Apple TV+ で配信中の映画「深い谷の間に(The Gorge)」を観ました。
Apple TV +の映画ランキングで1位だったので、なんとなく観てみたら展開にびっくりしました。敵国間のラブストーリーなんかなーと思いきや、まさかまさかのジャンルでした。
めちゃくちゃ面白い!とは思いませんでしたが、映像は綺麗ですし音の迫力もすごいので時間潰しになるかなって感じです。
ってことで以下では映画のまとめと感想を書いていきます。ネタバレありですのでお気をつけください。
【簡易版】サクッとわかりたい人向け・『深い谷の間に』あらすじ&ポイント

この映画、正直、うーん、なんかイマイチやったかな。でもよく考えたら深そうなとこいっぱいあったから、まずは簡単にまとめてみます。
作品のポイント
ポイントをサクッと押さえると…
- 監督: 『ドクター・ストレンジ』『シニスター』のスコット・デリクソン。ホラー出身なのに MCU も扱える器用な監督さんやね。
- 主演: マイルズ・テラー&アニャ・テイラー=ジョイ。今ドンドン売れてる実力派やし、二人の掛け合いだけでも見応えある感じ。
- 脚本: ザック・ディーン。2020年ブラックリスト(未映画化の優秀脚本リスト)に載ってた恋愛×アクション物がベースになってる。
- ストーリー: 「前半ラブストーリー/後半クリーチャー・ホラー」っていう意外な展開が特徴。「何もない山奥の谷で、男(マイルズ・テラー)と女(アニャ・テイラー=ジョイ)が監視任務してる」って設定で始まるねん。
あらすじ
どんな話かというと…
男(マイルズ・テラー)と女(アニャ・テイラー=ジョイ)が、まったく何もない山奥の谷で監視任務をしてるねん。二人は孤独で、秘密の任務やから周りとも連絡できへん。そんな中、二人は心を通わせていく…と思いきや、中盤からジャンルがガラッと変わってホラー映画になるねん!不気味なクリーチャー(これがホロウメンっていう名前やねん)が出てきて、「谷の秘密」が明らかになるっていう話。
特徴と評価ポイント
- 前半はロマンス映画っぽいのに、途中からサバイバルSFホラーに切り替わる展開。
- 「孤独」「人との繋がり」「現代社会のしんどさ」を怪物や状況に重ねたテーマ性。
- 派手な見せ場よりも、静かなやり取りやメッセージ性重視の作風。
ただ、見た人みんながハマるわけやないねん。最初は退屈に感じたり、突然のジャンルチェンジについていけへん人も多いよね。自分みたいに「なんか微妙」と感じた人もいれば、「なんでやろ?」と考えさせられるポイントが実はいっぱいあるって声もあるし。それって何なんやろ?って考えるのが、この映画の楽しみ方かもしれへんな。
もっと知りたい人のための詳細版:『深い谷の間に』深掘り
ここからはもっと細かく掘り下げていきます。
1. 作品基本情報
- 監督:スコット・デリクソン
- 脚本:ザック・ディーン
- 主演:マイルズ・テラー、アニャ・テイラー=ジョイ
- 製作:Skydance / Apple Original Films
- 配信:Apple TV+
- 上映時間:約127分
- ジャンル:アクション・ラブストーリー/SFホラー
2. 「ジャンルの正体」を探る
この映画、最初から正体をぼかしてる感じがあるよね。パッケージや予告見たら「SFホラースリラー」って言うてるけど、序盤はめっちゃ地味やし、監視業務って何やねん…って思わせる展開。
実際に見てみると、途中からロマンスっぽくなってきて、「恋愛モノなん?」って油断したら、谷底にクリーチャーが待ち構えてるっていう展開。いきなりホラー…あー、これは「フロム・ダスク・ティル・ドーン」形式やん!途中で映画のジャンルが切り替わるタイプやねんな。
デリクソン監督は元々『エミリー・ローズ』『シニスター』『ブラック・フォン』とホラー系に実績あるから、この展開は意外でもあり意外でもなかったかも。でも、映画の宣伝ではこのジャンル転換を隠してたから、期待値と違うって思った人も多そうやね。
3. 「ホロウメン」とは何者か?何を象徴してるん?
