需要と供給でモノの値段は決まっていきます。
当然のことといえば当然なので、そんなこと言われなくてもわかるよ!と思うかもしれませんが、
当然だと思うことに目を向けることが重要なんですよね。
前回も言いましたが、物理学者ニュートンはりんごが木から落ちるという当然のことに目を向けたからこそ、「重力」という概念を発見し、歴史に名を残す人物となってのです。
では、需要と供給について学んでいきましょう。
前回の経済学を理解するための4つの考え方を読まれた方が、理解がはかどるかと思います。
需要と供給について
供給者と需要者
売り手と買い手がいるから値段がなんとなく変動するのはわかると思います。
例えば、希少なモノであるダイヤモンドは売り手が少なく、買い手が多いから高くても売れますよね。
逆にその辺に転がっている石なら誰でも売ろうと思えばできるわけなので、売り手は多く、買い手は少ないので高い値段なんかつけたら売れないわけです。(安くても売れないけど・゜・(ノД`))
経済学では一般的にモノを売る側の企業を「供給者」と呼び、一般消費者のことを「需要者」と呼びます。
モノ価格は需要と供給によって決まる
これは「高い」とか、これは「安い」とかはその人の価値基準によって決まるので、たんなる主観にすぎません。
経済学という学問である以上、「主観」はできるだけなくすべきなのです。
商人A「よし!この石は絶対価値があるぞ!なんたって、俺が価値があると思ってるからだ!」
客A「いや、そんな石いらないよ。」
と何に価値があるかどうかは主観によっては決められません。
日本に住んでる私たちには「水」の貴重さなんてわかりませんよね。
しかし砂漠に行ったならば「水」の価値はすごくあります。
その時々の状況で価値は変動していくのです。
「交換価値」と「使用価値」
経済学の父よ呼ばれるアダム・スミスは「水とダイヤモンドのパラドックス」というたとえを考えました。
ダイヤモンドは非常に高い交換価値がありますが、実際はダイヤモンドが役に立つ場面はほとんどありません。
食べれないし、枕にもできないし、足が速くなるわけでもありません。
一方、水は生きるうえで必ず必要なモノです。
飲めるし、洗濯にも使えるし、お風呂にも必要ですし、とても実用的なのです。
しかし水は極めて安く、交換価値はありません。(さきほどの砂漠というレアなケースは除いて)
つまり「交換価値」=「使用価値』とはなりません。
だから、モノの価値を考える時は、今はどちらの価値について考えているのかを明確にしないといけないのです。
経済学では一般的に「交換価値」について考える学問です。
なかなか手に入らないモノこそ「交換価値」がとても高いのですね。
需要量が増減するパターン
さて「需用量」という言葉について確認しましょう。
需要と需用量って何が違うの?ですね。
需用量はどれくらいの数がそのものを欲しがっているかです。
例えば、たばこの需用量は減ることがあっても、需要はなくなりませんよね。
増税につきたばこの値段が上がっても、たしかに需用量は減りますが、需要はあります。
ちょっとした意味の違いですがきちんと確認しておいてください。
では、需用量はどういう時に変化するのかをみてみましょう。
所得水準の増減があったとき
社会全体でみんな給料が上がれば、みんな購買意欲が高まるので全体としての需用量が増えます。
もちろん逆のパターンもありますね。
人口が増えたとき
人口が増えると需用量が増えるのも当然ですね。
流行が変化したとき
私はポケモン世代だったのですが、今ではすっかり妖怪ウォッチです。
ピカチューよりジバニャンなのです。(ん?じばニャン?ジバにゃん?わからない・・・(*°∀°)=3)
ポケモンの需用量は下がり、妖怪ウォッチの需用量は上がるのです。
代替品の価格が変化したとき
少し前まではスマートフォンといえば、iPhoneしかなかったのですが、今ではたくさんのメーカーがスマートフォンを作っています。
しかも、iPhoneより安く作っていますね。
だからiPhoneが欲しかったけど、ちょっと安い他のスマートフォンにしようとなるのです。
とうぜんiPhoneの需用量は減り、他のスマホの需用量は増えるのです。
供給量が増減するパターン
さて、今から話すことはピン!っとくる人とピン!っとこない人がいるかもしれません。
モノの価格が上がると供給量が増え、価格が下がると供給量は減ります。
どうでしょう?ピン!っときましたか?
高くなると誰も買わないから、供給量は減るんじゃないの?というのが自然な考えかもしれません。
でもね、企業としては価格が高いときにたくさん売りたいのです。
だって高いときに売れれば利益がたくさんでますから。
企業A「な、なに!うちの製品がバカ売れしてるって?今なら高くても消費者は買うぞ!!どんどん作れー!!!」
企業B「おいおい企業Aの製品めちゃめちゃ売れてるやん!俺たちも類似品作って売るぞー!!どんどん作れーー!!」
という感じに供給量はどんどん増えるのです。
では、供給量がどんなときに変化するか見てみましょう。
技術が進歩したとき
技術が進化してより安く、より効率的に商品を作れるようになれば、多少利益が低かろうがたくさん作って売ることができます。
自然環境が変化したとき
これは農業においてよく起こることですね。
今年は豊作だー!とか、今年は全然だ・・・、みたいに天候によって左右されてしまうことがあるのです。
天候が良ければ供給量が増え、天候が悪ければ供給量は減りますね。
材料の価格が変化したとき
例えばパン作る企業は小麦を海外から輸入してるのですが、小麦の値段が上がれば、やっぱり供給量は減ってしまいますね。
例えば、工場で働いている人が全員急性の病気になってしまったら、工場での生産は落ちてしまうので、供給量は減ります。
モノの値段はどうやって決まるのか?
今までのことを理解した上で、どうやってモノの値段が決まると思います?
結局は自然と決まるのでしょう。
高ければ買わないし、安ければ買う。
企業にとても利益があり、消費者にとっても買うメリットがある、というちょうど中間地点の値段に落ち着くのです。