ネットフリックスの強さを知ろうと思い、こちらの本を・・・積読↓
積読したまま別の本を読んでいると、楠木健さんが重要な部分を解説してくれていたのでメモ。
NetflixはGAFAと同じように凄さを語られます。しかしもともとはDVDのレンタル屋さん。ネットで注文を受け付けてそれを封筒に入れて輸送し、封筒に入れて返却してもらうという、いわば『よくありそうな』ビジネスモデルを展開しておりました。
そこからどうやって競合他社より優位に立ち、GAFAと肩を並べられるまでになったのか?それが『旧作への誘導に力を入れたこと』です。
なぜ旧作の誘導に力を入れたかというと、新作はいろいろとコストがかかるからです。
- どのレンタル屋さんだろうと新作が人気
- 新作は順番待ちになりお客さんの不満は高まる
- この問題を解消するためには新作の在庫を増やす
- しかし新作の在庫を大量に増やすにはお金がかかる
- そして新作もいずれは人気がなくなり不良在庫となる
新作の在庫を増やすと、結果として不良在庫が増えるという問題が発生します。(ようはカネがかかる、ということですね)
限られた資金と在庫で客を満足させるためには、「旧作へと誘導することだ」とネットフリックスは気がつきました。ではどうやって旧作に誘導していくのか?というと、
- 客はどういう映画をどういう順番で見るのか
- どれくらいの早さで返却するのか
- 次になにを借りるのか
そうやってネットフリックスはデータを集めて、客の趣味趣向を把握していきました。そして集めたデータを分析し、客が気にいるであろう旧作を紹介し、誘導し、満足度を高めていったわけです。
やってることの本質はDVDレンタル時代と変わらない。なぜ今になってネットフリックスが強いかと言えば、データマーケティングの年季が圧倒的に違うんです。p191
最近は「サブスクリプションや!」ということが声高に叫ばれております。サブスクリプションモデルを語るとき、ネットフリックスはサブスクリプションモデルの成功例として度々登場します。しかし、ネットフリックスのすごさを語るにはサブスクリプションではなく、データマーケティングで語らないとダメなのですね。
いまでもネットフリックスはデータの全てをAIに任せずに、作品ごとの特徴を『人』がタグ付けしているのだとか。彼らは「Tagger」と呼ばれ、作品を細部まで見てタグをつけています。AIやロボットと言われる時代において『人』で徹底しているのです。ネットフリックスの強さがここにあります。
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