【増え続ける医療費】その対策方法は?世界と比べて日本の医療費は?まとめてみました。

日本の医療費問題政治・経済
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高齢化が進む日本では、医療費がどんどん増加しています。
2015年では医療費が過去最高の40兆円を突破しました。
毎年だいたい1兆円も増え続けてるんですね。

この問題は何とかしないと、子や孫の世代にどんどんつけが回っていくことになります。
私たち若者世代はこの問題を知っておくべきで、議論しあっていかないとダメだと思うんです。
ということで、今回の記事は『増え続ける医療費をどうするか?』をテーマに書いていきます。

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日本が抱える医療費の問題点

医療費の何が問題なのかを見ていきます。(若者という言葉を使いますが、この記事では高齢者以外の人を若者と呼んでいます。だから50歳でも若者と考えてください)

医療費の仕組みはどうなってるの?

『医療費』と聞いてもピンとこないかもしれないので、まずはここから見てみましょう。

医療費=公的支出(社会保障支出)+個人支出(自己負担)

となっていて、病院に行ってお金を払いますよね?
あれって3割しか払ってなくて、残りの7割は公的支出として支払われています。
医療費の内訳としては、約20兆円が保険料、約16兆円が公費、残りの5兆円が個人負担となっています。

ちなみにですが、2009年度の医療費が約30兆円なので、いかに医療費が増え続けているかがわかると思います。

高齢者と医療費問題

高齢者と医療費問題ってどういう関係にあるかをそもそもご存知でしょうか?

簡単にまとめてみますと、

  • 高齢者が病院によく行くけど、自己負担額は1割
  • 高齢者はどんどん増えている

の2点です。

医療費の半分は65歳以上の高齢者によるものなのです。

自己負担が1割だからって、ガンガン病院に行かれたらそりゃ医療費上がりますわなって話です。
若者の年間の平均医療費が20万円くらいに対して、高齢者は100万円近くになります。(超健康体を目指す私なんか1万円も使ってないよ笑)

なぜ高齢者は病院に行きたがるのか?

若くて健康なうちは、そんなに病院に行かないと思います。
それに病院に行くのってめんどくさいじゃないですか。
結構お金取られるし。

でも、高齢者の視点からすると、ちょっと変わった見方になります。
高齢者になると話友達が極端に減っていきます。
だから病院に行ったら同じような高齢者に会えるので、会話をするために病院に行くという人も多いそうです。(喫茶店で友達と話す感覚になると、うちの祖母は言っていました。)
「初対面の人と会って、どんな話をするんだよ?」
と、思うかもしれませんが、歳をとると『病気トーーーク』で、ほぼ無限に時間を潰せるそうです。

友達がいなくなると、家に引きこもりがちになってしまいます。
それが痴呆の原因であったり、体を動かさないので、寝たきりの原因になったりします。
友達がいないということは負の連鎖が始まってしまうので、病院で高齢者同士が話し合うというのはある意味良いことなのです。

しかし、それで医療費がめちゃめちゃかかってしまうのはダメなので、老人同士が話せる『コミュニティ』を作って行くことが大切なんですね。(これは地方自治体の役割だと思う)

あのコミュニティに行くのが楽しみすぎて超元気!病院なんか行ってる暇ないぜ!」てな感じの高齢者を増やして行くことが地方自治体のやるべきことです。
そんなコミュニティを増やすことができれば、医療費に限らず、介護費用などの抑制にもつながります。(介護費用に問題についてはこちらの記事を参考にしてください⇨介護保険で購入できる椅子から見る介護費用の問題

私のおばあちゃんは氷川きよしのコンサートに行くために、毎日散歩をしています(体力低下防止のため)。
氷川きよしってすごいんですよ、こんなにも医療費抑制に貢献してるんです。

だから氷川きよしみたいなイケメン演歌歌手を国がどんどんサポートしていけば良いのかもしれませんね笑。
女性の方が平気寿命長いのも氷川きよしのおかげじゃない?って思っていたり。

生活保護と医療費問題

生活保護と医療費の問題も関係性があります。

生活保護には3兆8千億円という予算がありますが、そのうち半分が医療費になります。
んで、この医療費には不正があるのです。
生活保護を受けている人は医療費が無料になります。
だから病院側が生活保護者を囲んで、大量に薬を出します
すると、その薬の代金は税金として病院側に流れていくのです。

また生活保護者の中には、抗うつ剤を処方してもらって、その薬を転売している人もいるのだとか。(ごくごく一部の問題でしょうが)
この解決策は、生活保護者にも自己負担を求めることですね。
1割でも負担があれば、病院に囲い込まれるようなことはありません。(転売の問題は残りますが)
自分の懐が痛むようになれば、無駄に病院に行くことはありません
これは高齢者の病院行き過ぎ問題と同じ解決策ですね。

医療費を抑制するためには?

