マイクロバイオームと植物の関係性に驚いた。#土と内臓 #微生物 #マイクロバイオーム #読書
デイビッド・モンゴメリーさんとアン・ビクレーさんの共著『土と内臓 微生物がつくる世界』を読みました。
お二方は地質学者と生物学者で、その学問から見た『微生物』について書かれていました。
非常に興味深くって、ワクテカしながら読んじゃいました( ´∀`)
いつもながら、メモを残したいと思います“φ(・ω・。*)カキカキ
土と内臓を読んで
微生物って聞くと、
「え?汚い!病気うつされそう!」
と思うかもしれませんが、それってすごい偏見で、微生物がめちゃめちゃ重要だということが近年の科学では言われています。
よく聞く言葉に『腸内フローラ』というのがありますが、あれこそ「腸内の環境を整えるため、腸内細菌を活発にさせようぜ!」ってな話なわけです。
腸内細菌の大切さについては、こちらのサイトで解説しまくっています→→→腸内細菌
- 生活習慣病
- 体重
- 血液
- 栄養
- 免疫
などなど、腸内細菌は、体のほぼ全てに関与していると言っても過言ではありません。
なんといっても、人間の体の細胞以上に、細菌たちは体に生息しているんですからね笑
話を戻して、『土と内臓』には後半でヒトの腸内細菌について詳しく書かれていました。
前半では植物と微生物に書かれていて、それがすごく興味深かったので、メモに残します。
微生物は種の壁を超えて遺伝子を受け渡す
すっごくびっくりしたのですが、微生物って種の壁を超えて遺伝子を受け渡すんですって。
- 細菌
- 古細菌
- ウィルス
- 原生生物
- 昆虫
- 植物
- 動物
に遺伝子を渡すという衝撃的な事実なのです!
彼らは人間のようなルールに従わない。その性によらない遺伝的乱交は、遺伝子の水平伝搬という考えうるもっとも色気のない名前がついている。p32
大腸菌同士で遺伝子の水平伝搬をするのは知っていましたが、まさか種を越えるとは・・・!
微生物は融合する
微生物が融合するって、不思議ですか?
でも私たちの細胞にある『ミトコンドリア』は、元々は違う生物でした。
数億年前に微生物同士が融合して、ヒトの元となる細胞ができたのです。
それと同じように、数億年前、微生物たちは互いに融合し始めました。
共生とか共存の1つとして融合したのだと考えられます。
植物は根から微生物に栄養を与える
ここからが、一番びっくりした話です。
植物は光合成でエネルギーを作ります。
光合成により、空気中にある二酸化炭素を吸収し、炭水化物を生成します。
その炭水化物を滲出液(しんしゅつえき)として根から分泌します。
「なんのために根から分泌するのか?」
それが、微生物(マイクロバイオーム)に栄養をあげるためなんですって!
滲出液には、
- アミノ酸
- ビタミン
- フィトケミカル
が含まれていて、それは微生物にとってはご馳走です。
植物が根から滲出液を放出すると、細菌や菌類が根圏に群がる。
地下の食堂のメニューは滲出液だけにとどまらない。根は成長につれて粘液を放出し、死んだ細胞を落とす。
根圏の微生物にとって、これらもやはりすぐ食べられる炭水化物だ。p122
とまぁ、滲出液は微生物にとって最高の栄養源なのです。
植物がどのくらい滲出液にエネルギーを使うかというと、これもびっくりで、光合成で合成した炭水化物の30~40%を使うんですって。
それくらい微生物たちに栄養を与えているのです。
「じゃあなんのために滲出液を出すの?」って話ですが、これは微生物を利用するためです。
- 植物に害のある病原菌を寄せ付けないため、有害ではない菌を根の周りに集める
- アミノ酸の一種であるトリプトファンを食べた微生物は、それをインドール酢酸に変える。これは植物成長ホルモンとして作用するので、より根は伸び、植物は成長する。
植物の根を取り巻く根圏は、植物と土壌微生物のあいだで無数の取引が行われる場所だ。
菌類と最近は植物の滲出液を消費し、見返りとして植物の生長と健康に必要な栄養および代謝産物を与える。p131
植物は微生物に栄養を与え、自分にメリットがあるようにし、微生物側からしたら植物を守ることは自分のメリットになるのです。
植物と微生物はwin-winの関係を築いているんですね。
いやー、おもしろい。
まとめ
この記事では『土と内臓』についてメモしてきました。
人と細菌が共存していることは知っていました。
しかし、植物と細菌も共存しているとは知りませんでした。
でも、普通に考えたら“当たり前”のことですよね。
生物の環境って奥が深いなぁと思うばかりです。
- 農薬
- 多大な栄養
人間は化学薬品を良かれと思って植物にガンガンかけていますが、目の見えないところで植物に有益な細菌を殺し、有害な細菌を増やしているのかもしれません。(農薬を使えば耐性菌が増えます)
片面だけみて「こうすれば良い!」という判断は良くないことは、歴史的にも分かっていますが、未だに私たちはそうしています。
考え方を変えないといけないような気がします。
そんなことに再度気がつかされた本でした。
分厚めの本ですが、是非とも読んで見てください(`・ω・´)”
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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