この記事では、
“社会人になる前に知っておきたかったこと”
について書いていきます。
簡単に私の経歴を書いておくと、地方の国立大学を卒業→民間企業(メーカーの研究開発職)→国家公務員→個人事業主になります。2回転職をしており、なおかつ民間企業と公務員を経験していることから、エントリシートの書き方と面接にはある程度の自信を持っております。
しかし、ここで書きたいことはそんなことではありません。
- 就職するとはどういうことか?
- これからの時代をどう生きるか?
をテーマに書いていこうと思います。
またこの記事は、
「適当に仕事しててもお金が入ってくる楽な会社に入社したいんや!」
という心持の方には向いておりません。
「人生をより善く生きたい」と思っている方向けの記事になりますので、「楽して稼ごう」なんてお考えをお持ちの方はそっとページを閉じてください。
就職するとはどういうことか?
就職するとはどういうことなのでしょうか?少し考えてみてください。
「会社で仕事をこなし、給料をもらうこと」
と、多くの人はこのように答えると思います。でもそれは個人的な視点になります。
企業側からの視点だと、
「こいつを使えばどれくらいの利益を会社に生み出せるだろうか」
と考えます。
もし給料が20万円ならば、それ以上の価値を会社に与えなければなりません。20万円以下の働きしかできない場合、外資系であれば「お前使えないな、クビね」と言えますが、日本の企業ではそれが言えません。
これだけを聞くと「リストラがない日本の会社最高!」と思うかもしれません。だってどれだけ仕事ができなくても、クビにならないなんて、将来安心プランですよね。
ですか、世の中には作用反作用の法則があり、メリットがあれば必ずデメリットがあるのです。
新卒一括採用のデメリット
日本は終身雇用という制度が根付いているので、一度採用した人をなかなかクビにすることはできません。「これっていいことじゃん!」って思いそうですが、今の時代ではそうとは言えません。
と言うのも「全然使えないやつを雇ってもクビにできない」からです。ならば、できるだけ優れた人、少なくともハズレじゃない人を採用しようと思うのが企業の本音。
そのために新卒一括採用で、いろいろな粒からできるだけいい粒を選ぼうとします。一括でやるんだから採用コストも少なくて済むんだからなお良しです。
企業が学歴フィルターを用いるのも、確率的に一流大学出身者の方が「ハズレ」が少ないからです。でもこれって同じような人間ばっかりが選ばれちゃいますよね。
そりゃあ同じような人間を選ぶ方が無難ですから。その結果、同じ意見ばっかりのような、多様性のない組織が出来上がります。
多様性がない組織はどうなるのか?一言で言えば「窮屈」になります。チャレンジを好まず、失敗した人にはレッテルが貼られ、それが昇進や昇給に響いていきます。つまり、「危ない橋は渡らないのが善」になるので、多くの人はその風土に嫌気がさすことになるでしょう。
新卒一括採用の悪口はここまでにしておいて、終身雇用が生むリスクについて考えてみましょう。
終身雇用のデメリット
企業は社員に対して、社会保険料や福利厚生、家賃補助や交通費などなどがあり、一人を定年まで雇用するには大変な費用がかかります。その人材が優秀な人であれば全然問題無いです。今、新入社員として入ってくる人たちは、それなりの審査を勝ち抜いてきたわけで、使える見込みがかなり高いです。
しかし、日本がイケイケどんどんのバブル時代では人材が不足していました。だから「誰でもカモーン」みたいな時代を駆け抜けた人たちは、当然ながら使える人も使えない人もいました。
でも、商品を作りさえすれば売れる時代だったら、そんなこと気にしなくても良かったのです。だって、『ジャパンアズナンバーワン』なのですから。でも時代は変わって、イケイケどんどんの時代ではなくなりました。
会社に入った人は嫌というほど分かったことでしょうが、仕事のできないご年配の方々の多いこと。出世争いについていけなくても、時代の名残でゆるーく高い給料でぬくぬく生きている人がたくさんいます。窓際族に追い込まれたとしても、何としてもしがみついて定年まで迎える人もいます。
じゃあその人たちの給料って誰が払ってると思います?
もちろんその会社ですが、昔のようにモノ・サービスは売れないので年齢が上がるからって給料が上がっていくっておかしいはずです。なら企業としてはどうするでしょうか?
