話題のジョーカーを観てきました。若くて人生を謳歌しているパリピーな男女からすると「は?ただの頭のおかしな人の映画だろ!なにがおもしろいんだよ!」と言われちゃいそうな映画なのですが、孤独を経験したことのある人間からすると、共感できる部分も多いのではないでしょうか。
さて、この記事では映画の感想を書いていきます。ネタバレありなので、まだ観てない方はご注意を。
1 映画ジョーカーの感想
映画の詳細はこちらを参考に↓
1.1 演技がすごい
ホアキン・フェニックスさんが演じるジョーカーがすごすぎました。「ダークナイトでジョーカー を演じたヒース・レジャーの演技には敵わないやろ」という気持ちで映画館に足を運んだのですが、彼の演技に2時間引き込まれました。
話題のジョーカーを観ました。ホアキン・フェニックスさんの演技がすげーです。ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャーが演じたジョーカーに勝るとも劣らない名演技で、魂が揺さぶられました。
内容的にも👍
現実と妄想が混じっているので、「どれが本当の話?」と頭を抱えるところも味わい深い🤔— フクヤマ@健康的に増量中 (@hemogurobinn2) 2019年10月20日
最初はジョーカー役を引き受けるのを躊躇していたそうな。
しかし、フェニックスは、このオファーを受けたとき、すぐに承諾してはいない。それどころか、相当に迷い、何度かトッド・フィリップス監督とミーティングを持った末に、決断を出している。「自分にできるかわからなかったし、このキャラクターをどう理解していいのかわからなかった」(フェニックス)のが、理由だ。引用:「ジョーカー俳優」実は最初出演を渋ったワケ
1.2 最後の最後で「え?これ全部妄想の話?」
主人公のアーサー・フレックは、自分の笑いをコントロールできない精神的な病気を患っています。それに加えて、辛い現実から逃げ出すためか、妄想する癖があります。
ストーリーは現実と妄想が織り交ぜられ、「いったいどれが現実に起こった話なの?」と頭がこんがらがりそうなまま進んでいきます。そして映画のラストで、観客に「この話自体が、ジョークだよ」と言わんばかりに幕を閉じます。
アーサーが顔なじみのカウンセラーと話していると、アーサーは急に笑い出すのですが、そこでカウンセラーは「なにがおかしいの?」と尋ねます。でも、顔なじみのカウンセラーなのだから、アーサーが病気で突然笑い出すことを知っているはずなのです。ですからその質問はおかしいはずなんですよね。ということは・・・。
1.3 アーサーが精神を病んでいた理由を考えると
この映画を観た10代〜20代前半の若者、特に女性は「やっぱり頭のおかしな中年の独身おっさんってやべーわ」という感想を抱くのではないでしょうか。私も10代であればそういう気持ちになっていたと思います。
しかし、「こいつやべーわ」と、単純には片づけられない話なのです。というのも、アーサーがなぜ精神病を患ったかというと、それは父親の虐待にあります。ですから物理的に脳機能障害になっている可能性もあるわけです。加えて母親も精神病なので、遺伝的なものもあるかもしれません。
アーサーが悪いというよりは、生まれた環境が悪かったのです。精神を病んでいた母親に育てられ、さらに虐待をする父親もセット。これだと健全に育つわけがありません。
1.4 ブルース・ウェインと対局の関係
アーサーの母親は、アーサーに「お前の父親はトーマス・ウェインだ。隠し子なんだ。」と言います。アーサーはそれを確認しに、本人に会いにいきました。しかし、トーマス・ウェインから直接「お前は私の子ではない。妄想女の戯言に過ぎない。」と言われます。
が、劇中の後半で、若き日の母親の写真の裏側にメッセージとともに「TW」と書かれていました。このイニシャルはトーマス・ウェインしかあり得ないでしょう。ということは、ウェインの権力によって事実が歪められたのかもしれません。
アーサーが本当にトーマス・ウェインの子どもであるとしたならば、ブルース・ウェインとは異母兄弟。ジョーカーとバットマンは兄弟なのかもしれないのです。これは熱い設定。
1.5 何者でもない男が世界に対して存在するようになった時
映画の冒頭でアーサーはカウンセラーの黒人女性に、「自分は存在していないような気がする」との旨を話します。それはその通りでしょう。アーサーには恋人はおろか、友達と呼べるような友人もいません。自分と関係している人が少ないのです。
