『生物の中の悪魔』を読んで

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ポール・ディヴィスさんの『生物の中の悪魔』を読みました。物理学と生物学をかじっていないと理解できない本です。でも、ちょっとかじっている人には是非ともオススメしたい一冊。めちゃくちゃ面白いです!

物理を勉強していたら絶対に出てくるのが『熱力学の第二法則』です。この法則で説明されることの1つに「エントロピーは増大する方向に進む(減少する方向には進まない)」というのがあります。たとえば、お風呂に水を貯めてそこに入浴剤を落とすと、入浴剤は拡散していきます。つまりエントロピーは増大していきます。逆に、入浴剤が一箇所に集まる(エントロピーが減少)ことなんてありません。入浴剤に限らず、自然界ではエントロピーが増大する方向に物理現象は進みます。

 

そんな法則に1つの疑問を呈する物理学者が現れます。その物理学者が1831年生まれのマクスウェルです。マクスウェルの思考実験によると、エントロピーをコントロールすることが可能だというのです。「そんなバカな!思考上での話だろ!」と、当時は思われていました。ところが、量子力学・ナノテクノロジーの発達で微小な世界では、エントロピー増大の法則が当てはまらないことが徐々に分かってきています。

 

エントロピーの増大が当てはまらない、熱力学の第二法則が通用しない、そんな従来の物理学では考えられないような現象が起こる場所、それが生命です。およそ100年ほど前、量子力学を牽引したシュレーディンガーはこのように言っています。「生物は、今日までに確立されている物理法則には背いてはいないものの、今のところ未知である別の物理法則は必要としているのではないか」と。シュレーディンガー大先生の慧眼、はんぱないです。

 

話は変わりますが、シュレーディンガーが残した書物を思考の糧として、ワトソンとクリックはDNAの構造を明らかにしました。どうやら量子力学と生物学は、ずっと前から絡み合った学問だったようです。胸熱。

 

ということで、量子力学やらシュレーディンガーやらエントロピーやらの言葉にアレルギーがない人は、ぜひともお読みください。震えるほど知的好奇心が満たされていくかと思います。参考までに。それでは!

 

読書メモとして簡単に動画にしています↓↓↓

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