アマゾンプライムビデオで「反撥(はんぱつ)」を観ました。
1965年に公開されたロマン・ポランスキー監督によるサイコスリラー映画です。主演はカトリーヌ・ドヌーヴで、男性を嫌悪している女性の精神が崩壊する様を演じています。
現代のSNS全盛期に生きる孤独な女性なら精神崩壊していくのもわかりますが、まさかSNSやネットもない1965年にも精神崩壊していく理由ってあるんですなぁ。いやー、生きるって大変。
映画「反撥」(1965)を観た
ってことで以下ではもう少しこの映画の感想を書いていきます。ネタバレありですのでお気をつけください。
以下のような映画が好きな方は反撥もオススメですので、ピンときたらすぐにこのページを閉じて反撥を見始めてください👍
- シャイニング
- ブラックスワン
- 羊たちに沈黙
- ゲットアウト
ストーリー
この映画は、ロンドンに住む美しく内向的な若い女性、キャロル・レドゥーを中心に進行します。
キャロルは美容院で働きながら姉と一緒に住んでいます。姉が家に恋人を連れてくることにさえ極度に嫌がっており、男性嫌悪なところがうかがえます。(バスルームに置かれている姉の恋人の私物を捨てたりするw)
同居する姉が恋人と旅行に出かけたことをきっかけに、家で一人きりになったキャロルの精神不安定さは加速度的にひどくなり、仕事はおろか食事さえもままならなくなり、一人妄想に囚われていきます。
この映画のいいところ
1965年の作品なのですが、現代にも通ずる恐怖が描かれていると思います。
たとえば電話。
電話恐怖症とかあるじゃないですか。電話に出ることが苦手なので、電話が鳴るだけでネガティブになっちゃうってやつですね。
キャロルもそうです。電話に怯え、最後には電話線を切っちゃうくらいです笑
電話が怖いって、昔からあるもんなんですなー。
あとは、
- カトリーヌ・ドヌーヴの演技が素晴らしい。神経質な女性と恐怖を与える女性の両面が伝わってくる
- 主にロンドンのアパートの一室で話が進んでいくので、主人公の人生の閉塞感と相まって、「外に出なきゃな」って気分にしてくれる笑
- 現代は「男性やばい!」という出来事をメディアが取り上げがちな気がするけれども、やばいやつは男女問わずにやばいんだよってことを思い出させてくれる
がいい点かな。
この映画の惜しいところ
メリットでもありデメリットもあるのですが、解釈の余地が大きいところが惜しいですね。
なんで男性を嫌悪しているの?実際のところ男性を本当に嫌悪しているの?最後どうなったの?
と、謎のまま映画は終わります。
たとえば、夢というか妄想のなかでベッドのシーツをめくると男に襲われるシーンが2度ほどあるのですが、本当に男性が怖いんだったら二度と同じベットに近づかないと思うんですよね。同じベッドで寝るのって怖いじゃないですか。
ベッドの位置を変えるか、部屋を変えるか、ベッドを変えるか、シーツを変えるか、なんにせよ本当に怖いんだったら同じようなことが起こりそうな環境を変えると思うんです。
でもしていない。
男性嫌悪なのか、それとも男性に襲われたいという欲望みたいなのがあるのか、その辺りがちょっとよくわからないというか、わからないように作られていると思いました。
総評
古い映画ですが、普通におもしろかったです。
白黒映画なので時代の違いはビシバシと伝わってきますが、「人間の精神ってほとんど変わらないよね」ってことがよくわかります。
参考までに。それでは!
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