『ルポ 消えた子どもたち 虐待・監禁の深層に迫る』を読んで

本の感想
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『ルポ 消えた子どもたち 虐待・監禁の深層に迫る』を読みました。「少子高齢化社会だから子どもを産める環境を!」という言葉に、私は素直に賛成できません。なぜかというと、子どもが増えれば増えるほどあまりにも辛い人生を歩むであろう子どもも増えるからです。親になってはいけない人って一定数いるのですよ。

 

辛い環境に生まれた子供を助けられる仕組みができていない今、「少子化だから子どもを産もう!」という言葉に危機感を覚えていたりします。そして、この本を読むことでいっそうその考えが強くなりました。

一八歳まで自宅監禁されていた少女、車内に放置されミイラ化していた男の子―。虐待、貧困、保護者の精神疾患等によって監禁や路上・車上生活を余儀なくされ社会から「消えた」子どもたち。全国初の大規模アンケート調査で明らかになった一〇〇〇人超の実態を伝えると共に、当事者二三人の証言から悲劇を防ぐ方途を探る。二〇一四年一二月に放送され大きな反響を呼んだ番組取材をもとに、大幅に加筆。

 

子どもが社会から消えるときは3つあります。

  1. 貧困(親の夜逃げなどで学校に通えなくなる)
  2. 虐待・ネグレクト(親から隠される)
  3. 保護者の精神疾患や障害で、保護者自身がSOSを出せずに社会から消えていく

 

個人的には3がなかなかの衝撃でした。本書では、円満だった家族が離婚して母親がうつ病になり、母親の世話をするために学校にいけなくなった少女の状況が書かれておりました。少女が学校に行っている間に、母親がリストカットなどの自傷行為をし救急車に運ばれ、それ以降母親に付き添うために学校に行かなくなりました。

 

少女はそのことを学校側にうまく相談できず、学校側は少女をただの不登校だと思い、徐々に気にされることがなくなり社会から消えていったとのことです。母親のうつ病から始まる「消える子ども」、これはどこの家庭にもある問題かもしれません。

 

このような問題の背景にあるのは「家族の問題は家族で解決しなさい」というものでしょう。もっといえば「人に迷惑をかけてはならない」という強迫観念にも似たような、日本の美徳とされているものがこの現実を生んでしまっているなと思います。8050問題と似てるな、と。

『8050問題 中高年引きこもり、7つの家族の再生物語』を読んで

 

読書メモとして簡単に動画にしています↓↓↓

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