なんで女の人より男の人の方が勝負好きが多いんだろう?
そんな疑問に答えます。
進化心理学の知見から考えてみましょう。結論から言うと、生物において戦いは遺伝子を残せるかどうかのためにするものであって、男性の方が戦いに勝利したときに遺伝子をたくさん残せるから、男性の方が勝ち負けにこだわります。
男性と女性では生涯繁殖成功度に差がある
男性と女性では、生涯に持てる子どもの数に差があります。
- 女性:生涯に産める子供は最大でも25人程度
- 男性:女性に比べてはるかに多くの子供を持てる
現代からすると「なんだそりゃ!」みたいに思えそうな価値観なのですが、人類は長いこと一夫多妻制でした。つまり一人の強い男が多くの子供を持てていたのです。
これを逆に言えば、多くの弱い男たちは一生子供を持てないということです。一夫多妻制の社会では、女性より男性のほうが子供を持てるかどうかという意味で、厳しい社会なのです。
だから男たちは戦います。動物の世界と同じで、戦いに負ければ自分の遺伝子を残せません。しかし戦いに勝てば、遺伝子をたっぷりとばらまけます。女性と違い、男性は戦いに勝った時に手に入るものが多いわけです。
ですから、進化心理学的に考えれば、女性より男性の方が勝負好きなのですね。ちなみに歴史上もっとも子供を産んだ女性は、69人の子供を生みました。27回の出産が全て双子以上でした。一方、男性の記録はと言うと、『少なくとも1042人』となっているようです。
暴力的な犯罪は男が多い理由
一夫多妻の社会では、メスはほぼ子孫を残せますが、オスは一部の強いオスしか子孫を残せません。だからオスは配偶相手を選ぶ競争に参加しないと、遺伝子を次に残せないのです。
- 競争に参加する→相手に暴力を振るって勝利するか、相手に暴力を振るわれて敗北する
- 競争に参加しない→自分の遺伝子を次世代に残せる可能性は低い(生物的に言えば、死刑を宣告されているようなもの)
遺伝子の論理から言えば、死よりも恐ろしいものがある。それは繁殖に完全に失敗することだ。p149
*過激な話なので注意
(ここからレイプという犯罪も見えてきたりします。レイプ犯の圧倒的多数は、『合法的な手段では配偶相手を確保できる見込みがあまりない、社会的な地位の低い男』というデータがあります。競争に敗れた男が子孫を残すためには、レイプという手段が合理的なのです。)
オスが妊娠する場合は逆
一部の生物(魚、両生類、鳥)には、オスの体の中で受精卵が育つものもいます。つまり、オスが妊娠するわけです。
こうした種では、メスの方がオスよりも、
- 攻撃的
- 競争的
- 暴力的
で、メス同士で激しく競争します。
極端に言ってしまえば、遺伝子をばら撒きやすい方が競争好きになるのですね。
*参考
コメント