本日も「Gallagher Note」をお読みいただきありがとうございます。
こんにちは、福山です。
2016年3月の日経ビジネスの記事ですが、もんじゅの廃炉が決まった今だから読みたい「核燃料廃棄物」についての内容となっています。私が敬愛している田坂広志先生のインタビュー形式の記事なので、備忘録も兼ねブログに残します。
世界的に見れば使用済み核燃料は再処理してない
アメリカ、カナダ、スウェーデン、フィンランドなど多くの国は、使用済み核燃料を再処理せず、そのまま最終処分する「核燃料ワンス・スルー政策」を採用しています。
もんじゅでの使用済み核燃料の再処理もこれからはありません。ということは、核燃料ワンス・スルー政策を日本でも実地する他に手がないのです。(脱原発という風潮も薄れていっている。)
[speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”t1.jpg” name=”セカンドライフ満喫中の亀山 さん”] 日本のために一定の割合で原子力発電が必要と考えるならば、ワンス・スルー政策にするしかありませんね。国は国民にコンセンサスをとらなければならないでしょう。[/speech_bubble]
核燃料サイクルに必要な条件
もんじゅの廃炉はほぼ決まりましたが、もし何らかの方法で核燃料サイクル政策を進めるためには3つの条件が必要です。
- 再処理工場
- 高速増殖炉
- 最終処分場
この3つを実現しなくてはなりません。しかし、ワンス・スルー政策ならば、必要なものは最終処分場だけになります。現実的ですね。
使用済み核燃料をどこに廃棄するのか!?
青森県は「再処理をする」という前提で、全国の原発サイトから大量の使用済み燃料を受け入れていましたが、その前提条件が狂ってしまいました。再処理を行うと、ウランだけでなくプルトニウムが発生します。プルトニウムは核兵器に転用できるので、この発生したプルトニウムを高速増殖炉もんじゅの燃料として使うのが国際的な条件でした。そのもんじゅの廃炉が決まった今・・・プルトニウムを作り出すことは国際的にタブーになります。
青森県民の多くは「核のごみ捨て場にするな」ともともと反対しているので、これからの使用済み燃料はどこに行くのでしょうか。最終処分場としては、世界の主流である「地層処分」になるとは思いますが、その場所を巡って原発先進国のアメリカ、イギリス、フランス、ドイツも住民の反対によって難航しているのが現実です。
フィンランドやスウェーデンでは地層処分計画が進んでおり、これは国民の「公共意識」が強いからです。
自分達が「原子力エネルギー」の恩恵に浴したのであれば、その結果出てくる「放射性廃棄物」についても、その最終処分の方法を、国民全体で責任を持って考え、解決策を見いだしていこうという公共意識が強いからです。フィンランドやスウェーデンなどの北欧諸国では、こうした公共意識は、初等教育の時代からしっかりと育まれているので、国民や地域住民の「NIMBY心理」が障害になることが比較的少ないのですね。
NIMBY真理とは、「Not In My Backyard=我が家の裏庭には捨てるな」という心理のことです。
原発維持を考えるなら、その恩恵を受けていると理解した上で、国民全員で処理場を考えなければなりません。私たち国民は国がどのような考えを出してくるかと、常に意識しながら自分たちでも情報に接するようにしていかなければなりませんね。
日本が直面する問題
技術力をあげればそれで解決という話ではなくて、こういうものはほとんどが人的ミス。もちろん技術力を上げるに越したことはないけど、今の日本に必要なのは、人的・組織的・制度的なレベルを上げていかないといけませんね。
東京都庁が今直面している豊洲問題なんてのも同じですね。
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