GDPの欠点をご存知でしょうか?
星の王子様で「本当に大切なものは目には見えないんだよ」という有名な言葉がありますが、これと同じようなことがGDPでも言えます。
ということで今回はGDPの欠点について書いていきます。
GDPとして換算されない労働
GDPは一定期間内に、ある国が生産する付加価値(モノやサービス)の総計です。
つまり、モノやサービスしかGDPとしてカウントされないのです。
GDPとしてカウントされない労働の代表例は
- 育児
- 家事
- ボランティア
などになります。
この他にもテクノロジーの進歩もGDPにはカウントされません。
10年前のパソコンと今のパソコンでは性能が大きく違いますが、これはGDPにカウントされていません。
「性能も良くなり一般人も買うようになったから、それがGDPにカウントされるのでは?」というご指摘はその通りです。
しかし、一般人に普及するということは、値段が安くなっているということでもあります。
当時は数億円したスーパーコンピュータの性能は、今やお手軽に購入できる家庭用のスマホやパソコンよりも性能が悪かったりするんですね
人が不幸になればGDPは増加する
人の幸せをGDPにカウントすることは難しいですが、人の不幸はカウントするのが得意だったりします。
- 事故をして車を買い替える
- 地震で家が潰れたので、建て替える
- がんになったので病院に通いまくる
- うつ病を患ったので抗うつ剤に頼る
などなど、モノやサービスとお金が交換されるたびにGDPは増えていきます。
環境汚染でさえGDPをあげるという意味ではプラスに働きます。
環境対策を無視してガンガン儲ける企業があれば、その尻拭いをして儲ける企業もあるからです。
- 健康に暮らして病院に行かない
- 無駄なものを買わない
- 昔買ったものを大切にする
なんてことはGDP的に見ればマイナスなのです。
戦時中に役に立ったGDP
モノやサービスが過剰になる前の戦時中にはこのGDPがすこぶる役に立ちました。
敵国がどれだけ戦車や戦闘機、爆弾を生産できるかの予想が立つからです。
そして戦時中では敵国に勝つことが至上命題だったので、少々環境を汚したり、精神病にかかったりしても問題ないことだったのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では『GDPの欠点』について書いてきました。
GDPの基礎を築いたのはロシア人のサイモン・クズネッツです。
アメリカは彼に「アメリカはどれくらいのものを生産することができるか?」という問いの答えを探させたのです。
そしてクズネッツは数年かけてのちのGDPとなるものの基礎を築き、1971年にノーベル経済学賞を受賞しました。
貨幣経済、つまり『お金最高!』の時代ではGDPは機能しますが、それ以外のものをGDPでは見ることができません。
GDPが増えると人々は幸せになるのでしょうか?
確かに、お金が全然ない貧困状態の時であれば、GDPが増えることは幸せにつながるはずです。
しかし、十分裕福になった今の時代で、GDPと幸福度は比例関係にありません。
サピエンス前史に書かれていたように、新たな幸福の測定方法を見つけるべき時代なんですよね(`・ω・´)”
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