山口周さんと楠木健さんの共著『「仕事ができる」とはどういうことか?』を読みました。
仕事ができるとはどういうことか?の問いについて、楠木さんはこう答えます。「成果を出せることが、仕事ができるということだ」と。
じゃあ成果を出すためにはなにが必要なのか?というと、それはもちろん「スキル」なのですが、スキルだけではダメです。英語がペラペラでも、プログラミング技術が高度でも、仕事ができない人はいます。そういう人たちは『作業』は得意でも『仕事』はできません。成果を出すためには、『センス』が必要です。
じゃあセンスってなによ?という話なのですが、『センス』の概念は言語化しづらいので説明が困難です。一応、本書の後半に楠木さんの暫定的な答えが書かれていました。センスのある経営者は、『具体と抽象の往復運動が高速でできる人』とのことです。
具体というのは、たとえば、
- りんご
- バナナ
- みかん
のことです。これを抽象化させると、
- 果物
になります。
これくらいの具体と抽象の往復は誰もができるでしょう。しかしもっと難しいもの、たとえば目に見えないようなものだと具体と抽象の往復は難しくなります。たとえば、
- オキシトシン
- セロトニン
- トーパミン
これを抽象化すると、
- ヒトの体内で生成されるホルモン
です。
このような具体と抽象の往復を高速でできる人が「センスがある」とのことです。いわゆる「頭の回転がはやい」と言われてる人ですね。私的には『言葉をよく知っていて言語をコントロールできる人』がセンスのある人なのかなぁという解釈をしています。
で、センスがあっても、そのセンスが発揮されなければ意味がありません。ですからセンスが発揮できる場所に『いる』ことが大切です。たとえば、テニスの錦織圭選手が事務仕事をしていてもセンスは発揮されないでしょう。もちろん優秀な事務員になるでしょうが、世界事務員決定戦があったとして、世界ランキングに名を連ねるほどではないはずです。「自分のセンスはどこで発揮されるのか?」という視点をもつことが大切なのですね。
また、自分のセンスに気がつくことは簡単ではありません。なぜかというと、『自分では当たり前にできること』だからです。人と比べて、「あれ?もしかしたら自分はこれが得意なのかも。センスあるのかも。」と気づけるのですね。「足が速い」とか「数学が得意」などのような、学校で簡単に比較できるようなことであれば気がつきやすいです。しかし、それ以外、たとえば『営業力がある』とか『企画力がある』などの学校では比較できない能力は、なかなか気がつけません。ですから『場所』を変えて、他人と比較しながら、自分のセンスを見つけることが大切だというわけです。
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