先ほどちらっと書いたことですが、高齢者が元気に生きてもらうことが一番の方法だと思います。
そのためには高齢者が元気になれるような『コミュニティ』を作ることが必要だと思っています。
以下にはそれ以外で医療費を抑制する考え方について書いていきます。

副作用のない薬はない

薬がもう身近に溢れすぎていて、薬のありがたさや、危険性についての認識がないように思えます。
私たちが薬を服用する上で、絶対に知っておかないといけないことは、

副作用のない薬はない

です。

風邪薬を飲んだら眠くなりますよね?
あれが副作用です。
人間が薬のすべての副作用について理解をしているかといえば「否」です。だから薬を常用しすぎるのは危険なんです。

そういう意味では、高齢者もそうなんだけど、子どもは医療費が無料だからって何かと病院に行きすぎるのも問題なんです。
人間の体は病気に対する素晴らしい免疫機構が備わっているので、ちょっとのことですぐに薬を服用するのは、自分の体を弱くしているだけです。

患者にも知識を

病院側としては検査をすればするほど、薬を出せば出すほど儲かります。
だから無駄にそういうサービスを提供してくることがあるかもしれません。

医療サービス提供者側と受給者側で知識の差が大きすぎると、受給者側は受け入れるしかありません。
だから、必要のない検査や薬を断るくらいの知識と、遠慮しないで意見を言えるような姿勢が必要です。

予防医療の大切さ

このサイトで何度も伝えていることですが、予防医療が大切なんですよね。
病気は治すのではなく、かからないようにするのが、病気に対しての大前提の考えです。

病気になってから治療するのでは、お金もかかるし、健康な状態に戻るまでの時間もかかります。
予防医療って難しく聞こえるかもしれませんが、そんなことありません。
毎日軽く運動をして健康維持を心がけるのも予防医療ですしね。
これについては個人でできることなので、健康で長生きしたいならば、一緒に頑張っていきましょう!(予防医療をテーマにしたサイトを作っているので、参考にしてみてください(まだ未完成ですが)⇨予防医療・健康に関するサイト

それと、インセンティブを取り入れることも効果があるはずです。例えば健康診断で健康状態が良好な人には健康保険料を下げるなどです。
健康で長生きすることが、自分の子どもにとっても、孫にとっても良いことですから。

医療費制度を変える

健康保険で個人負担は3割、後期高齢者は1割負担、生活保護受給者は医療費無料。
負担が軽すぎるのも問題で、病院に行かなくてもいい人までもが気軽に病院に行き過ぎてしまうんですね。
病院側としてはその保険制度で儲けることができるので、ありがたいのでしょうけど、これってダメですよね?

こうなると、「診療報酬」制度を変えないと変わらないと思います。
だって、ただの風邪で病院に行く必要がありますか?
人間の体はそこまで弱くないですからね。

世界と日本の医療費について

2016年8月11日の日本経済新聞の記事によると、日本の医療費の対GDP比は11.2%で、OECD加盟国中ではアメリカ、スイスに次ぐ第3位となっています。

その理由を挙げるとすると、

  1. 高齢化が世界一位
  2. 通所介護や認知症向けの生活介護の費用が新たに算入された(通所介護とはデイサービスのことです。)
  3. 診察回数が多い(世界二位)
  4. 薬剤費が高い(世界二位)
  5. 入院日数が長い(世界一位)
  6. 病床数が多い(世界一位)

簡単に言っちゃうと、過剰診療と過剰投薬が大きな問題です
日本に住んで入れば病院に行くことと薬を飲むことが当たり前かと思っちゃうけど、世界ではそんなに病院に行ってないし、そんなに薬を服用してないんですね。
医者に言われるがままに薬を服用していたら、健康な人まで薬害で病気になってしまう可能性だってあるんです。

考えてもみてください、先ほども言いましたが、軽い『風邪』で、そんなに薬飲む必要あります?
念押しのためにもう一度、副作用のない薬はないのです。
これは頭に入れておきましょう。

高額医療制度と医療費

医療費増加の問題は、医療技術の発達も原因の1つなのです。

最新の医療技術を用いて病気の治療を行うのですから、それはそれは多額のお金がかかるのです。
でも、一般庶民にはそんな多額のお金支払えません。
じゃあ庶民にはその最新の医療技術が受けれないのか?と言ったら、そうでもありません。

高額療養費

というものがあるんですね。
例として簡単に説明しちゃうと、高齢者は月の医療費が数十万円になったとしても、個人の月額負担は上限の4万4千円で済む制度になります。

小野薬品工業の抗がん剤「オプジーボ」なんかが当てはまります。
抗がん剤の研究は十数年単位で数千億円の費用をかけ開発されます。
だから高いんですよね〜。
小野薬品工業のサイトに「高額療養費制度について」というわかりやすい画像があったので、引用させてもらいます。高額医療制度

高額医療費の制度は必要なものですが、すべての人に適用すべきがどうかは疑問が残ってしまいます。
お金が無限にあれば、これに使ってもいいと思いますが、国債という名の借金を使いまくって、この制度を利用するべきかはわかりません。
その借金のツケを払わされるのは今の若い世代、子どもたち、孫になりそうですからね。(本当は政府の借金なのですが、ゴリ押して国民の借金にさせられそう。これについてはこちらの記事で書いています⇨国民の借金?

