「エンジニアでもないのに、なぜそんな記号だらけの書き方をするの?」
以前の私なら、間違いなくそう思っていました。
それまでの私の執筆スタイルは、Apple純正の「メモ」アプリに下書きを書き、それをWordPressに貼り付けて、崩れたレイアウトを修正してブログを公開する。ただそれだけでした。iPhoneとの同期も早く、特に不満もありませんでした。
しかし、2025年の今、私の手元にあるすべての文章は「マークダウン(Markdown)」という形式で綴られています。(Apple純正のメモアプリは卒業し、Obsidianを使うようになりました)
特定のアプリの便利さに依存するのではなく、あえて「ただのテキスト」に近いこの記法を選んだ最大の理由。
それは、AI時代の生存戦略として、AIと対話するための「共通言語」を持つ必要があったからです。
非エンジニアの私が、なぜ快適な純正メモアプリを卒業し、「.md」という拡張子を選んだのか。その理由をお話しします。
1. マークダウンはAI(GeminiやChatGPT)との「共通言語」である
これが、今マークダウンを使うべき最大の理由です。
ChatGPT、Claude、Geminiなどの生成AIは、基本的に「マークダウン形式」で思考し、出力しています。
私たちが普段使っている言葉(自然言語)は曖昧ですが、マークダウンには明確な「構造」があります。
- AIに指示を出す時:「# 概要 ## 詳細 – ポイント」と構造化して渡すと、AIは文書の意図を正確に理解します。
大AI時代において、「AIに正しく情報を渡せるかどうか」がアウトプットの質を左右します。
人間とAIをつなぐ「最も摩擦のないパイプライン」を持つこと。それがマークダウンを使うということです。
2. 「家賃」を払うのをやめて、「持ち家」にしたかった
Appleのメモアプリは便利ですが、そのデータはAppleのシステムの中に閉じ込められています。もし将来、Windowsを使いたくなったら? アプリの仕様が激変したら? 私の数年分の思考はどうなるのでしょう。
これは、プラットフォームという大家さんに家賃(依存)を払い続けている「賃貸」のような状態です。
(私はEvernoteを何年も使い続けた有料課金ユーザーでしたが、あの改悪の辛さはもう味わいたくありません😭)
一方、マークダウンの実体はただの「プレーンテキスト(.md)」です。
50年後のパソコンでも、Windowsのメモ帳でも、Macのテキストエディットでも、中身の文章と構造(見出しや箇条書き)は100%再現できます。
「特定のアプリに依存せず、データが完全に自分の手元にある状態(持ち家)」。
これこそが、ブログ記事という知的財産をどこかのツールに依存させず、フットワーク軽く半永久的に活用するための唯一の方法だと気づいたのです。
3. ObsidianとiCloudとGitHubで「鉄壁」に守る
私が構築した現在の執筆環境は、以下のような自動フローになっています。
- Cursor(AIエディタ)で記事を書く
- Cursorと紐付けているObsidianに保存される
- ObsidianはiCloudで同期しているので、iPhone/iPadからも編集できる
- さらに、裏でGitHub(保存庫)へ自動的にバックアップされる
これができるのは、すべてのツールが「マークダウン(.md)」という共通規格に対応しているからです。
もしこれがメモ帳のデータだったら、ここまでの連携は不可能です。
さらに、GitHubに履歴を残すことで、プロのエンジニアと同等の「タイムマシン機能」が手に入ります。「3ヶ月前の自分が何を考えてリライトしたのか?」を、赤と緑の色分け(差分)で一瞬で確認できる安心感は、一度味わうと手放せません。
4. 「執筆」と「デザイン」を分離できる
以前のようにメモ帳からWordPressへコピペしていた時は、貼り付けた後に「見出しの設定」などの微調整のために、キーボードから手を離してマウスで修正する必要があり、執筆のリズムが遮断されていました。
マークダウンならキーボードだけで完結します。
行の頭に # をつければ見出しになり、- をつければリストになります。「どう表示されるか」は気にせず、ひたすら中身を書くことに集中する。見た目は後からブログテーマ(Cocoonなど)でぽちぽちとマウスを使って整えていく。
この「書く脳」と「整える脳」の分業こそが、執筆速度と品質を最大化する鍵でした。
結論:マークダウンは「AI時代の共通言語」である
| 視点 | 一般的なメモアプリ | マークダウン (.md) |
| AIとの相性 | △ (コピペで崩れやすい) | ◎ (AIの母国語) |
| データの正体 | アプリ独自の形式 (箱の中) | シンプルな文字の羅列 (自由) |
| 保存の安心感 | クラウド同期のみ | GitHubで履歴まで完全管理 |
| 資産価値 | プラットフォーム依存 (賃貸) | 完全な所有物 (持ち家) |
「日本語入力だと記号が打ちにくい」という壁もありましたが、それもGoogle日本語入力の設定変更や辞書登録で解決できました。
マークダウンはコードではありません。
「自分の思考に『意味』というタグをつけて、AIや未来の自分が扱いやすくするための作法」です。AI時代の共通言語といってもいいでしょう。
これからも便利なAIツールは次々と登場します。
それらを効率的に使うには、やはり「自分の情報を読み込ませて、欲しい情報を吐き出させる」必要があります。その鍵になるのがマークダウンです。
非エンジニアでも、特定のツールに縛られず、AIを味方につけて自由にアウトプットするために、「.md」という拡張子をつけることに慣れておいた方がいいと思う次第です。
参考までに。それでは!


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