Steinbergのオーディオインターフェース「UR-C」シリーズ。 その中でも、入力端子が多く中位モデルに位置する「UR44C」を、私は長期間愛用してきました。
もともと私は旧世代の「UR242」を使っていたのですが、M1 Macに買い替えたタイミングで専用アプリが使えなくなり(※現在はアップデートで対応済み)、苦肉の策としてiPadアプリと連携できるUR44Cに買い替えた、という経緯があります。
この記事では、UR44Cを実際に使い倒してわかった「下位モデル(UR22Cなど)にはない強力なメリット」と、「どうしても許せなかった1つの致命的なデメリット(イライラポイント)」について、包み隠さず本音でレビューします。
2026年現在、これからUR44Cの中古や新品を買おうか迷っている方の参考になれば幸いです。
※本記事に掲載しているソフトの設定画面などは、私が過去にUR44Cをメイン機材として使用していた当時のものです。最新の環境では画面の仕様が一部異なる場合がありますが、基本的な機能の仕組みは同じです。
UR44C外観




メタリックでかっこいいですね〜。
UR242にあったHi-Zのオン/オフボタンがなくなりました。左側の2端子にHi-Zが必要なものを挿せば、自動でHi-Zがオンになるそうです。
【最大のデメリット】LEDがピコピコ光ってとにかくウザい!
メリットを語る前に、まずはUR44Cを使っていて一番イラッとしたポイント(デメリット)からお伝えします。
それは、本体のLEDランプの仕様です。
UR44Cには電源スイッチというものが存在しません。 そのため、パソコンの電源を落としても、コンセント(ACアダプター)から給電されている限り、本体の白いLEDがずーーーーーっと点滅し続けます。
これが、夜中の暗い部屋だとめちゃくちゃ目障りなんです。寝室にデスクがある人にとっては、チカチカと点滅するLEDは完全なるストレス要因になります。
購入当初は「別にどうでもよくね?電源ボタンなくてもよくね?」と思っていました。これが大きな間違いでした。
UR44Cの2つの電源供給方法
UR44Cは、2つの電源供給法があります。
- USB-Cのパソコンからのバスパワー
- ACアダプターを使うセルフパワー
の2つです。
①USB-Cのバスパワーの場合↓
パソコンからバスパワーで電源供給する場合、パソコンをスリープモードにしたとしても、電源は供給され続けます。UR44Cはほんのりあたたかいです。夏だと熱いです。つまり、電気代もったいない気がします。(それと、電源ONを示すLEDが点灯し続ける)
これを防ぐためには、パソコンの電源を落とすか、USB-Cを引き抜くしかありません。いちいちめんどくさいです。
②ACアダプターのセルフパワーの場合↓
ACアダプターを使う場合はもっとひどいです。パソコンの電源を落とすじゃないですか、そうするとね、LEDがチカチカと点滅し続けるんですわ。
「これ、USBとうまく接続できてませんぜー」という合図なのですが、パソコンを切ると同時に永遠とチカチカと点滅するんです。
勘弁してくれだぜ。この仕様はどう考えてもおかしいでしょ。ACアダプターを使ってUR44Cを動かす人は、この点滅地獄を覚悟しておいた方がいいです。
仕事場と就寝場所が違う人なら関係ない話かもしれませんが、1ルームとかでUR44Cを使おうと考えているのであれば夜中の無限LEDチカチカに悩まされる可能性が高いです。お気をつけください。
次に買うオーディオインターフェースは、電源スイッチありのを絶対に買うと心に決めたのでした。
💡 LED点滅問題の解決策
UR44Cは電源スイッチがないため、『使ってない時の発熱&LEDピコピコ問題』が発生します。
これを解消するにはどうしたらいいのか…。考えつきました。バスパワーとセルフパワーのスイッチを毎回切り替えればいいのです。
UR44Cの背面には、バスパワーとセルフパワーを切り替えるスイッチがあります。(①の部分です。)

これでようやくLEDは消灯します。 しかし、「パソコンを使うときはACアダプター側に戻し、使い終わったらUSB側に切り替える」という無駄な作業が毎回発生するのは、機材としてかなりイケてない仕様だと言わざるを得ません。
それでも手放せない!UR44Cの3つの強みとメリット
LED問題という最悪の欠点がありつつも、私がUR44Cを使い続けたのには明確な理由があります。
それは、下位モデルの「UR22C」や「UR24C」には絶対に真似できない、UR44Cだけの強力なメリットが存在するからです。
メリット1:dspMixFxで「フェーダー音量調整」ができる(超重要)
これがUR44Cを選ぶ最大の理由です。
専用アプリ「dspMixFx」を開いたとき、UR44Cにだけは「チャンネルごとの音量フェーダー(スライダー)」が表示されます。

ダイナミックマイク(SM7Bなど)のように「入力音量が小さいマイク」を使っている場合、オーディオインターフェース本体の物理ツマミ(ゲイン)をMAXまで上げても、まだパソコン側での音が小さいことがよくあります。
UR44Cなら、物理ツマミで上げた音を、さらにdspMixFxのアプリ上のフェーダーで「ソフトウェア的にブースト(音量アップ)」することができるのです。この機能がないと、ダイナミックマイク使いにとっては死活問題になります。
ちなみに、下位モデルのUR22CやUR24CのdspMixFxアプリには、このフェーダー機能が削られており、ミュート(消音)ボタンすらありません。
こちらがUR24CのdspMixFxです↓

