前回の記事では、「Geminiの個人有料版(Google AI Pro)は、セキュリティを守るとチャット履歴が消える」という致命的な仕様についてお話ししました。(>Geminiは「学習をオフにすると履歴が残らない」― ワイがGemini AI Proに課金しない理由)
「じゃあ、仕事でGeminiを使いたい人はどうすればいいの?」
その答えが、私が現在契約している「Google Workspace(法人アカウント)」です。
「法人アカウントなんて、個人には関係ないでしょ?」 「会社を作らなきゃいけないんでしょ?」
そう思っているあなたへ。 実は、個人でも、開業届なしで、今すぐ契約できるのです!
この記事では、私がWorkspaceを選んだ理由を書いていきます。
前提:私が求めていた条件
まず、私が生成AIに求めていた条件を整理します。
必須条件
- 入力データがモデル学習に使われないこと
- チャット履歴・文脈が継続して保持されること
- 業務利用に耐えるガバナンスがあること
妥協できる条件
- 最先端モデルでなくてもよい
- 個人利用より多少コストが上がってもよい
逆に言えば、
- 「設定すれば安全」
- 「自己責任で使ってください」
というレベルの仕組みでは不十分でした。
なぜ個人向け Gemini ではダメだったのか
最大の理由は、前回の記事で述べた通りです。
- 学習オフにすると履歴が残らない
という設計が、業務利用と致命的に噛み合わない。
毎回ゼロから説明し直すAIは、効率化ツールではなく、単なる使い捨ての相談窓口になってしまいます。
また、設定の構造自体が
- 学習利用
- データ保存
- 利便性
を一体として扱っており、ユーザー側で細かく制御できない点も問題でした。
Google Workspaceは個人版Geminiと何が違うのか
Google Workspace は、そもそも 個人向けサービスとは思想が違います。
1. 契約主体が「個人」ではなく「組織」
「自分」ではなく「組織(自分カンパニー)」として契約する Workspaceは企業向けのサービスなので、たとえ一人でも「管理者」と「ユーザー」という2つの顔を持つことになります。
これが、データを厳格に管理する上で非常に重要な仕組みなんです。
2. データの扱いが契約で明確になる
Workspace 環境では、
- 入力データをモデル学習に使わない
- 組織データは組織の管理下にある
という前提が 利用規約・契約条件として明示 されています。
これは、
- 設定画面を信じる
- 将来の仕様変更に怯える
という状態から脱却できる、非常に大きな違いです。
3. 履歴・文脈を「業務資産」として扱える
Workspace では、
- チャット履歴
- ドキュメント連携
- メール・カレンダー・Drive との統合
が 業務データとして一貫管理 されます。
つまり、
履歴が残る=
個人の嗜好データではなく、組織の業務ログ
という位置づけになります。
これは Gemini 個人利用との決定的な差です。
Google Workspaceは個人でもできるの?
結論から言います。できます。
Google Workspaceは「企業向け」と銘打たれていますが、契約条件に「法人登記」は必須ではありません。
唯一の条件は「ドメイン」を持っていること
必要なのは、たった一つ。
「自分独自のドメイン(〇〇.com / 〇〇.net など)」を持っていることだけです。
ブログを運営している方なら、すでにWordPress用にお持ちかもしれません。持っていなくても、お名前.comやXserverドメインなどで年間1,000円程度で取得できます。
- 開業届: 不要
- 登記簿: 不要
- 審査: ほぼなし(ドメイン所有権の確認のみ)
つまり、「月額数百円〜の料金」と「ドメイン」さえあれば、個人でもGoogleの”企業向け機能”が使い放題になるのです。
私がWorkspaceを選んだ3つの「決定的な理由」
では、なぜ私がわざわざドメインを用意してまでWorkspaceにこだわったのか。
理由は3つあります。
理由1:判断を「設定」ではなく「契約」に移したかった
これがセキュリティ面での最大の理由です。
個人版のAIツールを使っていると、仕様変更のたびに「今の設定で大丈夫か?」「規約が変わってないか?」を確認し続けなければなりません。 しかし、Workspaceは企業利用が前提の「業務インフラ」です。
- 入力データは学習に使わない
- データは組織の管理下にある
これらが「設定」ではなく「契約(利用規約)」として最初から保証されています。
「設定を信じる」のではなく「契約を信じる」。この安心感を手に入れることで、私は初めてブログの下書きや収益データを躊躇なくAIに投げられるようになりました。
理由2:最強機能「Gems」で”1人編集部”が作れるから
Workspace契約のGeminiは、Googleドライブやドキュメントと「セキュアに連携」できます。
私のGemsチーム編成(実例):
- 📝 [ブログA] 執筆担当Gem
- Googleドキュメントの「ネタ帳」と連携。
- 「ネタ帳から未消化のネタを選んで記事にして」と言うだけで執筆完了。
- 📊 統括マネージャーGem
- 全ブログの進捗を書いた「スプレッドシート」と連携。
- 「今週の締め切りは?」と聞けば、スケジュールを即答してくれる。
- 📣 広報・デザイン担当Gem
- 記事ができたら「SNS投稿文」と「アイキャッチ構成案」を自動生成。
個人版でもGemsは使えますが、「機密情報を含むネタ帳や管理表」を安全に読ませられるのはWorkspaceならではの強みです。
理由3:「音声執筆」が爆速すぎるから
私が最も気に入っている時短術がこれです。
- 散歩中にスマホで「記事の構成」を独り言で録音する。
- その音声ファイルをGoogleドライブに放り込む。
- Geminiに「ドライブの音声を元に記事を書いて」と指示する。
これだけで、デスクに向かわずして記事の下書きが完成します。 Workspaceのドライブ容量(Business Standardなら2TB〜)があれば、音声ファイルも動画素材も容量を気にせず放り込めます。
ただし、一つだけGoogle Workspaceに「不満」があります
ここまでWorkspaceを絶賛してきましたが、正直に言います。
「AIとのチャット履歴が削除できない」
これだけは、個人版Geminiの方が使い勝手が良かったです。
- 個人版: 不要なチャットはゴミ箱アイコンでポイっと削除できる。
- Workspace版: 業務記録(ログ)としての側面が強いためか、チャット履歴を個別に削除する機能が見当たりません。
結果として、サイドバーに過去のチャットがずらりと並び続けることになります。「試行錯誤のゴミチャット」も残り続けるので、そこだけは少し整理整頓したいな…というのが本音です。
とはいえ、「学習させないと履歴が残らない個人版Gemini」よりは「履歴が残りすぎるWorkspaceの仕様」の方が、いいと思っています。
「消せないなら、タイトルを分かりやすくリネームして整理しよう」と割り切って使っています。
結論:Google Workspaceは個人課金Geminiより安心でお得
Google Workspace Business Standardの料金は、月額1900円。ドメイン代に年間1500円かかるとしても、合わせて月に2000円くらいです。
対して、個人版のGemini 課金(Google AI Pro)は 月額2,900円なので、Google Workspaceの方が安かったりします。
そして、私のようにそもそもブログを運営していて、ドメイン代をすでに支払っている人からすると、Google AI Proより、Google Workspaceの圧倒的にお得なんですよね。
なによりこれで、「最高の安心」が手に入ります。
- 個人版(2,900円): 学習データに使われる
- Workspace版(約1,900円〜):学習データに使われない
あれ?どう考えても、Google Workspaceの方が良くない?
「AIを使い倒したいけれど、セキュリティも譲れない」
そう思うなら、個人でのWorkspace契約は、間違いなくAI時代の正しい選択になるはずです。
参考までに。それでは!


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