もちろんこの制度があることで、日本の医療技術は発達していくというメリットもあります。

終末期医療に関する考え方

よく生きるためには、『どう死ぬか?』を考えておかなければなりません。
人生には終わりがあるから、私たちは限りある生を全力で生きようとするのです。

だから、人間なら誰しもが必ず迎える共通点『死』について、その直前である終末期医療について考えてみたいと思います。

延命治療をどうするか?

厚生労働省の「終末期医療に関する意識調査等検討会」が発表した「人生の最終段階における医療に関する意識調査」によると、回復の見込みがない場合、『胃ろう』を望まないと答えた人が72%、望む人が8%。人工呼吸器の使用についても、望まない人が67%、望む人は1%という結果が出ています。(リンク⇨終末期医療に関する意識調査等検討会
胃ろうとは、口から食事の取れない人にチューブで栄養を与えることです。食事が食べられない赤ちゃんのためにアメリカで開発された治療方法ですが、認知症などの高齢者向けにも利用されています。近年の研究結果によると、高齢者とっては効果的ではないとわかっており、患者や家族の意思で治療を拒否することができるようになっています。

ただ、この結果とは違い、延命治療を受けている人は少なくありません。
その一つの理由として、患者が入院していればそれだけ病院側にお金が入るからです。

上の「世界と日本の医療費について」で書いたことですが、日本は入院日数と病床が世界一なのです。
家族にとって延命治療をどうするかは難しい決断だと思います。
しかし、日本では財政が圧迫し『子どもの貧困』と呼ばれる状況まで出てきています。
どちらに税金をかけるべきか、私たちはそれを考えなくてはなりません。

スウェーデンの延命治療の考え方

今のところ、日本では延命治療を行うのが一般的かもしれません。
少し目線を広げて海外のスウェーデンの延命治療の考え方を見てみます。
幸福度調査で常に上位にランクインするスウェーデンでは、寝たきり老人が少ないと言われています。

日本とスウェーデンの大きな違いは、スウェーデンの高齢者は子どもと暮らすことはなく、夫婦二人か一人暮らしがほとんどで、子どもと暮らしている高齢者は4%ほどだそうです。
これは家族間の中が希薄というわけではなく、『自立』という文化が根付いているからです。
だから子どもも近くに住んでいるだけで、一緒に暮らしてはいないパターンが多いのです。

また高齢者の意思を尊重するので、日本では施設に入るような状態でも、在宅での介護が行われ、施設に入るときは本当に終末期になります。
大きな施設を持たずに、在宅訪問の介護に力を入れることは、介護費用の削減にも繋がっているらしいです。

さらにスウェーデンでは胃ろうなどで無理な延命をすることは『虐待』だと考えられているのです。
だから介護する側も介護される側も、寝たきりにならないように努力し、その兆候が見え始めた場合は覚悟をするのです。

『時間』ではなくQOL

薬漬けによって単純な「時間」による延命よりも、「この治療を行うことで、患者のQOLがどれほど上がるか」とい基準を設けるべきな気がします。
この基準を治療計画に盛り込まないと、無駄な延命治療で、財政も悪化、患者のQOLも低下、喜ぶのは既得権益に喜ぶ医療機関だけになってしまいます。

私たちも「どう生きたいか?」と同時に「どう最後を迎えたいか?」を考える必要がありますよね。
無理な長生きをすることが幸せな人生ではありません。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回の記事では『増え続ける医療費の問題点』について書いてきました。
このような問題を考えることはすごく難しいし、明確な答えが出るわけではありません。
しかし、私たち一人一人が問題意識を持って考える必要があるんですね。

長くなったので簡単にまとめます。

  • 「どう生きたいか?」「どう最後を迎えたいか?」これを意識して生きることが大切
  • 薬を飲んで治療するのではなく、病気にかからないようにする『予防医療』の概念が必要
  • 副作用のない薬はないのだから、何でもかんでも病院に行って薬を飲めばいいという考えは捨てる
  • 自己負担率を上げて、無駄に病院へ行く回数を減らす
  • 健康状態を維持できてる人には健康保険料を下げるなどのインセンティブを与えるのも良い手段

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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