2020年11月1日、大阪都構想の二度目の否決が決まりました(賛成675,829票、反対692,996票、投票率62.35%)。悲しいです。なんかもう「日本の地方自治は絶対に変わりません!」という終了宣言をされた感じです。賛成側だった人は、民主主義の虚しさを感じたことでしょう。そして日本を変えてやろう!という意志のもと政治家になろうとする優秀な人は激減するでしょう。
1. 大阪都構想が否決された原因を整理してみよう
大阪都構想が否決された理由をざっと振り返ってみましょう。
1.1. 皮肉にも維新が頑張るほど二重行政は解消されていた
吉村さんと松井さんの協力のおかげで、都構想を実現しなくても二重行政の問題が緩和されつつあったようです。その結果として「別に都にしなくてもいいんじゃね?」という人たちが増えて否決されたのであれば、なんとも皮肉な話です。
1.2. 大阪市役所の財政局と毎日新聞が流した誤報
投票前になり、大阪都構想のデメリットを大きく取り上げたニュースが毎日新聞より報じられました。でもこれ、誤報だったのです。
デマ情報は、抵抗勢力の大阪市役所の財政局職員が毎日新聞と組んで流したもので、大阪市を4区に再編すると毎年200億円の赤字が生じ、これを自民党は15年で3000億円になると大々的なキャンペーンにした。
大阪市財政局が出した数字(基準財政需要額)は、大阪市を4つに分けた区の一つ一つを政令市として計算したものの合計だ。ところが特別区は政令市ではない。消防や大学など広域行政は大阪府が担うからだ。
明らか意図的に間違った抵抗勢力の市職員の試算がリークされ、それを流したのは毎日新聞だった。さらに悪いのは、他の新聞やテレビもいっせいに後追い記事を書いた。間違いを指摘された朝日新聞は訂正記事を載せたが、短くて目立たない場所だ。
こんなデマで歪められた情報で住民投票が否決されたら日本はおしまいだ。
こんなデマを大きく報じた、というか意図的に報じた毎日新聞と大阪市財政局は罪深いです。
1.3. 若者の投票率が低いという教育の敗北
2回目の都構想の住民投票。なんと5年前の前回より、投票率が下がっています。5年前が66.83%の投票率で、今回が62.35%。悲しいです。
それで前回と今回で違うのは、18歳からの投票が可能となりました。若者の力が加われば都構想押しになるかと思いきや、投票率は下がるし、差が大きくなっての敗北です。
5年前の年代別の投票率↓
今回負けたということは、この形がほとんど変わらなかったのでしょう(今回の年代別のグラフはまだ見当たりませんでした)。教育の敗北という感じがします。
1.4. 孫の未来を考えられない
60代以降、一気に都構想に反対の人の割合が増えます。「お年寄りは変化するのを嫌う」と言えば単純なのですが、私はちょっと違うと思っています。子や孫、ひ孫よりも自分のことを優先する高齢者が増えているのだと思います。
ではなぜ自分のことを優先的に考えている高齢者が増えているかというと、核家族化が原因なのではないかと思っています。孫と接する機会が減れば、そりゃ孫のことを考えられなくなりますよね、自分優先になりますよね。
核家族でなければ、親と子で話し合い、30〜40代の自分の息子・娘の意見を聞き、都構想に賛成していたのではないでしょうか。60代以降で都構想に賛成していた人は、自分たちの未来よりも、子や孫の未来を優先して考えられた人たちだと考えます。
なんにせよ、今回の大阪都構想で失ったものは大きかったです。シルバー民主主義もそうだし、若者の投票率の低さ、そして5年前とは比べられないくらいにYouTubeなどで無料で勉強できるようになったのに「未来のための政策」が負けてしまうとは。これが人間なのですね。
*参考
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