無宗教の日本人にとって理解のしがたいものが、当然ながら「宗教」です。
しかし、グローバルな世界ということで、日常生活であれビジネスであれ、多くの外国人と接する機会が増えています。
そんな中、「宗教」なんて俺には関係ない!なんて言ってられないのです。
今や宗教とは学んでおく必要がある必須の教養科目です。
ということで、今回は仏教について学んでいきます。
仏教とは?
仏教とはブッダの教えの宗教です。
ブッダの呼び名は複数あるので混乱するかもしれません。
仏陀、釈迦、世尊(せそん)、釈迦牟尼(しゃかむに)、釈尊(しゃくそん)など全てブッダのことです。
ちなみにブッダとは人物名ではなく、「最高の真理を悟ったもの」という意味で、
人物名は「ゴーダマ・シッダールタ」です。
仏教の究極の目標はブッダが到達した「涅槃(ねはん)の境地」にたどり着くことです。
この境地に達したものはブッダとなるわけです。
ただ、これまでに涅槃の境地にたどり着いたものはゴータマ・シッダールタだけなのです。
ブッダになる経緯
ブッダはインドにて王子として生まれ、不自由なく暮らしていました。
29歳の時、老いで苦しむ人、病で苦しむ人、葬式で死を悲しむ人を見て、人の苦しみを知ります。
その思いの中、老いや病、死の苦しみを超越した修行僧に出会い、自分も修行者になることを決意し、
王子の身分を捨て出家したのです。
ブッダは数年間、悟りを開くために命がけの過酷な修行を行いました。
死の一歩手前いく荒行を行い、ようやく「苦行では悟りは開けない」と分かったのです・・・。
「分からんのかい!」とツッコミをいれてしまいそうですが、
ここまでしてようやく理解できることってあると思うんです。
苦行を辞め、菩提樹の下で瞑想に入ることにしたブッダ。
そこでは欲望の魔王マーラとの戦いがありました。
瞑想の中で人間がもつ様々な欲望(煩悩)と戦い、そして打ち勝ち悟りを開いたのです。
仏教の「輪廻」と「解脱」
「輪廻転生(りんねてんせい)」という言葉を聞いたことはありませんか?
人間は生まれ変わるという思想があるのです。
生まれ変わるということは良いこと思うかもしれませんが、仏教はそのようには捉えません。
「生きる上での苦しみは永遠に続く」と考えるのです。
この輪廻転生から「解脱」し、生まれ変わらないようにすることが目標なのです。
苦しみの原因は欲望
生きているから苦しみは起こり、それは欲望が原因だと悟ったブッダ。
ブッダは欲望を大きく3つに分けました。
- 肉体的な快楽を求める欲望
- 生きたいという欲望
- 生きることが辛くて、死にたいという欲望
この3つの欲望を克服するための方法として、
8つの修行法を提示しました。
- 正しい認識
- 正しい判断
- 正しい言葉
- 正しい行い
- 正しい生活
- 正しい精進
- 正しい観察
- 正しい瞑想
こうしてブッダは悟りの開き方を体系化して、人への教え方の準備を整えたのです。
ブッダの特徴的なことは、キリスト教やイスラム教のように「神」を信じよと説くわけではなく、
人々を苦しみから助けようとしたのです。