頼み事をするのが苦手なすべての人へ【人に頼む技術】

本の感想
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ハイディ・グラントさんの『人に頼む技術』という本を読みました。最高でした。全日本人にオススメします。

でも、やっぱり読まれたくないかも。自分だけの知識として持っておきたいかも笑。それくらいに素晴らしい内容となっております。しかもエビデンス付きで。

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1. 人にお願いするのが苦手なすべての人へ【人に頼む技術】

それでは以下に、本で学んだことを簡単に書いていきます。さらに詳しく知りたい方は、ぜひ本を手に取ってみてください。

1.1. なぜ人は頼み事をしづらいのか?

まずはなぜ人は頼み事をしづらいのか?を考えてみましょう。

ズバリ言ってしまうと、頼みごとをすると『社会的脅威』にさらされてしまいます。社会的脅威を体験する可能性があるから、人は頼み事を簡単にできないというわけです。

では社会的脅威がなにかというと、

  • え?こんなのも自分でできないの?と思われるかもしれない(自分のステータスが下がる可能性がある)
  • 頼み事をしたら断られる可能性がある
  • 断られたとしたら、「自分って嫌われてるのかな?」みたいな別の不安も出てくる

などなどです。これらの脅威が自分の精神を襲ってきます。頼み事をしづらい理由がわかったのではないでしょうか。

1.2. 人は頼み事が断られる確率を高く見積もる

コーネル大学の組織行動学教授バネッサ・ボーンズさんは、見知らぬ人に様々な種類の頼み事をした複数の研究を分析しました(総数14000人以上)。その結果…、被験者が成功率を平均で約48%低く見積もっていたことを明らかにしました。

社会的脅威にビビりすぎて、めちゃくちゃ低く見積もっているのです!低く見積もっておくほうが、いざ断られたときに精神衛生的にいいですからね。

逆に言えば、『人に頼み事をすると、自分が思っている約2倍も頼み事を聞いてくれる』ということです。

1.3. 人は頼られたい生き物

人に頼み事をするのって難しいですよね。でも自分が頼りにされるのってどうですか?相談されたり、仕事を任されたりすると、「ワイ、頼りにされてる!ワーイ!」みたいな気持ちも出てきますよね。(もちろん時と場合によるけれど)

いうまでもなくヒトは社会的動物です。持ちつ持たれつの関係をつくるように、長い時間をかけて進化してきました。

そのため人から頼まれたら手助けしようとし、良い関係を築こうとします。そして手助けすることで、自分も喜びを感じるように進化してきました。

人は、親切でありたいと考えています。もちろん、全ての人がそうだとは限りません。しかし、私たちが想像しているよりもはるかに多くの人たちが、他人に親切にしたいと思っているのです。

1.4. 人を助けることは自分のためになる

人を助けることは自分にもメリットがあります。

  • 気分を高める
  • 気分がひどい時にはそれを和らげる
  • 募金などをすると幸福度が上がる

ということが研究の結果、分かっています。

このことを踏まえた上で著者はこのようなことを言います↓

誰かに助けを求める事は、その相手に長期的なメリットを享受する機会を与えることでもあるのです。

これはなかなかの発想の転換ではないでしょうか。助けを求めることは、Win-Winの関係になるのですね。

2. 相手が気持ちよく手助けするための条件

ただし、なんでもかんでも頼み事をすればWin-Winの関係になれるかというとそんなことありません。(当たり前ですけど)

相手が気持ちよく頼み事を引き受けるには条件があります。

2.1. 頼み事への4つの反応

人に頼み事をした時、人は次の4つの反応をとります。

  1. 拒否
  2. 沈黙(例:メールを見なかったこと、忘れたことにする)
  3. 消極的な承諾
  4. 積極的な承諾

言うまでもなく、4の積極的な承諾ができるような頼み事をするべきです。積極的な承諾の時のみ、頼み事をされた人は、最善を尽くそうとするだけでなく、自分の気分もよくなります。

2.2. 『コントロールされていない』という感覚が重要

ではどうやったら積極的な承諾をしてもらえるのでしょうか?

ここで重要になるのが『コントロール感』です。積極的な承諾をしてもらうためには、相手が『コントロールされていない』という感覚を持つ必要があります。言い方を変えれば、『強いられていない』という感覚です。強いられた頼み事って嫌ですよね?