- 製品の値段を上げる?⇨他のライバル企業に負けちゃいますよね。
- 全員の給料を下げる?⇨労働組合や社員が怒りますよね。
- 役員報酬を下げる?⇨そんなこと絶対しないでしょうね笑
- 企業年金を減らす?⇨OBが怒り狂いますよね。
あれ?どうしたらいいの?・・・
「あ、そうだ!!これから入ってくる新入社員の給料を下げればいいんだ!!」
簡単にまとめてみましょう。
今、新入社員として入ってくる人たちは、それなりの審査に勝ち抜いてきたわけで、当然使える見込みがかなり高いのです。しかし、バブル時代の誰でもウェルカムな期間を駆け抜けた人たちには当然使える人も、使えない人もいたでしょう。でもイケイケドンドンの時代ではそんなこと気にしなくても日本の製品が売りまくれる時代があったわけです。
「少々使えない人がいたって構わないぜ!だってとりあえず製品作れば売れるのさ!メイドインジャパンだぜ!!」なんて時代があったようです。そんな過去の栄光の話をされてもねぇ・・・。
会社に入ればわかると思いますが、仕事ができない年上の方々はゴロゴロいます。
- パソコンが使えない?
- エクセルがよく分からない?
- タイピングが遅すぎ?
- パワポで作ったスライドが下手くそすぎ?
- まだパソコンとプロジェクター繋げるの苦手なの?
- え?かなり入力からローマ字入力に直せない・
- スマホ・タブレットなにそれ?
出世争いには全然ついていけなくても、時代の波に乗れたままの高い給料でぬくぬくと生きている人がたくさんいます。
当然そういう人たちのつけは新入社員にまわされるのです。今の年金構造と少し似てる部分がありますね。若者のお金を搾取する感じです。
参考までに>
この事実を知ってどうする?
少し極端な例があったかもしれませんが、社会は大体こんな感じです。
終身雇用って何も考えないで聞くと、
「一生クビにならないで働くことができるなんて安心!」
と思えるので、すごく良い制度な気がします。
もちろん悪い制度とは言い切ることができませんが、終身雇用が良い制度だと感じる人は、ご年配の方々です。今から新入社員でその会社に入る人は、転職が当たり前の時代で、終身雇用なんていうのはほとんど意味がなくなっていると思います。
昔は年齢が上がれば上がるほど給料も上がっていました。でも今は違います。昔はリストラなんてほとんどありませんでした。でも今は違いますよね。
同じような話をこちらの記事でも書いています。参考までに>
ほとんどの仕事は誰もができる仕事ばかり→マニュアル化されている
会社に入ればわかりますが、ほとんどの仕事は誰もができる仕事ばかりです。
こういう現実が嫌な人はベンチャー企業に行きます。大企業がどうとか、福利厚生がどうとか、そんなものは判断基準にはいれません。
「若者のやりがいの搾取」という言葉があるように、大企業が会社説明会で、どれだけうちの会社がやりがいのあることをしているかということを語っても、実際はやりがいを感じられない誰もができるような仕事を与えられるわけです。
100人が新入社員として入社したら、100人が誰でもできるような仕事、つまりマニュアル化された仕事とマニュアル化された教育があります。
就職する前に、会社にたっぷりとピンハネされるということを理解しておいてください。でもピンハネされる代わりに、居場所は与えられ、ある程度の給与ももらえます。
大企業や公務員に就職するなとは言うつもりはありません。
ただ、就職する前に知っておいてももらいたいのです。これが社会人だと割り切るもよし、ベンチャーに行って挑戦をするもよし、自分でベンチャー立ち上げるもよしなのです。
何が言いたいかというと、
どうせ働いた以上の価値は会社に搾取され、使えない人の穴埋めになるんだから、給与で会社を選ぶんじゃなくて、自分がやってみたい業界に入ってみたら?
ということです。
自分の興味ある業界に行く方が、やる気も出て一生懸命に働けます。そこで成長して給料の50倍分くらいの価値を提供できるようになれば、いろんな仕事を与えてもらえます。
終身雇用は崩壊し、将来の絶対的に安定がない現代だからこそ、“自分の価値を上げていく”ということがもっとも懸命な判断だと思います。選択肢で迷うことがあれば「どちらを選んだ方が自分は成長できるのか?」という基準で選ぶべきだと私は考えています。
参考までに>
これからの仕事の未来を考える
日本はこれからどこへ向かうのか・・・検討はつきますでしょうか?
まずはここを考えておかないと自分の人生を考えることはできません。なぜなら私たちは環境に依存する生き物だからです。
参考までに>
クビになるのは当たり前の時代
大手企業でも業績不振が続き、希望退職を募るところもあります。また、強制的に「君、来月からこなくていいから」と一方的に解雇されることもあります。大手企業、中小企業問わず、こういうことが本当に起こっているのです。
給料や福利厚生目当てで会社に入り、やる気もないままダラダラと社会人生活を続け、いきなりクビを切られたき、あなたには何が残っているでしょうか?
