「なんのためにこの商品を作ってるんだろう?」元食品メーカー研究開発職が思っていたこと

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「食べるものがない」、そんな時代であればたくさんの食品を作る必要があったと思います。しかし今はそんな時代でしょうか。むしろ食べ過ぎで困っている人が多いのではないでしょうか。肥満が国民病になる時代が、すぐそこまで来ています。

 

私は元食品メーカーの研究開発職として、あたらしい商品を作っていました。食品メーカーといっても幅広いですので、もう少し具体的にいうと、乳業メーカーです。乳業メーカーに新卒として入社した理由は、「ヨーグルトなどの腸内フローラをよくする食べ物で、人の健康維持に貢献したいから」という思いがあったからです。今思えば、本当に浅はかな考えだったなーと😅

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1 元食品メーカーの私は、お菓子・加工食品などをほぼ食べなくなった

企業は存続するために、利益を追求します。では食品メーカーが利益をだしていくためにはどうしたらいいでしょうか?たくさん商品を売ることですね。

 

今は昔と違って、食に溢れています。ほとんどの人が「食べられない」で困っていません。でも、よりたくさん食べてもらうためにはどうしたらいいのでしょうか?

 

多くの食品メーカーが出している結論は1つです。「今日も欲しい、明日も欲しい、明後日も欲しい」と、人が思えるような新商品をつくることです。つまり、『どれだけ人を中毒にできるか?』がカギとなってきます。

 

スマホゲームのガチャなんかと同じです。酒やタバコとも一緒です。人の依存性を高めることができれば、利益は増えていくビジネスモデルなのです。

『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』規制がない麻薬のようなもの

1.1 遺伝的に人がうまいと思う『至福点』を意図的に作る作業

人を中毒にできる『味』は、ある程度決まっています。至福点というのですが、糖質、脂質、アミノ酸の3つのバランスが整っていれば、人はそれを「めっちゃうまいやんけ!」と感じ、脳がそれを求めるようになります。

 

今の時代、コンビニで何を購入しても『まずい』商品には当たりません。好みはあれど、どれもが『おいしい』といえる商品になっています。なぜならすべての商品が至福点をデザインされた商品だからです。

 

そして大切なことが『至福点に至った食品が、ほとんどの場合において健康によくない』、ということです。2〜3日に1個食べるのであれば、ほぼ問題はないでしょう。でも至福点の食べ物は『脳』が求めます。それを1日に2〜3個も食べていくと・・・。

 

また、おいしく、そして安い商品を作るためには、原材料を安くするしかありません。科学技術の発達により、それは可能となったのですが、低品質の油などを多用しております。問題となったトランス脂肪酸などですね😱

1.2 無味無臭のモノがあればおいしくできる

味がない原材料に、

  1. 砂糖をぶっかけて甘くして
  2. 質の悪い油をぶっかけてまろやかにして
  3. 着色料でみばえをよくして
  4. 香料でそそる香りに

この工程をたどれば、無味無臭の食べ物であればおいしくなります。

2 食品メーカーは加工食品という合法麻薬を売り続けている

麻薬を売ることは法律で禁止されています。タバコやお酒は年齢制限があります。

 

では、砂糖たっぷり、油たっぷりの食品はどうでしょうか?禁止されていません。タバコやお酒と同様に、お菓子などの加工食品ももちろん体に悪いです。しかし食品には制限がありません。

2.1 人々が中毒になり、不健康になればなるほど儲かる

人が太れば太るほど、中毒になればなるほど、食品メーカーは儲かります。お菓子、カップラーメン、アイス、ジュースなどが、どんどん売れれば、材料を扱う商社も儲かります。

 

そして人が不健康になればなるほど、サプリメントやフィットネス業界も儲かります。お医者さんや製薬会社も儲かります

 

あら不思議、肥満になればなるほど喜ぶ人たちはたくさんいるのです。

2.2 その医療費、だれが払うの問題

「自分の好きなもの、好きに食べたらいいやん。それで病気になって死ぬのであれば本望やん。」、そう思われる方もいるでしょう。では次の文を読んだあとに、もう一度感想をお聞かせください。

 

お菓子や加工食品を食べまくって高血圧で高血糖になって、医者から何度も注意されたのに食生活を改めず、いろいろと病気になって病院通いが日課になった人の医療費を負担するのが『あなた』だとしたらでしょうでしょうか?

