「PDFを画像化して保護したいけど、文字がボヤけて読みにくくなるのは嫌だ」
「契約書や図面の細かい線まで、きれいに残したまま編集不可にしたい」
以前紹介した通常版の改ざん防止ツールは、手軽で高速ですが、画質よりも処理速度を優先しています。そのため、拡大して見ると文字のエッジが少し甘くなることがありました。
「セキュリティは高めたい。でも、プロとして渡す資料の『美しさ』は妥協したくない」
そんなハイレベルな要望に応えるために、WebAssembly (WASM) 技術と、プロ仕様の画像処理アルゴリズム「Lanczos3」を組み合わせた、高画質・改ざん防止ツールを開発しました。
このツールは何をするものか?
仕組み自体は、非WASM版と同じです。
- PDFの全ページを一度「画像」として描画
- 画像だけで構成されたPDFに再構成
つまり、
- テキスト情報は残らない
- コピー・編集・書き換えは不可
- 見た目は普通のPDFのまま
という、画像化による改ざん防止を行います。
なぜ、このツールだと「文字がくっきり」するのか?
結論から言うと、「Lanczos3(ランチョス3)」という、非常に高度な画像リサイズ技術を使っているからです。
一般的なツールは、処理を軽くするために簡易的な方法で画像を縮小しますが、このツールはピクセル単位で周辺の色を補完し、文字の輪郭(エッジ)をシャープに保ったまま画像化します。
- 通常版: 少しボヤけることがある(速度優先)
- 本ツール: くっきり鮮明(画質優先)
しかし、この「Lanczos3」は非常に複雑な計算を行うため、普通のJavaScriptで動かすとブラウザが固まってしまうという弱点がありました。
ここで「WASM」の出番です
そこで採用したのが、WebAssembly (WASM) という技術です。
これは、ブラウザ上でデスクトップアプリ並みの計算処理を可能にする技術です。
このツールは、
「Lanczos3という重厚な処理を、WASMという強力なエンジンで動かす」
ことによって、
「ブラウザ完結なのに、専用ソフト並みの高画質処理」
を実現しました。
【比較】通常版と何が違う?
| 通常版(非WASM版) | 本ツール(WASM版) | |
| 処理エンジン | JavaScript | WebAssembly (WASM) |
| 画質処理 | 標準的 | Lanczos3 (高精細) |
| 得意なこと | 軽快さ・スピード | 画質の美しさ・大容量処理 |
| 推奨環境 | スマホ・PC | PC推奨 |
| 目的 | まずは手軽に保護 | 公式文書・契約書・図面 |
⚠️ 知っておいてほしい「限界」(OCRについて)
非WASM版と同様に、
このツールにも 仕様上の限界 があります。
最新のスマホやAIによるOCR(文字認識)までは防げません。
- iPhoneのLive Text
- Googleレンズ
- OS標準の文字認識機能
これらを使えば、
画像化されたPDFから文字を読み取れる可能性はあります。
特にWASM版は画質が高いため、
OCRにとっては「読み取りやすい画像」になる場合もあります。
では、何のためのツールか?
このツールの目的は、
- 安易なコピペを防ぐ
- 数字や文言の“書き換え”を防ぐ
- PDF編集ソフトでの改ざんを不可能にする
という、実務上の改ざんリスクを大幅に下げることです。
「100%盗めないPDF」を作るものではなく、
“編集できない状態で渡す”ための現実的な対策として使ってください。
ブラウザ完結・サーバー送信なし
このWASM版も、
すべての処理はあなたの端末(ブラウザ)内で完結します。
- ファイルのアップロードなし
- 外部サーバーへの送信なし
契約書・見積書・社外秘資料でも、
安心して利用できます。
使い方と推奨環境
推奨:PC(デスクトップ / ノート)
- PDFをドラッグ&ドロップ
- 処理が完了するまで待つ
- 変換後PDFをダウンロード
※ 初回はWASMエンジンの読み込みに少し時間がかかります
※ スマホでも動作しますが、処理が重くなる場合があります
まとめ:見た目も信頼性も落としたくない人へ
- 社外提出用の契約書
- 細かい数字が並ぶ見積書
- 図面・技術資料
こうした 「内容だけでなく見た目も重要なPDF」 には、
このWASM版が向いています。
こうした「美しさ」が信頼に繋がる場面では、ぜひこのWASM版を選んでください。
相手には「普通のPDF」に見えますが、実は「編集できない画像PDF」という、スマートなセキュリティ対策ができます。
まずは手軽な
非WASM版(Standard)、
必要になったら WASM版。
この使い分けが、いちばん合理的です。

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