ではコントロールされていると感じさせるものがどんなものかというと、次のようなものです↓

  • 報酬
  • プレッシャー
  • 期限

などです。

具体的にすると、

  • 「お金あげるからこれやって!」
  • 「ワイを満足させるレベルのものをやってくれ!」
  • 「〇〇までに絶対やってくれ!」

などです。仕事であれば普通のことですが、知人にこんな頼まれ方されたらテンション下がりますね。

2.2. コントロールされた感覚を抱かせない頼み方

では、コントロールされたという感覚を抱かせずに、頼み事をするためにはどうしたらいいでしょうか。

ひとつは自尊心を刺激する伝え方が有効です。たとえば「頼りになるのはあなただけなんや!」というように、誰にでもできるような頼み事ではなく、その人にだけしか頼めないというような伝え方をすることです。

ほかには、有効性を把握できるようにするのもいいです。つまり、自分のやったことに効果があったと思わせることです。たとえば、寝つきをよくするにはどうしたらいいかなぁ?と相手にアドバイスを求めたとしましょう。すると「寝る前のスマホはブルーライトが出ているからよくない」ということを教えてもらったとします。なら次回会う時、もしくはメールかなにかで「寝る前のスマホをやめたら、ぐっすり眠れるようになった!」と効果があったことを伝えます。そうすると頼まれた側も「あ、アドバイスした甲斐があったな」と気持ちよくなるわけです。

3. あなたが助けられないのはあなたのせい

最後に、人に助けられるための方法について書いていきます。「ワイ、人から全然助けられんのや。やっぱ自分は人望がないな」と嘆く前に、以下のステップを確認しましょう。

3.1. ステップ1:相手に気づかせる

自分が困っているかどうか、助けを求めているかどうか、言葉にしなければ伝わりません。人は基本的に自分のことに頭がいっぱいだからです。他の人の心配をできるほど、心に余裕がありません。

3.2. ステップ2:助けが必要なことを相手に確信させる

「あれ?もしかしてあの人、困ってる…?」

誰もが一度は経験したことがあることだと思います。助けた方がいいのか微妙なラインの時ってありますよね。そういう時、人は助けません。なぜなら間違えた時に恥ずかしいからです。

  • 自分「大丈夫ですか?」と駆け寄っていく
  • 相手「え?なんのことですか?」とびっくりしている

こんなことになろうものなら顔が真っ赤になっちゃいます。耳まで赤くなっちゃいます。

ですから、助けてもらうためには、『他者が判断に迷う微妙なライン』を消し去るのが大切です。「これって助けた方がいいのかな?でも違うような…?」みたいに思わせてはダメなのです。

ではどうすればいいのかというと、ステップ1もステップ2も、相手に直接助けを求めることで解決できます。「困った顔をしとけば誰かが助けてくれるでしょ」みたいな思い込みは捨てましょう。言葉にしなければ伝わりません。

3.3. ステップ3:助ける人を指定する

人通りが多い道で、人が倒れていました。しかしなかなか救急車がきません。なぜでしょう?

有名な話ですね。「誰かが救急車呼んでるでしょ。自分が呼ぶ必要はないわ。」と、人は思うからです。周りに人が多けばれ多いほど、「自分がやらなくてもいいっしょ」と、責任感が分散されてしまうのですね。

人に頼む時も同じです。人に頼み事をするときは大勢にではなく、特定の人に絞って頼み事をしましょう。メールやLINEで助けを一斉送信しても効果は薄いです。

助けを求める(相手の時間を奪う)のですから、時間をかけて言葉を選び、それを伝えるべきなのです。

3.4. ステップ4:相手の状況を考える

人は誰しも暇ではありません。忙しいです。

そんな忙しい人たちから助けを求めるのですから、こちらとしてもそれなりの準備をしておかなければなりません。人に助けを求めるときは、次の3つを意識しましょう↓

  1. 曖昧な表現は避けて、なにをどのくらい手助けしてもらいたいのかを説明する
  2. 妥当な量の助けを求める
  3. それほど助けてもらえなくても、不満を抱かない

相手にとって特に困るのが「ちょっとお願いがあるんだけれど」みたいな、ぼんやりとしたものです。相手が答えやすいように、できるだけ具体的な説明をして助けを求めましょう。

おわりに:人の頼む技術は早めに身につけておこう

個人的には全日本人が読むべき本かと思います。人は必ず誰かの手助けがいります。大なり小なり、人の助けは絶対に必要です。

であるならば、上手に頼み事をしたいですよね。そして相手も気持ちがよくなるような頼み事をしたいですよね。

というわけで、はやめにこの本を手にとり、科学的に分かっている『良い頼み方』のスキルを学んでおくべきかと思います。

参考までに。それでは!

読書メモとして簡単に動画にしています↓↓↓

 

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