UR24CのdspMixFxでは、フェーダー値を調節する機能がないんです。なんでや?と数時間かけていろいろ調べてみてもありません。マニュアルを読んでみても、UR44Cにはフェーダー値の記載があり、UR24Cにはフェーダー値の記載がありません。
「え?こんな基本的な機能がないのはなぜなの?いや、どこかにあるよね。きっとあるはずだよね。」と、わらをもすがる思いでヤマハさんにお問い合わせしてみました。
結果、「UR24Cにはフェーダー値を調節する機能はありません」、とのことでした。マニュアル通りでした。
UR24Cにはフェーダー値を調節する機能はありません!ちなみにUR22Cもありません。
私と同じように、ダイナミックマイクを使いたいがためにURシリーズを導入しようとしている方はお気をつけください。UR22C、UR24CではdspMixFxでインプットの音量を調節できません。
dspMixFxでインプットの音を調節できないということは、
- Cubaseなどのアプリを用いてインプットの音量を上げる必要がある
- 録音した後に音量を上げる編集が必要になる
- ダイナミックマイクの感度をブーストするデバイスが必要になる
のどれかになると思いますので、感度低めのダイナミックマイクをお使いの方はお気をつけください。
メリット2:iPad Proで設定を作って、Macにそのまま引き継げる
UR44CはiPad Pro(USB-C)に直接繋いで使うことができます。UR242だとiPad Proに繋げるためには別に変換アダプターが必要でしたが、UR44CだとUSB-C to USB-Cケーブル1本で接続できます。
iPad用に専用のdspMixFxのアプリもあります。UR242用のiPadアプリからでは、ループバックをONにできませんでしたが、UR44C用のiPadアプリではループバックをONにできます。

そして一番便利なのが、iPad側のdspMixFxアプリで「ループバック」などの設定をオンにすると、その設定内容がUR44C本体のハードウェア(メモリ)に直接記録されるという点です。これには驚きました。
つまり、iPadで設定を済ませてしまえば、そのままケーブルを抜いてMacに繋ぎ変えても、「ループバックがオンになった状態」を維持したまま録音や配信ができるのです。パソコン側のソフトの相性問題などで苦戦している時に、この「iPad経由のハードウェア保存機能」は強烈な威力を発揮します。
メリット3:入力端子が4つもあるのに「バスパワー駆動」で動く
UR44Cは前面に4つのマイク入力(コンボジャック)を備えた中型機ですが、実はUSB-Cケーブル1本でパソコン(Mac/Windows)から電源をもらって動く「バスパワー駆動」に対応しています。
バスパワーを利用するには、背面の①のスイッチを左側にします。(※iPadで使う場合や、より安定した電力が欲しい場合は付属のACアダプターを使います)。
また、バスパワーを利用するならケーブルはUSB-C 3.1Gen1を使うようにと説明書には書いてありました。「そんなもん、いまもってない!」状態だったので、とりあえずiPad Proに付属されていたUSB-C to USB-Cケーブルを使ってみました。もちろんこのケーブルは、3.1 Gen1には対応していません。USB2.0のままです。でも、普通に動きました。電源供給も情報転送もできているようです。
後日、Ankerの3.1Gen2対応のケーブルに差し替えました(Gen2はGen1より転送速度が高いです)。

USB2.0のケーブルだと速度が480Mbpsでしたが、3.1Gen2のケーブルにすると5Gbpsになっていました。
一般的に、入力端子が多いインターフェースはコンセント(ACアダプター)からの給電が必須になることが多いのですが、UR44Cは条件を満たせばUSBケーブル1本でスッキリと配線できるため、デスク周りのケーブルを減らしたい人にとって非常にありがたい仕様です。
2026年の結論:今からUR44Cを買うべきか?
UR44Cは、「LEDの点滅がうざい」という物理的な欠点を差し引いても、「dspMixFxのフェーダー機能」と「iPad連携による設定保存」という2つの武器だけでお釣りがくるほど優秀なインターフェースです。
特に、「ダイナミックマイクを使っていて、アプリ上で細かく音量調整をしたい人」にとっては、UR22CではなくUR44C(またはUR816Cなどの上位機種)を選ぶのが正解です。
【もし、入力端子が1つで十分なら…】
とはいえ、UR44Cはサイズが大きく、机の上のスペースを取ります。
もしあなたが「マイクは1本しか使わないし、iPadに繋ぐ予定もない。とにかく机の上をスッキリさせつつ、ダイナミックマイクの音量をガッツリ上げたい(+60dB)」というのであれば、わざわざ中古のUR44Cを探すよりも、最新の超小型インターフェース「SHURE MVX2U*を導入する方が、2026年現在の環境としてはスマートでおすすめです。
ご自身の用途(端子の数、フェーダーの必要性、デスクの広さ)に合わせて、最適な機材を選んでみてくださいね!
参考までに。それでは!


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