そんなアーサーは映画中盤から、「自分は存在している」と感じるようになります。ウェイン産業で働くエリート社員3人を殺してからです。
ピエロの仕事終わりに乗った電車の車両には、アーサーと一人の女性がいました。そこに3人の男性が乗り込みます。男性はハンバーガーのポテトを女性に飛ばしながら、冷やかします。たまらず女性は、アーサーの方を見て助けを求める目線を投げかけました。
それを受けたアーサーは女性を助けようか迷うのですが、その時に持病の笑いが出てしまいます。その笑いは男性3人を引きつけることとなり、女性は別の車両に逃げ出せたのですが、「なにがおかしいんだ!」とアーサーは袋叩きに合ってしまいます。
カッとなったアーサーは拳銃で3人を撃ち殺します。翌日、新聞に「電車でエリート社員3人が拳銃で殺された」という見出しが一面を飾りました。ゴッサムでは「エリート社員をやっつけたピエロはヒーローだ」との風潮になりました。
「悪いことはしない」で生きてきたアーサーですが、その生き方では今まで誰からも注目されませんでした。しかし3人も殺すという暴挙の後に、ヒーローとして注目を浴びることになりました。社会に存在できるようになったのです。
1.6 誰もが不愉快さを感じる映画
多分ですが、この映画を見ると不愉快さを感じるはずです。なぜなら誰もが「あいつって変だよね」といって、人を避けてきた経験があるからです。
この映画は、人から避けられ続けたアーサーに焦点を当てています。私たちが避けてきた人が、私たちが見ようとしてこなかった人が主役なのです。
私たちには「自分は善人でありたい」という気持ちがあります。しかし実際は、人を避けてきた加害者側かもしれないのですね。アーサーから看板を奪ったストリートチルドレン、アーサーを首にしたオーナー、アーサーを袋叩きにしたエリート社員、私たちはその人たちと50歩100歩なのかもです。
1.7 下級国民の反乱
橘玲さんのこちらの記事が非常におもしろかったです。ジョーカーは下級国民の反乱を描いているのかもしれませんね。
映画『ジョーカー』が描いた「下級国民の反乱」 https://t.co/K7qRLTZ3Pp この映画がなぜ世界じゅうで大ヒットし、論争を巻き起こしているのかについて書きました。映画の詳細に立ち入っているので、未見の方はご注意ください。
— 橘 玲 (@ak_tch) October 19, 2019
2 ジョーカー を観た後
ジョーカーは、マーティン・スコセッシ監督の、
にインスパイアされたということを耳にしたので、さっそく観てみました。
タクシードライバーは数年ぶりに、キング・オブ・コメディははじめて観ます。ちなみにこの映画は両方ともロバート・デニーロが主演です。
2.1 タクシードライバー
アーサーと同じく孤独な男、トラヴィス(ロバート・デニーロ)が主人公。
以下のようなオマージュがありました。
アーサー | トラヴィス | |
集まる場所 | ピエロ仲間 | タクシー運転手仲間 |
銃の練習 | 家で | 家で |
こめかみに、手で作った拳銃を向ける仕草 | 黒人女性 | トラビス自身 |
2.2 キング・オブ・コメディ
アーサーと同じように妄想癖がある男、パプキン(ロバート・デニーロ)が主人公です。現実と妄想が行き来するストーリーの作り方は、この映画を真似ているようです。
パプキンはコメディアンとして有名になりたく、有名なテレビ番組に出演するためにあの手この手を使って出演します。テレビ番組に出演するあたりもジョーカーとそっくりです。
タクシードライバーも、キング・オブ・コメディもAmazonプライムビデオで視聴できました👍
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おわりに
もう一度映画館に足を運ぼうかなー、なんて考えています。それくらいに面白かったですし、ここ数日はジョーカーのことが頭から離れません。
まだ観てない方は、是非ともホアキン・フェニックスさんの怪演を大きなスクリーンで観てください。それでは!
*追記(2020年2月2日)
デジタル版が販売されたので、購入しましたー!
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