することなどを覚えさせ、もう一度サウンドバーについて質問してみました。それでも、他人のレビューは混ざりました。
少なくとも今回の質問では、Memoryに指示を覚えさせても、自分の感想と他人のレビューの混同は解消しませんでした。毎回同じ指示を書かなくて済むことと、保存された情報を正確に判別できることは別なのだと思います。
AI Memoryは便利な機能ですが、AIの回答を正しくする安全装置として頼り切るのは難しそうです。AIには昔の情報を探す手助けをしてもらい、最終確認は自分でする。当面はこのくらいの距離感で使うつもりです。
Semantic Searchは補助として使えそう
意味的に近いノートを探すSemantic Searchも試しました。正確なタイトルや本文の言葉を覚えていなくても、「たしかこんな内容だった」という記憶から探せることを期待していました。
実際に検索すると、関連するノートは出てきます。一方で、あまり関係がないと感じるノートも混ざりました。私の感想としては、使えるけれど微妙、というところです。約27,000件の内容をAIが完全に理解して、欲しい1件を必ず当ててくれるわけではありません。
AI Promptsや要約はChatGPTとの使い分け
EvernoteにはAI Promptsという機能もあります。要約、校正、簡略化、アイデア出しなど、さまざまなプロンプトがあらかじめ用意されており、自分専用の指示も保存できます。
一覧を見てみると、かなり多くの作業をEvernote内のAIだけでできそうでした。ただ、私はすでにChatGPTの有料プランを日常的に使っています。記事の企画、調査、構成、推敲なども普段からChatGPTで行っています。
その立場から見ると、「これはChatGPTでいいかな」と思うものが多くありました。
試しにブログ記事をEvernoteのノートへ貼り、AI Assistantへ「この記事をまとめて」と頼んでみました。普通にまとめてくれます。Evernoteから文章をコピーしてChatGPTへ貼り、結果をまた戻す必要がないので、その場で概要を掴むにはちょっと便利です。
ただ、文章を何度も相談しながら練ったり、細かい条件を付けて書き直したりするなら、私は今後もChatGPTを使いたいと思います。
今開いているノートをその場で要約したいならEvernote。じっくり文章を作りたいならChatGPT。私の場合はそんな使い分けになりそうです。ChatGPTなどの生成AIを普段使っていない人なら、私よりAI
Promptsの便利さを感じる場面は多そうです。
PDF注釈は普通に便利だった
AI以外で使ってみてよかったのが、PDFへの注釈です。普段使っているWeb版でも、Evernote内に保存したPDFへ文字や線、図形、矢印などを書き込めました。
これは普通に便利でした。Evernoteには保証書や説明書、購入関係の資料などを保存することがあります。重要な場所に印を付けておけば、次に開いたときもすぐ分かります。別のPDFアプリで編集し、保存し直してEvernoteへ戻す手間もかかりません。
本格的なPDF編集をしたいわけではない私には、保存してある資料へ少し書き込めるくらいがちょうどよかったです。
コラム:Mac版アプリではなくWeb版を使っている理由
私はMacを使っていますが、Evernoteは基本的にブラウザから利用しています。理由はストレージ使用量です。
Mac版などのデスクトップアプリはノートの内容をローカルにも保持するため、ノートや添付ファイルが多いとストレージ使用量が大きくなることがあります。私には約27,000件のノートがあり、その中には画像やPDFもたくさんあります。MacのSSD容量を大きく使われるのが気になり、Web版中心にしています。
iPad版には「オフラインコンテンツを消去」する機能があり、端末内の使用容量を抑えられます。(一時なくなっていた機能でしたが、復活しました)
一方でMac版では、同じ感覚で手軽に容量管理できる方法を私は確認できていません。そのため、本体の空き容量を気にせず使えるWeb版のほうを使っています。
この要領の問題さえ解決してくれたらMac版アプリを使いたいとは思っています。というのもアプリのほうが使える機能が多いからです。
ノート履歴は意外にかなりよかった
今回いろいろ触ってみて、AI機能以上に「これは便利」と感じたのがノート履歴でした。2026年の新機能ではなく以前からある機能ですが、長年使っていながら活用できていませんでした。
Evernoteではノートの過去の版が定期的に保存されており、Web版からも履歴を確認できます。文章を書き換えたあとに「前はどう書いていたっけ?」と確認できますし、うっかり必要な文章を消してしまっても、過去の版から復元できます。
私はWebサイトやコードを扱うときにGitHubを使っています。GitHubではコミットを作ったりブランチを分けたりして履歴を管理しますが、Evernoteは自動で保存された過去版を確認して復元する形です。仕組みは別物ですが、「以前の状態へ戻せる」という安心感には通じるものがあります。
