市場原理を医療に用いるとどうなる?【医療費は削減できる?】

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医療費が増加してるのって、医療にうまく市場原理が働いてないからじゃない?規制緩和して医療業界も競争できる環境になったら、日本の財政問題も解決しそうな気がするのだけれど。

そんな疑問に答えます。

確かにその通りかもしれません。しかし、医療には市場原理がうまく機能しないことが分かっております。

これについては医療政策学者の津川友介さんの記事が参考になります。

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医療には市場原理が通用しない

医療経済学では、医療に市場原理を導入しても効果がないことが分かっているようです。

医療経済学では、医療には市場原理は通用しないことが分かっています。市場原理を導入してもそれほど効率が良くなるわけではなく、社会全体のUtility = Social welfare (国民全体の幸福度みたいな感じでとらえて頂ければ良いと思います)は向上しないことが分かっています。

 

次の5つの理由で、医療に市場原理を持ち込まない方がいいとのことです。

  1. 不完全で非対称な情報(Imperfect and asymmetric information)
  2. 不完全な競争市場(Non-competitive market)
  3. 多くの病気は緊急性が高く、予測不能である
  4. 医療保険による市場のゆがみ(Market distortion due to health insurance)
  5. 外部効果(Externalities)

詳しい説明は冒頭に挙げた津川さんのサイトを参考にしてください。以下にはざっくりとした私のまとめを書いていきます。

医療知識のない患者が医者を選ぶことは難しい

さてさて、どちらの医者の情報を私たちは信じるでしょうか。

  1. 正しいことを正しく言う医者
  2. 正しくないことを正しそうに言う医者

医療知識のない私たちが正しい科学的根拠をもとに医者を選ぶのはほぼ不可能です。

 

私たちが正しい情報を常に選択できるのであれば、

  • DeNAのウェルク問題なんて起こらない
  • フェイクニュースなんて拡散されない

のです。それでも正しくない情報をネットを介して拡散されていきます。

 

フェイクニュースのようなちょっと考えれば誰でも分かりそうなデマ情報でさえ拡散されるのです。そうであるならば、難しい医療情報は・・・。市場原理で生き残るお医者さんは、正しい情報を伝えるお医者さんなのか、それともトンデモ医療を声高に伝えるお医者さんなのでしょうか。

コンビニと病院は競争力が違う

市場原理は、いろいろとある中で淘汰されて、一番いいものが生き残っていく仕組みになります。その考えは、コンビニやスーパーなどには当てはまる考えでしょう。しかし、病院には当てはまりません。

 

病院ってそう簡単に何個も作られないもん。

 

病院を作るには、

  • お金がたくさん必要
  • 最新の設備も必要
  • 優秀なお医者さんも必要
  • 優秀な看護婦さんも必要

と言うことでして、コンビニやスーパーを作るのとは、また一段階レベルが違います。となると、そう簡単に何個もホイホイと同じ地域に作ることはできません。つまり、

 

そもそも競争ができない

 

状態にあるのです。

 

地域を広げて考えることもできますが、鹿児島に住んでいる人が「大阪にめっちゃいい病院があるってよ!」と分かったところで、何人が行くでしょうか?

病気になったとき病院を選ぶ余裕がない

突然病気になったとします。一刻も争う治療が必要です。そのとき、

 

200km離れたあそこの病院の評判いいからあそこにいきたい!

 

と、言えるでしょうか?

 

もしくは前もって、「やっぱりあそこの病院が最高だよな!病院のために移住しよ!」なんて人が多くいるでしょうか?都会ならまだしも地方では市場原理は働きづらいのです。

病気拡散問題

市場原理が導入され、病院の治療費が高くなったとしましょう。そうすると、

 

ワイ、そんなにお金払えないわ。インフルエンザっぽいけれど我慢しよう。

 

と考える人も増えるはずです。病気もなかなか治らず街中をチョロチョロされるとウィルスが拡散されてしまいます。結果として、多くの人が不幸になってしまうとも考えられるわけです。

  • 市場原理で医療費は減った
  • でも病気になっても治療に行かない人が増えた

となると、国民を守るために存在する国家としては、「そもそも国家ってなんだっけ?」という難問にぶち当たってしまいます。

おわりに:市場原理がうまく機能しないところもある

自由主義者ですと「市場原理は万能だ!」と思ってしまうかもしれませんが、市場原理がうまく働かないところもありそうな感じです。(どちらかと言うと私も市場原理好き)

 

医療というテーマは難しいなぁと思うばかりです。医療費を下げていくにはナッジをうまく使っていくのが近道なんでしょうなーと思う次第であります。ということで、医療政策学者の津川友介さんに注目です。それでは!

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