がん治療について考えないといけないことは、「転移」についてです。がんは基本的に2種類あるとされており、それが「転移するがん」と「転移しないがん」です。
基本的に私は外科手術で切り取り、助かるがん治療については大いに賛成です。
しかし切り取っても再発、抗癌剤を投与しても再発する「転移するがん」についての治療については賛成とは言い切れません。
ということで今回はそんな「がん」の話。
がんの転移
がん治療の難しいところが「がんの転移」にあります。
「転移しないがん」であれば、大きくなったら切り取って終了なのですが、「転移するがん」であればそうはいきません。
手術をしても、抗がん治療をしても、転移するのであれ再発する可能性が高いのです。
転移を阻止する方法は、手術なり抗がん剤などで細胞を1つ残らず倒すしかありません。しかしこれはどう考えたって無理ですよね?
胃がんが見つかったとして、もうほかの様々な場所に転移がんが移動しているかもしれないから・・・
薬剤耐性獲得の治療困難さ
ゴキブリが従来の薬で倒せなくなった。なんて言葉を耳にすることもあると思いますが、これは「薬剤耐性」というものです。
字の通りで、薬剤に対する耐性を得るのです。
これはゴキブリじゃなくても、微生物にも人間の細胞にも、当然がん細胞にも当てはまることなのです。
何が言いたいかというと、1度使った抗がん剤は、次に使うとき効果が薄れてしまうということです。再発したときには新しい抗がん剤が開発されてなければどうしようもなく、がん細胞と抗がん剤のイタチごっこなのです。
がん・・・?だよねと思ったらとりあえず治療する医者
「早期発見・早期治療」が大好きな私たち。早期に発見すれば「がんは治るんだ!」。
確かにそうかもしれません。(転移するがんだと微妙ですが)
では、
「これってがんかなぁ・・・?」という場合はどうするのでしょう。医者もこれは100%がんだ!って言い切れないと思います。何しろ早期発見なのですから手がかりが少ないのです。
- ちっちゃい影があるなぁ・・・でもがんとは言いがたい
- 血液の数値も、ここが少し高いなぁ・・・でもがんとは言いがたい
- 「がんではありません」と診断して、もしがんだったら大変なことになる・・・。
- よし!これはがんということにしよう!
これはがんではないと言い切れるお医者さんはそういないと思います。だってもし間違えてたら、医療ミスとクレームの嵐になるからです。
早期発見・早期治療という大義名分で治療を施すことで、医者が儲かり、製薬会社も儲かる。
がんでない場合でも早期発見・早期治療の成功例ということでデーターにのる。当然がんでないのですから成功率は100%になるからです。
がん治療をした結果のデータだけ残る
がん治療をしたデータは残っていきます。
しかしがん治療をしなかった人のデータは残りません。
なぜでしょう?
それは追跡調査ができないからです。
例えば、
医者「がんです。治療をしましょう。」
患者「治療は結構です。」
医者「ではこの病院に来る必要はありませんね。」
治療をしない人は病院に来る必要はありません。だから、がんを放置したらどうなるかなんて分からないのです。
まったく同じ状況のがん患者AさんとBさんがいて、Aさんには最新の治療、Bさんは治療をしない(痛み止めくらい)として、ようやくがん治療の意味が問えると思うのです。
もしAさんが最新の治療で10年生きたとしましょう。それは辛い闘病生活だったはずです。Bさんは治療をしなかったので8年しかいきれませんでした。しかし入院生活ではなく、変わらずの暮らしができたとします。
あなたはどちらを選びますか?もちろんBさんは3年しか生きれなかったかもしれませんし、逆に15年くらい生きたかもしれません。
参考