日銀は大規模な金融緩和政策の一環として「年間6兆円ペース」でETFを買い入れています。ETFを知らない方は『大企業の株が集まったパッケージ商品』だと思っていてください。ようは『株』のことですね。
話を単純にすると『日銀は6兆円ペースで株を買いまくっている』のですよ。これの何が問題かというと、『ダメな会社の株価が下がらないところ』です。普通は、
- 経営が怪しい会社の株価は下がる
- 経営陣としては株価が下がるのを阻止しようといろいろ考える
と、危機感を持って「会社の経営を立て直すために頑張る!」ように動きます。(頑張らない経営陣はクビになりますから)
しかし、日銀が年間6兆円ペースで株をどんどん買っていけば、下がるはずの株価も下がらないわけで、経営陣としては『安心』しちゃうのですね😅そうなると「頑張らなくてもええやん。このままでええやん。」という現状維持の考えになってしまいます・・・。
ダメな会社が市場から撤退するのはいいこと
「会社が潰れる」と聞くとマイナスのイメージがありますが、これは社会全体で考えるいいことなのですね。いい企業が生き残り、悪い企業が淘汰されていけば、働き手としては嬉しいです。(ブラック企業なんかなくなった方がいいですよね?)
能力の低い経営陣のせいで会社が傾けば、その会社は、
- 倒産する
- 買収される
のどちらかになります。
「買収される」というのもマイナスのイメージがあるかもしれませんが、時代についていけず経営難におちいり株価が下がった会社を、若くて元気のある会社が購入して会社を立て直すことはいいことなのです。こうした循環があって経済は成長していくのですね。
しかし、そこに日銀が介入しまくり、本来であれば倒産するか買収されるかの企業の株価を維持し続けると、ダメな企業も生き残ってしまいます。本来なら『必死に頑張って経営を立て直さないといけないところ』を、「このままでええやん!あとはダラダラ役員報酬もらい続けて、引退までまったり過ごそう😇」と、経営陣を頑張らなくさせてしまうのです。
こうなると『危機感』というものが企業からなくなります。経営陣は、ダラダラと現状維持をすることだけが目標となり、「引退するまで役員報酬を貰えばええやん!後のことは若いやつらに任せよ!」という考えになってしまうのです。そういう要因もあって日本経済は停滞しております😱
日銀が多くの大企業の大株主になる
日銀がETFを買い続けることで、日銀が企業の大株主になってしまいます。
日経新聞を引用します↓
株式市場で日銀の存在感が一段と大きくなっている。日本経済新聞の推計では、日銀は2020年末にも公的年金を上回り、日本最大の株主となる見通しだ。機関投資家・外国人が主導して発展してきた日本の資本市場は、中央銀行が主導するこれまでにない段階に入る。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43792260W9A410C1EA2000/
政府の子会社である日銀が企業の大株主になると・・・企業は政府の顔色をうかがいながらの経営になってしまいます。極端に言ってしまえば、社会主義国のようになる可能性もあるのですよ。
日銀が金融緩和でインフレを起こそうとするのは経済を上向かせるいい方法なのでしょうが、現実を見ると、
- 全然インフレは起こってない
- 経済は上向いてない
- 株を買いまくり株価を支えているため、ダメな企業が生き残っている
- 政府の子会社である日銀が企業の大株主になっている
という、不安要素高めな感じです。
この先どうなるのやら・・・誰にも分からない未来に日本は進んでいるような気がします。みなさまはどう思われるでしょうか?
それでは!
コメント