文章を消してしまったとき、AIに頼めば似た文章は作ってくれるかもしれません。しかし、似た文章を新しく作ってもらうことと、昔自分が書いた文章そのものを取り戻すことは違います。AI機能を調べるつもりで始めたのに、私が一番価値を感じたのは、過去の記録をそのまま残してくれるノート履歴でした。
私は使わないが、現在のEvernoteには他にも機能がある
今回試したのは私の使い方に関係しそうなものが中心ですが、現在のEvernoteには他にも多くの機能があります。
| 機能 | できること | 私の場合 |
|---|---|---|
| AI Meeting Notes | 会議の録音、文字起こし、要約 | 会議録音をほぼしないので使わない |
| Tasks | ノートとタスクをまとめて管理 | 別で管理する |
| Calendar | Google・Outlookの予定と連携 | Google Workspaceで十分 |
| Comments | ノート内で共同レビュー | Google Docsを使う |
| MCP | ClaudeやChatGPTからEvernoteを扱う | ChatGPTからEvernoteの情報を引き出せた |
現在のEvernoteは、昔のシンプルなメモ帳という枠をかなり超えています。会議や予定、タスク管理までまとめたい人なら、多くの機能を活かせるはずです。
ただ、私はすでにGoogle Workspaceなどを使っています。無理にEvernoteへ作業を一本化するつもりはありません。
外部AIからEvernoteを扱えるMCPもある
もう一つ大きく変わった点として、Evernoteは外部AIからも扱えるようになりました。
Evernoteは公式のMCPサーバーを提供しており、ClaudeやChatGPTなどの対応クライアントからEvernoteに接続して操作できます。
私はChatGPTで使ってみましたが、普通に使えました。便利でした。
だからこそ迷っています。私はGWSも利用しているので、Googleドライブにある情報もChatGPTから呼び出せるんですよね。となると、EvernoteとGoogleドライブの使い分けがちょっと迷いどころになってしまいます…
今後使いそうな機能は4つ
ここまで調べてみて、知らなかった機能はたくさんありました。それでも、私が今後日常的に使いそうな機能は4つに絞られました。
| 機能 | 私の使い方 |
|---|---|
| AI Assistant | 製品名や購入時期を思い出せない過去のノートを探す |
| Semantic Search | 通常検索で見つからない情報を曖昧な記憶から探す |
| PDF注釈 | 保存した説明書や資料の重要部分に印を付ける |
| ノート履歴 | 書き換える前の文章を確認し、必要なら戻す |
AI Promptsを使うためにブログ執筆の流れを変える予定はありませんし、タスクやカレンダーをEvernoteへ移すつもりもありません。自分に必要な機能だけを静かに使えれば十分です。
1年後のさらなるEvernoteの進化に期待
今回使ってみて、Evernoteがかなり進化していたことは分かりました。便利な機能がたくさんあることはわかりました。
でも私にとって大事なのは、10年以上ためてきたノートが実際に役立つ機会が増えるかどうかです。
ChatGPTとGWSに課金している私は、去年Evernoteを解約するつもりでした。でも解約手続きを忘れていたので更新してしまいました。
そして今年こそは解約しようと思ったら、Evernoteが予想以上の進化を始めていることがわかりました。実際使っていても機能面は増えたと思いますし、何より「前より軽くなって使いやすくなった」ことを実感しています。
だからもう一年課金することを選びました。Evernoteがさらに改善と進化することを期待しています。
まぁでも私が求めている機能は、実際のところこれくらいです↓
・Evernote内のAIがより賢くなること
・動作がさらに快適になること
・Macアプリで、保存するデータを選べること
これくらいシンプルでいいんだよなー笑
AIに課金していない人はEvernoteおすすめできるかも
私はChatGPTとGWSに課金しています。
ですがこれらに課金していない人にとっては、Evernoteは価値あるサービスだとも感じています。
・たくさん保存できて、それらを後から検索できる
・自分で保存したものってわかるから、確認すればハルシネーションも防げる
・ノートアプリとして多機能すぎるくらいにある
・AIも最新のAIと比べると劣るが、普通に賢い
・PDFを保存したらPDFに注釈とか入れられる
・会議の録音ができる
・文字起こしができる
などなど意外と便利な機能って揃っているんですよね。これでChatGPTやGWSの月料金より安いので(スタータープランで600円くらい、アドバンスドプランで1600円くらい)、悪くはないサービスのような気がしています。
参考までに。それでは!
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