『フードテック革命 世界700兆円の新産業』を読みましたので、興味深かったところをメモします。
内容紹介(アマゾンより引用)↓
2025年までに世界700兆円に達すると言われる超巨大市場「フードテック」――。
あなたの食体験はどう変わり、どんなビジネスチャンスが生まれているのか?本物の肉のような「植物性代替肉」「培養肉」、
食領域のGAFAとも言われる「キッチンOS」、
店舗を持たないレストラン「ゴーストキッチン」、
Amazon Goに代表される「次世代コンビニ」。With&アフターコロナ時代の「食」在り方を探索し、
世界最先端のフードビジネスを徹底解説する日本初のビジネス書が、ついに刊行!食品メーカーから外食、小売り、家電、IT、不動産まで、
あらゆる業界を巻き込み、「食×テクノロジー」を起点とした新ビジネスが勃興する。
この世界で、日本のプレーヤーが、再び輝きを取り戻すための秘策とは――。
グローバルの変化を深く理解しながら、日本の現状とよりよい食の近未来を考える、
「次のアクション」につながるビジネスのヒントが満載!
フードテックの背景にある社会課題
フードテックが騒がれている背景には、ある社会問題があります。端的にいうと、
いまの食事って不健康だよね?便利にはなったけれど、トータルで考えるとマイナスじゃね?
ということです。
具体的にいいますと、
- FOLUという国際的な食料と土地利用分野のNGOが試算したところ、世界のフードシステムの市場価値は約1077兆円
- しかし、フードシステム自体が引き起こしている健康や環境、経済へのマイナスの影響が約1292兆円
- つまり、生み出す付加価値よりマイナスの方が大きい!
と、200兆円くらいマイナスなんです。
1292兆円の内訳としては、
- 健康にかかるコストが約710兆円。(肥満によるコストが約291兆円。栄養失調でもたらされる健康被害は約194兆円。農薬、抗微生物薬剤耐性からもたらされる健康被害約226兆円。)
- 環境に関わるコストとしては気候変動のコストとして約333兆円
- 経済に関わるコストは約226兆円と見積もられており、そのうちフードロスの問題が大きい(現在、食べるために世界で生産されている全食品のうち、3分の1が廃棄されている)
と想定されています。
いまや栄養失調による被害より、肥満による被害の方がコストとしては大きいのですね。
昔に比べてはるかに料理は簡単になりました。袋を開けたりレンチンしたりすれば、すぐに食べられます。そのように『食べること』への時間や効率性を求めていった結果どうなったのか?
人は肥満になり、病気になりやすくなり、医療費が爆増した!
植物性プロテインに資産家が投資をする理由
フードテックの代表格として、代替肉があります。
- ビル・ゲイツ
- セルゲイ・ブリン
- セリーナ・ウィリアムズ
- ケイティ・ペリー
などなど、お金持ちの方が投資をガンガンしています。
なぜ代替肉に投資が集まっているのでしょうか?その理由は、『これ以上人口が増えると、肉の供給が追いつかん!』からです。
世界の人口が100億人になろうもんなら、お肉の供給が間に合いません。
しかもいまでさえ、かなり無理のある方法で家畜を育てています。狭い面積で飼育し、病気を防ぐために抗生物質やビタミン剤を投与しているのですね。(ご存知の通り、密だと感染しやすいからです)
また家畜を増やすことは、環境への負荷も大きくなります。人間全体は、1日に水200億リットル、食料10億トンを消費します。それに対して、地球上にいる家畜としての牛15億頭は、1日に700億リットルの水、600億トンの食料が必要となります。倍以上に消費が激しいのです。
若年層のZ世代にとって、家畜の飼育方法や環境への負荷は大きな関心ごとです。そんなこともあり、代替プロテインに注目が集まっているわけですね。
日本で代替プロテインにあまり注目が集まってない理由
欧米だと熱く騒がれている代替プロテインですが、日本だと全然です。「あ、そうなん?いまそんなのブームなん?」という感じ。
なぜでしょうか?
その理由の1つに、肉の消費量が全然違うことがあります。欧米や中国だとタンパク質の摂取源の第1位が肉なのですが、日本だと穀物です(米や麺類)。『食』が全然違うのですね。
それに加えて、日本の食文化的にはもともと大豆から植物性プロテインを摂取してきました。豆腐や納豆ですね。普通においしいですよね。
「ハンバーグは肉じゃなくても、豆腐でいいじゃん。豆腐ハンバーグって普通においしくね?」
と思ってる人も多いはずです。欧米と日本では、肉の求め方が違うのです。
以上、『フードテック革命 世界700兆円の新産業』のメモでした。
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