ノーベル賞を受賞した本庄氏が基礎研究の重要性を説いております。というのも、日本の基礎研究は大大大ピンチだからです^^;
日本の研究費は世界で4番目。2016年にドイツに抜かれたのですが、ドイツって日本の半分くらいの人口なんですな。研究費を一人当たりに直すと、目も当てられないような順位になりそうです。
こういうこと書くと、「少ない研究費でノーベル賞取る日本人スゲー!」みたいな美談に持っていかれがちなのですが、そりゃ過去の遺産ですわい。かつての日本は研究にたっぷり予算を投じるくらいにお金があったんですな。
さてさて、その話は置いておいて、この記事では基礎研究と応用研究の違いについて書いていきたいと思います。
役に立つのが応用研究
まずは応用研究から。
「これの役に立ちそうだから研究するでー!」というのが応用研究になります。基礎研究と同じように大切です。
しかし、短期的なリターンを求めがちになりますし、どこの国でもやりますから差別化は難しいんですな。時間との勝負になりますし、より設備が整っているところが勝ちやすい戦いになります。
なんの役に立つかは分からないのが基礎研究
応用研究に対して基礎研究は、
「面白そうだから研究するでー!」と、目先の利益を求める研究ではありません。
そのため「国民の税金を使ってなんでそんな研究するんや!?」と批判の対象になりがちです。だからこそガンガン基礎研究費は削られております。
しかし、長期的な視点を持った時に、スッゲー役に立つこともあるのが基礎研究なんですな。基礎研究の成果がどこにつながるかなんて誰も分からないのです。50年後、100年後に花開くこともあるでしょう。
基礎研究と話は変わりますが、奈良の大仏なんて昔々の人が作ったものですが、いまだにそのおかげで収益を上げております。当時の人々は「1000年後の日本に向けて!」なんて誰も考えていなかったでしょうが、結果としてそこに外国人客までもが訪れる場所になっています。
基礎研究はそれに似ているのかと思います。ある種の“文化形成”なのです。
応用研究のようにどこもかしこも目先の利益を求めると、同じような結果ばかりが出てしまいます。結局、それは体力の削り合いになってしまい、スッゲーきつくなるんですな。
例えば、数年前の『液晶テレビ薄くする合戦』なんてのも似てるのかと思います。体力の削り合いになると、人件費が安いところが勝つんですわ。人件費の高い日本では消耗戦になると勝ち目がないんですなー。
銀行からもお金を借りづらい基礎研究
「国がお金出してくれないなら銀行に借りるべ!」と言っても、銀行も貸してくれません。その理由としては2つ。
- 「貸してもちゃんと返ってくるの?」という不安
- 銀行側が基礎研究の内容を理解できない
ことです。
合理的に考えたらそんなところにお金を貸す理由はありません。だからこそ、国が率先して引っ張っていかないといけないところでもあります。
でも経済が苦しい日本。そこに回す余裕がないのです・・・。
つまり、経済を良くすることが基礎研究にお金を回す1番の近道かもしれないんですな。
おわりに
基礎研究は意味ないかもしれないけど、いずれは大きな価値を生み出すかもしれないものなんですな。
これは教育も似てまして、「頭悪いやつに教育受けさせるのもったいないじゃん?教育費下げようぜ」なんてことになったらその国は終わりです。ある時代のある指標で頭の良し悪しを考えたら、その時代だけならいいかもしれないですけど、次の時代ではアウトになる可能性が高いです。
いろんな可能性にかけて予算を投資するところは教育も基礎研究も似ているところなんですなー。というところで、元理系の私としては基礎研究を推します!!
コメント