#読書 #再読 #10年後、君に仕事はあるのか? #藤原和博
元リクルートでバリバリで働いて、今は教育者になっている藤原和博さんの『10年後、君に仕事はあるのか?』を読みました(再読した)。
子どもを持つ親なら絶対に読んでおいたほうがいい本です。
教育とは未来に向けてやるからこそ意味があって、未来を想定せず、現代の価値観の押し付ける教育は、生きづらい世界にするだけですからね(´・ω・)
いつものごとく、メモに残します“φ(・ω・。*)カキカキ
10年後、君に仕事はあるのか?を読んで
親と子が生きる世界の違い
著者は、今の子供たちがこれから生きるであろう世界は、次の3つの点で親の世界と決定的に違うと言っています。
- 2020年台の半ばには、多くの親が体験した「標準的な人生モデル」は追求できない
- ネットで繋がった世界
- 人生が長くなる
1つずつ見ていきます。
標準的な人生モデルの破綻
良い大学に行って、一流企業に入社して、マイホーム買って・・・
てな人生プランが一昔前の標準的な人生モデルでした。
でもこれはもう破綻しています。
- 実質賃金低下
- 社会保障制度の限界
- 企業の倒産は稀なことではない
という感じで、「この大学に行って、この会社に就職したらOK」なんて時代ではないのです。
ネットで繋がった世界
昔は、現実の世界でしか人と繋がることができませんでした。
しかし、今は違います。
スマホがあれば近くの友達から、日本の裏側の人まで繋がることができます。
親世代には、学校の枠を超えて仲間を集めようとすれば、駅の伝言板くらいしかなかったんです。p7
人生が長くなる
医療技術の発達で、若い世代ほど長生きになります。
人生100年時代の到来です。
平均寿命が80歳の時であれば、60歳で定年を迎え仕事を辞めてもOKでしたが、これからはそれではダメです(´・ω・)
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ピンチをチャンスと捉えよう!
AIやロボットが仕事を代替していくのはこれから加速的に起こると予想されます。
ですが、「仕事がなくなる・・・やばい!」と、思わずに“面白くない仕事は機会がやってくれる”と前向きに捉えましょう!
だから君たちには、AI×ロボットの時代に入るこのときに、人間として本当に必要な知恵と力を身につけてほしいと思うのです。p29
著者はこれからの時代を、「人間が人間らしくなる時代」と評しています。
これから必要な能力とは?
学力がないとネットで調べれない
ネットがあるこの時代で、今までのような“暗記教育”は必要なくなります。
でも、ネットで調べるためには「キーワード」を知っておかなくては調べることができません。
ということで、ある程度の基礎学力はやっぱり必要になります。
やっぱり勉強は大切
知識がなければ世の中を正しく見ることはできません。
世の中を正しく見ることができなければ、自分の将来を正しく決めることもできません。
だから、まだどっちの方向に自分の人生を振るか、どんな仕事をするかを決めていないのだったら、まず学力を上げておくしかない。
それが、どんな職業に就き、どんなキャリアを積み上げていくかの決定を先送りする最低限の状況になります。p47
- プロのスポーツ選手になる
- 最高の映画を作る!
- 絵でご飯を食べていく!
このように、具体的な“目標”が定まってないのだったら、勉強しておけってことですね。
とりあえず勉強しておけば、“潰し”が効きますからね。
情報編集力が鍵
著者はこれからは「情報編集力が大事だ!」と、この本を通して訴えています。
1+2=3とか、微分・積分の問題を解くのは、早く正確に「正解」を当てる力、すなわち情報処理力です。
これに対して情報編集力は、正解がないか正解が1つではない問題を解決する力だと述べました。p49
つまり、答えがある問いに対して、素早く正確に答える力を『情報処理力』、答えがない問いに対して、できるだけ正解に近づけようとする力を『情報編集力』と言います。
学生の間は答えのある問いばかりがでてきますが、大人になると答えのない問いばかりがでてきます。
- どの会社に就職するべきか?
- この人と結婚するべきか?
- 子育てはどうするべきか?
- 引越しをするべきか?
- 株に投資するべきか?
などなど。
正解のない問いに対して、諦めずに、できるだけ正しいであろう答えに近づけていく力が、これからはより必要になってくるんですね。
文部科学省ではこれを「思考力・判断力・表現力」と表現することがありますし、経済産業省では「社会人基礎力」と呼んだり、経済界では「問題解決能力」と呼んだりしています。p49
情報編集力はこの本の重要な概念なので、もう一度著書の言葉を引用します。
だから、正解のない問題に対して試行錯誤しながら「納得解」を作り出す力を、本の編集の仕事に象徴させて「情報編集力」と名付けました。p52
著者曰く、2020年代中に、情報処理力:情報変種力の比率が7:3になるとのことです。
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選択問題の弊害
「1〜4の中から適切なものを選びなさい。」
という問題に誰もが出会ったことがあるはずです。
でも、こういう問題ばかりを解いていると大きな弊害があります。
それは、“自分で仮説を作れなくなる”のです。
だって、提示された4択のどれかに正解があるのですから、消去法的な選択をするのが試験のセオリーになってしまいます。
でも、現実の世界で、「どれかに正解がありますよー」なんて問いは出てきません。
現実の社会では、この選択肢のことを「仮説」と呼びますが、実際には「イ、ロ、ハ、ニ」の全てを自分で設定する必要が出てきます。
誰かが必ず与えてくれるわけじゃない。p62
「選択肢の中に必ず正解がある」という思い込みは危険なのです。
情報編集力を高めるなら遊べ!
