黒川祥子さんの『8050問題 中高年引きこもり、7つの家族の再生物語』を読みました。とても勉強になる本でした。
ひきこもりと聞くと「就労支援が大切なんや!」という話題に向かいます。でもそれ、数年間ひきこもっている人にはハードルが高すぎます。「就労支援で解決!」できないから問題なのですね。
じゃあどうするかというと、まずは、
「引きこもっている状態をこのまま続けていくにはどうしたらいいか、一緒に考えようよ」
というスタンスが大切になります。
何年間もひきこもってきた人に、いきなり「働こうぜ」は無理な話であって、まずは他者との信頼関係の構築から始めなければなりません。というのも、ひきこもってる人は、友人はおろか、家族の間でも信頼関係がないからです。人を信じるという土台ができていないのです。
なぜひきこもってしまうのか?を考えていくと、多くの場合は親との関係性が悪いことに原因があります。親が価値観を無理やり子供に押し付けようとした結果、精神を病んでしまい、ひきこもりへというわけです。
そしてそういう親は、子どもがひきこもると世間体を恐れて外部に相談することもしません。ズルズルと時間が経ち8050問題へ、というわけです。「ひきこもりは自己責任だろ」と思っている人にこそ読んでもらいたい一冊です。
バブル時代を生きた人は、自分の能力以上に給料などをもらえました。役職などもつきやすかったでしょう。それが「ワイは優秀や」みたいな勘違いを生み、子どもにも自分と同じように優秀さを過度に求めたのだと思います。「なぜできないのだ?」みたいにね。
ヤバイ親のもとに生まれると、子どもはどうしようもありません。親に好かれるには、親の期待に応えるしかありません。でも高すぎる期待には応えられません。期待に応えられないと親から怒られる・・・その繰り返しで精神を病んでいく、というわけです。辛い。セルフコンパッションが必要だなーと、本を読みながら思っていました。
>セルフコンパッションとは?鍛え方について紹介【自分への思いやりを持とう】
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