映画に出てくるクリーチャーは「ホロウメン」って呼ばれてるねん。直訳すると「空っぽな人々」やね。T.S.エリオットの詩『The Hollow Men』から名前取ってるみたい。「目的なくさまよう空虚な現代人」みたいなイメージを怪物に投影して、しかも元は人間やった兵士の成れの果て、っていう設定になってる。
なるほど、ホラー映画として見ればインパクトあるけど、これって単に怖がらせるためだけやないねん。現代病みたいな「何のために生きてるんやろ」「心の中が空っぽでつながれへん」そんな不安や現代の孤独感の象徴になってる。映画を見てて、出てくる怪物自体が「うわ、怖!」っていうより「なんやこれ?なんでこんな形なん?」って困惑した感じもあったけど、その「元・人間」やったって真実が出てきたとき、ハッとさせられたのは事実やね。
4. 作品の狙い──インタビューから見えるもの
デリクソン監督はインタビューで「ホラーでもアクションでもない。ただのラブストーリー。でも極限状況で愛を試すと、ジャンルを跨ぐ物語になる」って言うてるねん。
マイルズ・テラーも「脚本を読んで”愛のために谷底へ飛び込む”ってセンテンスにビビッときた」って言うてたし、アニャ・テイラー=ジョイも「人は孤独なときほど誰かを強く求める。その心の震えを撮りたいと監督は言ってた」って証言してる。
実際に見てみると、3人とも”ラブストーリー”を強調してたのは納得できるわ。つまりクリーチャーはあくまで装置で、本質は”愛と共感”なんやね。ただ、その「本質」が全ての観客に伝わったかどうかは別問題やと思う。
5. 「孤独」と「つながり」に本当のメッセージがあるん?
映画見てる時、最初は「なんでこんなにダラダラ会話してんのやろ」って思ってた。でも、あとでインタビューとか読みあさったら、監督もキャストも「一番伝えたいのは”人とのつながり”や」って言ってるねん。
たしかに、映画の設定自体が「孤独な現代人」の象徴になってる。谷っていう物理的な隔絶と、外部と遮断された状況で、二人がどんどん近づいていく。お互い孤独やトラウマ(PTSD的なものも含む)を抱えた上で、数少ない味方、「他者」の存在を全力で求める…。
監督が描きたかったのは「恐怖を通じて、人間の本質をあぶり出すこと」やったんやろうね。正直、テンポが遅いから感情移入しにくかった印象もあるけど。でも、本音を言えば、自分が「退屈」と感じてしまった部分こそ、監督にとって核心やったかもしれへんな、って今は思う。
6. テーマとモチーフ:現代社会とのリンク
映画のテーマやモチーフを考えてみると、現代社会との繋がりが見えてくるよ:
① 孤独と分断 — パンデミック後にフォーカスされた社会課題を脚本家が意識。実際、脚本はコロナ禍で書かれたみたいやし、その影響がもろに出てる。
② PTSD — 元兵士設定が登場人物のトラウマをより深く表現。戦争から帰ってきた兵士みたいな心の傷を抱えた人物たちが印象的。
③ “ホロウメン” — T.S.エリオットの詩が題材。虚無・空虚を象徴=現代人の象徴として効果的に使われてる。
まとめ
この映画の低評価の理由としては:
- 前半がゆっくりすぎて眠たくなる
- クリーチャーのインパクトが中途半端
- ロマンスとホラーが上手く融合してない気がした
この三点がよく挙げられるみたいやね。確かにそれは分かる。
でも大抵の映画は「わかりやすいエンタメの裏に本質がある」という考えに立つと、印象がガラッと変わる可能性もある。
やっぱり人は「孤独」になってこそ、初めてつながりの価値、希望の重みを感じるもんやと思う。この映画はそれを、直接的に語るよりも”空気”や”間”や”怪物”で表現しようとしてるんかもしれへん。
最終的に、この映画は「おもしろい?微妙?」と二択で判断するより、「なんでこういう作りになってるんやろ?」「これって何を伝えたいんやろ?」と考え続けることに価値があるんかもしれへんな。
作品データ&参考情報
原題/邦題: The Gorge(深い谷の間に)
監督: スコット・デリクソン(『ドクター・ストレンジ』『シニスター』『ブラック・フォン』)
脚本: ザック・ディーン
出演: マイルズ・テラー、アニャ・テイラー=ジョイ、シガニー・ウィーヴァーほか
ジャンル: アクション・ラブストーリー
配信: Apple TV+
上映時間: 約127分
参考・参照元
- https://ja.wikipedia.org/wiki/深い谷の間に
- https://www.cinematoday.jp/news/N0147582
- https://cinemore.jp/jp/news-feature/3855/article_p3.html
- https://safarilounge.jp/online/culture/detail.php?id=17166&p=1
- https://press.moviewalker.jp/news/article/1247005/
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