よく対談やシンポジウムでご一緒する「花まる学習会」の高濱正伸代表とも完全に意見が一致するのですが、遊んでない人材は伸びない。
子どもの頃に遊んでいない人は発想が豊かじゃないから「伸びしろ」がないんです。p95
勉強ばかりでは豊かな脳に成長させることはできません。
自然と触れ合い、人と触れ合い、小さい頃に一生懸命遊ぶことで、豊かな脳は作られていきます。
これは科学的にも分かっていて、“脳を成長させるのは体を動かすこと”なのです。
- 都会で自然と触れ合えない
- 核家族でおばあちゃん、おじいちゃんと合わない
- 一人っ子で兄弟がいない
- 両親が共働きで、家に一人でいる
こういうパターンだと、脳は成長できる機会が激減してしまいます(´・ω・)
ホンモノに合わせる
中高生にはできるだけ「ホンモノ」にで合わせるべきだという主張も共通していました。p118
これは、この前の記事で書いたことにも共通しています。
親が子にできる大切なことは、「魅力ある大人に出会わせること」です。
楽しいことだけでは成長できない
楽しい方だけに行っちゃうと、人間は成長しないということ。
なんとかして、両立の工夫を維持でも自分で編み出さなければならない。p120
「勉強より部活が楽しい!」と言って、部活だけやってもダメということですね。
恥をかけ!
君たちには、できるだけ「間違うと恥ずかしい」「叱られちゃいけない」「失敗するのは恥だ」という感覚を捨ててもらいたいのです。p169
これって本当に重要なことですよね。
人にすごい迷惑をかけたりしない限りは、どんどんチャレンジして、失敗するのがいいです。
口にするのは簡単なんですけどね・・・・・・(´・ω・)
自分自身をレアカード化しろ
将来お金持ちになりたい?
だとしたら、自分に“希少性”を持たせるしかありません。
誰でもできる仕事は価値が低く、高い給料は支払われません。
しかし、誰もができない仕事だと、それができるってことは価値が高くて高い給料が支払われます。
自分の希少性を高めるためにはどうすれば良いか?
みんなと一緒のことばかりしていたら、結局“みんなと一緒の人間”になってしまい、価値が低くなるのは当然のことです。
ならば、“人とは違うことをする“しかありません。
3つの専門性を高める
自分に希少性を持たせるためには、このような考え方を持つといいです。
大ざっぱなイメージとしては、20代で100人に1人に、30代で100人に1人を達成して、1万人に1人というペースです。
ここまできたら、あと1つの分野で仕事をして100人に1人の希少性を達成すれば、100分の1×100分の1=100万分の1の希少性が実現します。これはもう、オリンピックのメダリスト級のレアさになります(実際、1人のアスリートが一般的には3大会に出場可能として、3大会のメダルの総数を全就業者数で割ってみると、その確率が100万分の1近くになります。p204
この考えを10代のうちに持って、10代で100人に1人を達成したら、すごいことになりますよー!!!
んで、どうやったら100人に1人の実力を手に入れることができるかというと、だいたい1万時間をかければいいとされています。(マルコム・グラッドウェル著の『天才!成功する人々の法則』を参考にしてみてください)
まとめ
今回の記事では『10年後、君に仕事はあるのか?』について書いてきました。
この本の最後では、少し厳しいことを書いています。
子どもを楽な生活ばかりに流してしまうと、思考停止状態になって、“人間のロボット化”が起こると。
我が子をそうしたくないのであれば、面倒で、厳しくて、タフな状況を選ぶように勧めなさいとのことです。
これからの時代はいろんな人がよく言っているように、いたるところで“二極化”がおこります。
- お金
- 勉強
- 医療
- 幸せ
- 学歴
- 栄養状態
上側の人は、「AIやロボットがめんどい仕事をやってくれるなんてラッキー」と喜び、下側の人は「AIやロボットに仕事を奪われ流・・・」と怯えることになります。
自分も自分の子どもも上側に行きたいですよね?
そうであるならば「今をどうするか?」を私たちは考えなくてはいけません。
そして、そんな未来が予想されるのですから、“子どもには未来に向けた教育を”施していくなくてはなりません。
学生向けの本だと思いますが、子どもを持っている親御さんも是非とも読んでみてください!
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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