“自分の成長”を考えて働かない限り、会社の運命と人生を共にすることになるかもしれません。
人口は減少していく
クビになるのが当たり前な時代と書きましたが、これからは人が貴重になる時代でもあります。なぜなら人手不足だからです。超高齢社会に突入している日本。仕事を選ばなければ、就職することは多分できます。(介護系とか)
しかしAIやロボットも発達していく
AIやロボットの発達により単純労働をする人間は不要になります。例えばバクスターというロボットがあるのですが、バクスターの値段は180万円で、大した動きはできません。しかし、プログラミングが簡単で1回教えればずっとその動きができるようになります。ロボットですから、文句も言わず24時間働いてくれます。
アメリカでは「バクスターより低賃金でいい?」というのが雇用の条件になっている会社もあるようです。
他にもPillPickという薬を処方するロボットもあります。薬剤師だから安定という時代がどこまで続くか分かりません。
参考までに>
標準的な人生モデルの破綻
一昔前までは、一流大学に行って、大企業に就職して、マイホーム買って・・・というのが標準的な人生モデルでした。
しかし、このモデルは現在では存在しません。(超勝ち組は除きます)
- 実質賃金の低下
- 社会保障制度の限界
- 企業の倒産が稀なことではない
ですから、「でかい企業に入ったらOK」ということではないのです。
参考までに>
人生が長くなっている
「60歳で定年してあとは年金暮らし」というのも無理です。
医療技術の発達で若い世代ほど長い気になります。よく言われるように人生100年時代の到来です。平均寿命が80歳の時であれば60歳で定年を迎えても大丈夫でしたが、これからは60歳以降でも働かなければなりません。
だからこそ「どう働いていきたいか?」を考えなくてはなりません。
参考までに>
本当の意味でネットが繋がる時代
昔は自分の周りの人としか繋がることができませんでした。しかしネットがある今、スマホが急速に普及している今、周りの人以外とも繋がれるようになりました。
さらに、全世界でネットが繋がってきています。加えてGoogle翻訳の進化も凄まじいものがあります。物理的な壁、言語の壁、隔てられていた壁という壁がどんどん壊されてきています。
何が言いたいかというと、
- 「誰と一緒に働くか?」
- 「世界のどの国で働くか?」
というのが今まで以上に柔軟になってきているということです。これからの人生を考える上で、ここも頭に入れておきたいところです。
移民受け入れ問題がリアルになる
人手不足が深刻になれば、移民の受け入れもリアルになります。というか、すでに異国の方が日本でどんどん働いています。都会のコンビニや飲食店を見れば分かるはずです。
つまり、「それって誰でもできる仕事じゃね?」となれば、日本人がやろうが外国人がやろうが、ロボットがやろうが、経営者からすればなんでもいいわけです。安ければいいんです。
これが何を意味するかというと、『低賃金争い』が始まります。
参考までに>
大企業に行くのは正解か?
「何かやりたい!」という強い気持ちがなければ、大企業に行くのは「あり」だと私は思っています。ここからはそれを前提で書いていきます。
「過労死」が騒がれていますが、今や大企業はそこに関してすごく気にしています。また新入社員が3年以内に辞めてしまうと上司の評価になってしまうので、なんとかして辞めさせないようにする傾向があります。
そして先ほど書きましたが、若者が減っていくのですから、新入社員はとても貴重な存在です。
大企業や公務員に行って人生を見失う人々
大企業や公務員になればそれは勝ちなのか?
これは難しい判断です。
大企業や公務員に就職したいと思う人は、他者評価を気にする人が強い傾向にあります。それは自分で価値を評価できないことを意味します。
誰かが「いいよ!」「安定だよ!」「かっこいいよ!」「買うべきだよ!」と言っているものに価値を起きつづけた結果・・・“自分のやりたいこと”が分からなくなってしまうんですね。
おわりに:どう生きたいの?が問われている
結局のところ、「どう生きたいの?」が強く問われているということです。
- AIやロボットの発達で農業の生産が劇的にアップ→食べるものには困りません
- AIやロボットの発達でモノの生産が劇的にアップ→モノには困りません
- AIやロボットの発達で自動運転技術が目前→移動に困りません
これだけ裕福になっている現状でさえ「働け働け!」と私たちは迫られます。その理由はなぜか?1つの理由として、
- もっと長生きしたいですー
- もっとテレビを見ながら家でゴロゴロしたいですー
- 年金をもっとたくさんもらいたいですー
- 最先端の医療を受けたいですー
- 自分は働きたくないけれど若者が働いてもっと納税すればいいですー
- 今の若者は70歳くらいまで働かないといけないなんて大変ですねー
- 消費税や社会保障費も上がってるなんて大変ですねー
と、矜持を失ったご年配が爆増中だからです。
若者はいわば奴隷のようになっているのではないでしょうか。歳をとって病気になれば誰もが優しくしてくれます。税金だってたくさん投入されて、安心の医療と安心の介護が受けれます。そのために若者は働き続けないといけないのです。
高齢者のために足りない分は増税していきましょう。日本でも6人に1人は子どもの貧困状態にあるけれど、彼らには投票権がないから、まずは投票権を持っている高齢者のために優遇措置をしていきましょう。日本の金融資産の半分以上は高齢者が持っているけれど、高齢者の生活は大変なんだから、もっともっと優遇していきましょう。
さて、どう生きる?
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