 

この国の素晴らしい国民皆保険制度で、私たちは病院で治療を受けても3割負担で済みます。じゃあ7割はだれが払ってるのか?という話なのですが、それは税金で支払われています。

 

税金ということは、つまり私たちのお金で支払っているということです。会社勤めの方は気にしてないかもしれないですが、しっかりと毎月の給与の中から引かれております👍

【増え続ける医療費】その対策方法は?世界と比べて日本の医療費は?まとめてみました。

 

また、さらに言えば、高額療養制度というものを使えば3割以下の負担で済みます。たとえば、毎月100万円かかるような高額の治療費は、3割と言えども普通の人には払えません。そこで頼りになるのが高額療養制度です。これを使えば年間2000万円かかる治療でも、負担は100万円くらいで済みます。抗がん治療などでよく使われている制度ですね。

【若者こそ知っておこう】高額療養制度の自己負担率が8月1日から変わったぞー

 

人は生物である以上、誰もが死にます。死は当たり前なのが大前提です。

 

若い人であればこのような制度を使うのはいいでしょう。でも不健康な生活をし続けた高齢者が「もっと生きたいんや!」という理由で、「ほい、残りの1900万円くらいは税金ではらっときますわ!」と言えるのでしょうか?

 

「スポーツカー欲しいから!」といって、1000万円の税金って支払われないですよね?「自分の金でどうぞ」という話です。でも「最高の治療を受けて長生きしたいんや!」という場合は、税金が使われます

 

これってなにか変ではないでしょうか?最高の治療を受けて長生きしたいのであれば、それまでにしっかりお金を稼いで貯めときましょうね、という話ではないのでしょうか。

 

*「治療を受けなくていい」と言ってるわけではありません。3割負担の普通の治療でよくない?という話です。高額療養制度を使うほどお金がかかる治療は、実費でやればいいのでは?ということです。

3 そしてすべての負担は若い世代へ

日本の財政が厳しいのはご存知の通りです。高齢化で医療費がガンガンにかかるからです。足りない分は若い世代へ押し付けられる構造になっています。社会保障費は上がり、消費税も上がっております。これが現実です。

>日本の借金が1103兆円に!【2019年】

3.1 それでも好きなものを食べ続けろ、と言えるの?

不健康な人が増え続けると、そこにかかる医療費は健康な人が負担していかなくてはなりません。そして今の世代が払えない分は、将来の世代へ持ち越されます。それでも「好きなものを好きなだけ食べてもOK!」と、言えるでしょうか?

お菓子などの加工食品が蔓延るこの世界、元食品メーカーの私としては、これを「善」と言えません。子どもの虫歯のほとんどは食品メーカーのせいではないでしょうか。当たり前のように「加工食品を食べる習慣」は虫歯だけでなく、生活習慣病へとつながります。

 

子どもたちは虫歯や病気にもなるし、社会人になると前の世代の医療費も支払わなければならない・・・将来世代に待ち受ける未来です。

3.2 人が求めるものを提供するって本当に正しいの?

「人が求めるものを提供する」、私が就職活動をしていたころ、人事の人たちは口を揃えているかのように同じことを言っていました。当時から「それってほんまかいな?」と思っていましたが、社会人になってより強く疑問に感じています。

 

「人が求めるものを提供する」というスタンスだと、ほとんどの人は破滅に向かうと思います。だから麻薬は法で禁止され、酒やタバコは年齢制限があるのです。人ってそれほど賢くないのですよ。

3.3 お菓子などの加工食品にも制限があっていい

加工食品にもタバコやお酒のように制限があってもいいはずです。そうしないと、子どもはずっと甘いお菓子などを食べ続けてしまします。将来の生活習慣病の予備軍なのです。

3.4 なぜ食品メーカー社員こそ美意識を鍛えなければならない

子供が口にする食品を作る仕事に携わっている人こそ、美意識がいっそう必要なのだと私は考えています。

 

それに、そんなにたくさんの商品を売る必要はあるのでしょうか?どうせたくさん売ったって、社員の給料なんてほとんど変わりません。経営層の人たちがいい暮らしができるだけです。「売り上げを増やすぞ!」という考え、それはほんとうに人を幸せにするのでしょうか?私には疑問が残っています。

『売り上げを、減らそう』従業員ファーストで考える

おわりに

食品メーカーが絶対悪だとは思いません。しかし、体に悪い加工食品をどんどん売っていこうとする姿勢は悪いと思います。人を中毒状態にして、お金を貪る姿勢はいただけません。

 

といっても、企業は変わりません。というか、変えられません。ですから、私たち一人一人が意識を変えていくしかありません。加工食品を食べることに、制限をかけていきましょう。特に、お子さんをお持ちの方は、お気をつけください。元食品メーカーの研究開発職より。

それでは!

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