『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』を読みました。2020年が始まったばっかりですが、たぶん2020年に読んだ本の中のトップスリーに入るのではないかなと、そう思っています。
というのも、今まで読んできたこういう系の本の中ではピカイチに分かりやすかったからです。話の流れも素晴らしい、そして和訳も素晴らしかったです。ということで超オススメ本です。
人はいかにして他者に影響を与え、他者から影響を受けているのか?
教室や会議室といったリアルな場所からネット上のSNSまで、私たちはみな、毎日何かしらのかたちで他者に影響を与え、また受けながら生活をしています。
しかし、私たちはその重要な行為についてどれだけ自覚的なのでしょうか?
もっと上手に他人の意見を変えることはできないのでしょうか?本書では、「客観的な事実や数字は他人の考えを変える武器にはならない」など、認知神経科学が近年発見した数々の驚くべき研究結果を示し、他人の説得しようとするときに私たちが陥りがちな罠と、それを避ける方法を紹介します。
『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』を読んで
8年ほど前の話になりますが、
- 話を
- 事実に基づいて
- 正しく話せば
- 人は理解できる
そんなふうに考えていました。しかしいくら科学的な事実を用いて伝えたところで、人は行動はおろか、意見を変えないことに気がつきました。
たとえば、
- タバコは体に悪いよ
- トランス脂肪酸は体に悪いよ
などの、その人の人生に決定的に関わるようなことでさえ、どれだけ科学的な根拠を示しても、人はタバコを吸い続けるし、トランス脂肪酸がたっぷり詰まった加工食品ばかり食べ続けるのです。
これにはまいりました。どうやって伝えていけばいいかわからなくなりました。
「事実に基づいて一生懸命伝えていけば、人は変われるはずだ」
その考えは崩れ去りました。それからは考えを改めまして、科学的な事実を蓄積するのではなく、心理学、行動経済学のようなものを学び、『人への伝え方のアプローチを変えていこう』としていきました。
そうこうしていて数年経ち、ようやくこの本に出会え、私が探し求めていた1つの答えにたどり着けました。
自分の都合のいい情報しか集めず、都合の悪い情報は聞かない、そんなヒトにどうしたら伝えることができるのか?著者が提唱している1つの方法が、
- 感情に訴えろ
ということです。
それはなぜか?私たちの脳の反応は驚くほど似ているからです。感情は、長い進化を経て、私たちヒトに組み込まれている強力なプログラグなのです。だからこそいったんプログラムが動きだすと、意識しようとしなかろうと、無意識のもと感情はその人の行動に影響をあたえます。つまり、感情をうまくコントロールすることができれば、相手の考えを動かす可能性を高められるというわけです。
そのためには言葉の使い方が重要です。感情を動かすことのない客観的な事実を羅列するのではなく、相手の感情に応じて言葉を並べていくのが鍵になります。相手に何かを伝えたいのであれば、相手の身になって言葉を選んでいくしかありません。ということで、人に伝えたい気持ちがあるのであれば、感情を読み取る力と、相手の感情動かす表現力を鍛えていくのが良いのでしょう。
具体的な方法を知りたい方は、本書ぜひお読みください。きっと参考になる何かがあるはずです。
読書メモとして簡単に動画にしています↓↓↓
『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』
バチバチにおもしろい本を見つけてしまった。ナッジに興味がある人からするとたまらないと思う。https://t.co/aT9QrVPbOh
— フクヤマ (@hemogurobinn2) February 22, 2020
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