子育て経験のあるお母さんやお父さんは、「子どもに手を上げてしまう気持ちがわかる」と答える人が少なくないそうです。
私には子どもはいませんが、甥っ子の相手をするだけで「めんどくさい」と思うことが多々あるくらいですから、子育ての大変さはある程度分かるつもりです。
親になったから聖人になるわけでもなく、親だってただの人間。人間なら腹が立つこともあるし、最悪の事件を招く可能性だってあります。だからそんな最悪の事態を未然に防ぐために私たちは頭を使って対策をしないとダメなんだよね。
ということで今回は子育ての虐待と保育所についてのお話。
虐待死の9割は6歳までに起こる
虐待死の件数は年間50件を超えています。図からわかると思いますが、虐待死の9割は6歳までに起こります。もっと言えば3歳までに虐待死の8割が起こっており、0歳で約4割を占めます。
加害者のほとんどは母親
加害者の多くは子どもと最も多く接するであろう母親です。
昔は母親だけというより、家族全員(祖父祖母、兄弟姉妹で)、そして近所で育児をする時代でした。しかし今は核家族化し、周りに育児を頼れない時代です。そんな中、育児に対する精神的なストレスは相当高いのでしょう。
母親の負担を和らげるために保育所は必要
さきほどの図から分かるように、虐待死が多いのは最も手がかかる0~6歳の間であり、小学校に入る前です。ということは、子どもを保育園に預けることで母親の負担がかなり和らぎ、虐待は少なくなるのではないでしょうか?(虐待を受けている子どもの多くが保育所に入ってないのかどうかはデータがないので分かりませんが、たぶん関係性があるはずです。)
だから「どんどん保育園に子どもを預けちゃおう!」といきたいのですが、現実にあるのは保育所に入所したくても順番待ちで入所できない待機児童の問題です。
○保育所入所待機児童数は、 43,184 人で、平成25年10月と比較し934人減少した。
※平成25年は44,118人で、前年同月と比較し2,009人減少した。
平成24年は46,127人で、前年同月と比較し493人減少した。
○ 平成26年4月の待機児童数21,371人から、21,813人増加した。
保育所入所待機児童数(平成26年10月)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000078441.html
保育所に入れるために一時離婚
子どもを保育所に入れるために一時離婚をするという夫婦もいるそうです。
というのも、認可保育所では親が独身の方が優先的に入所できるのです。
そもそも待機児童問題とは?
待機児童の問題は「夫婦の共働きする必要」が出てきたからです。
日本がいけいけどんどんの頃は男が稼ぎ、女は家を守るのが常識で、そこまで保育園の必要性はありませんでした。しかし女性の社会進出を機に保育園の重要性が高まりました。ここではまだ、働く女性もいれば、専業主婦の女性もいたので、待機児童の数は今ほど問題ではなかったのです。
しかし景気の悪化に伴い(派遣社員の数の増加)、夫婦で働かざるを得ない状況になったのです。今までならなんとか暮らせていたかもしれませんが、不景気により専業主婦だけでは家庭を支えれなくなってきたのです。年収200万以下の人が1000万人を超え、確実に格差が広がってきている
土地がなくて保育園が作れない
待機児童の大部分は都市部(東京、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、兵庫などに特に多い)であり、自治体が新たに認可保育所を作ろうとしても、土地がないのです。(土地の値段も問題)
認可保育所を作るためには国の基準があり、それを満たす土地を確保するのが難しいのです。
さらには保育士不足(保育士は給料が安い)や「子供の声がうるさい」といった住民の反対の声などもあるのです。
待機児童の問題を解決するために
待機児童問題を解決するために、社会起業家である駒崎弘樹さんたちが中心に進めている「おうち保育園」というものがあります。子どもの定員数は20名以上というのが、今までの認可保育所を作る決まり事でした。しかし、駒崎さんの働きかけで「子ども20名以下」といった小規模保育園の認可を国が認めたのです。
これにより、保育所の小規模化が可能となり土地がないという問題が解決できるようになったのです。
おうち保育園は、子どもが自分の「おうち」にいるような環境で安心してすごせるように、という想いを込めて2010年に江東区しののめでオープンしました。都内の待機児童が多いエリアと仙台市に10数カ所展開しています。
おうち保育園https://www.ouchi-hoikuen.jp/about/
認可保育所の条件がゆるくなったことにより、小規模の保育所が作成可能となりました。これで土地の関係で保育所が作れないという問題は少し解決です。では次の問題が保育士不足です。
残念ながら保育士は給料が低いです。そして子どもの相手をずっとするのは相当大変です。これでは保育士の人気がなくなり、人気がなくなると保育士の質の低下が始まります。お母さんが音を上げる子育てなのですから、それを任せるのはプロが良いですよね。ならば保育士の質を高めることは必須なことで、給料を上げなくてはならないのです。
ということは、国が保育所に対してどんどん補助金を出せば良いのです。補助金をどんどんだすことで、土地の値段の問題や保育士の給料の問題を解決できるのです。税金を上げるならば、日本の未来を担う子どもたちに投資すべきですよね?
まとめ
子どもの虐待死と待機児童の問題は少なからず関係があると思う。
それを解決するために保育所と保育士増やし待機児童を減らすことが必須であり、そのためには国がどんどん補助金を出し保育士の待遇を改善すること。