インボイス制度には反対の立場の人間です。軽減税率も反対の立場です。
なぜかというと、「複雑」になるからです。
複雑になると、それを処理するためにまたコストが発生するんですよね。ちょっとくらいの税収が見込めるからといって、制度を複雑にするのが嫌なんすよね。(無駄を増やして、それを処理するために公務員を使うって馬鹿らしいじゃないですか)
さてさて前置きはさておき、インボイスでこんな試算が出てきました。
インボイスにより年間2500億円の税収増だが、人件費に年間4兆円かかる
消費税のインボイス制度が10月1日にスタートすると、対応のための新たな業務が発生し、全国で毎月約3400億円の人件費が発生する可能性がある――電子帳簿サービスなどを提供するLayerXがこんな調査結果を発表した。政府はインボイス制度により年間約2500億円の税収増を見込んでいるが、わずか1カ月で想定年間税収を上回るコストがかかる計算だ。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/20/news081.html
- インボイスにより、年間2500億円程度の税収が得られる
- だけど毎月人件費に3400億円ほどかかる(3400億円×12ヶ月=4兆800億円)
まぁ「やっぱりね」感が否めない試算が出てきております。だって制度を複雑にするってそういうことですもん。
ただ、この試算がどこまで正しいかは分かりません。
手作業によるインボイス対応を体験できるLayerXのツール「インボイス制度対応 体験キット」を使った研修を行った40社・200人の作業時間を基に、請求書の支払処理と経費精算の処理に関わる平均時間を算出した。その結果、手作業でインボイス対応を行った場合の作業時間は、請求書支払処理で1件当たり15分、経費精算で同5分増えていた。この作業時間をベースに、経理1人当たりの追加業務負担を計算したところ、月約1~2営業日増加することが判明。経理以外の従業員も、1人あたり月約7分、日本全体で月約1.4億時間の負担増なる。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/20/news081.html
試算がどこまで現実のものとなるのかは分かりませんが、仮に10倍のスピードでインボイスの対応ができるようになったとしても、単純に考えて3400億円÷10なので毎月340億円程度の人件費がかかります。
340億円×12ヶ月なので、年間4080億円がかかると。
つまり10倍インボイスの対応が早くなったとしても、2500億円の税収増に対して4080億円の人件費がかかるので、マイナス!!!!!
なかなかの無駄さ!!!
どーなんよ、インボイス。
試算の正確性はともかく、やっぱりコストとリターンが微妙すぎ。大なり小なりコストはかかるわけだからねぇ。(まぁ人件費が支払われず、「努力!」で片付ければ税収だけ増えるのですけど)
経理がいるある程度大きな組織ならともかく、人が少ない場合だと痛すぎるよね。
「どんな人でも起業できるような社会!」ってのが理想だと思うのですが、雑多なことが増えるほどに起業への障壁が大きくなるので、こういう意味でも雑務を増やすことはマイナスだと思います。
ちなみにインボイスで見込まれている2500億円の税収増がどれくらいかと言いますと、消費税でいう0.1%です。
仮に益税の減少を中心とするインボイス制度導入による消費税収増加額は年間2,480億円となれば、それは2022年度消費税収額の22兆1,610億円の1.12%である。消費税率を0.1%ポイント程度引き上げた場合の増収効果に相当する。消費者の税負担は変わらないが、その分、事業者の所得が減少することになる。インボイス制度導入に伴う事業者所得減少によって押し下げられる実質GDPは、1年間でわずか0.014%と推定される(内閣府、「短期日本経済マクロ計量モデル(2022年版)」を用いた試算)。このように、インボイス制度導入の経済全体への影響は限定的であるが、零細事業者、フリーランスのビジネス環境には大きな影響が出る恐れがあることから、政府には導入に向けた支援が引き続き求められる。
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2023/fis/kiuchi/0907
そこまでリターンが見込めないものを、まぁまぁのコストがかかるってことが分かっているのにやるべきなのかなぁー。後期高齢者にかかりまくっている医療制度の是正の方がどう考えても優先順位が高いと思うけど。
インボイスに反対!という方は、署名をヨロです↓
《#STOPインボイス》多様な働き方とカルチャーを衰退させるインボイス制度に抗議します
以下、X上の気になるものを拾ってみます。
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