実際に相続してみて勉強になったことをまとめてみた

雑記
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親が亡くなりまして、相続がありました。(>末期がんの親の死を見て思う『病院だとほぼ安楽死で死ねるんやな』ってな感想とか

で、親の莫大な遺産がある!ってわけではありませんが、基礎控除からちょっとだけはみ出る分だけがありましたので(土地があった)、その分だけ相続税が必要でした。

ってなわけで、相続を通して学んだことをまとめていきます。

追記(2022/08/09)
法定相続情報一覧図というのを真っ先に作成しておくといいです>親が亡くなったら法定相続情報一覧図を作成しておくと吉

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相続素人が親の相続で学んだこと

では以下に相続で学んだことを書いていきます。

国税庁の『財産を相続したとき』のリンクも貼っておきます。読みづらいですが、ここが一番正確な情報を記載しているハズです笑

財産をもらったとき|国税庁

相続人と被相続人の違い

相続の話をしていると「被相続人」という言葉が出てきます。

え?これどっちのこと?

となりそうですよねw

  • 被相続人:今回亡くなった人
  • 相続人:今回相続する人

です!

平成27年に相続の基礎控除が改正された

平成27年に相続の基礎控除が改正されています。私の今回の場合で言えば、改正前であれば相続税は発生せず、基礎控除ですべてがまかなえておりました。ですが、基礎控除が改正されたため相続税が発生することになりました。

税制改正前の基礎控除は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」で、平成26年12月31日までの相続財産に適用していました。平成27年1月1日以降は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に変わっています。

これ、かなり違います。だいぶ変わっています。まぁより平等な社会になりつつあるって感じですね。

3人相続の場合だと、平成26年までは基礎控除が8000万円もありました。

対して、平成27年からは4人相続の場合だと基礎控除が4800万円です。(ですから4人相続の場合だと、遺産総額が4800万円以下であれば相続税は納めなくてOKです)

全然違う。2倍近く違う。

また税率も上がっています。まぁこれは6億円を超える資産を持つ金持ちの人たちの話なんですけどね。そして最高税率が50%から55%になってる。金持ちも大変だね。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm

我が家ではもちろんのこと税率10%です。

相続専門の税理士に依頼

どのように遺産を分配するか問題についてですが、専門家に頼まなくても『遺産分割協議書』は作成可能です。

でも…めんどくさい。

ということで、相続専門の税理士に依頼するのがいいと思います。相続税の申告も期限がありますし、葬式などでいろいろとバタバタした後に自分達で『遺産分割協議書』を作成するのは大変だと思います。

(葬式の他にも、銀行口座の凍結やらクレジットカードで引き落としているものの解約とかが大変なんです。みなさん、親がなにを契約していて、どんなパスワードを使っているとか知ってますか?それを知らないと、解約するのって超大変ですよ…。)

相続税は基礎控除を引いたものにかかる

仮に死んだ方が持っていた金額が1億円合ったとしましょう。

では相続税の表を見て1億円なら税率は30%かかるかというと、そんなことありません。

1億円から基礎控除を引いた分に相続税がかかります。

仮に法定相続人が3人であれば基礎控除は4800万円あるので、1億円ー4800万円=5200万円なので、5200万円に相続税がかかります。

このあたり話については、【円満相続ちゃんねる】税理士橘慶太さんの動画が参考になります↓

まず家族全体での相続税を計算する

基礎控除を引いた後に相続税の計算をしていくのですが、ここがちょっとややこしいというか、「へー、そうやるんや!」ってな計算になっています。

各人にかかる相続税をいきなり算出するのではなく、まずは全体にかかる相続税を出します。そしてそこから相続の割合分だけ、各人に相続がかかるようにしていきます。

計算しやすいように、基礎控除を引いた後の金額が1億円あったとします。そして法定相続人は妻、長男、長女がいるとします。

全体の相続税を出すためには、まず「法定相続人が法定相続分を相続したと仮定」して計算します。

法定相続分とは、財産の分け方の目安として国が定めている割合のことです。

子どもがいる家庭の場合では↓

  • 配偶者が2分の1
  • 残りの2分の1を子どもたちで割る

こんな感じになります。

子どもが2人であれば、残りの2分の1の半分を分けるので各子ども4分の1となります。子どもが3人であれば残りの2分の1を3つに分けるので各子どもが6分の1となります。

で、計算しやすいように、基礎控除を引いた後の金額が1億円あったとして、妻、長男、長女がいる場合ですと、

  • 妻:5000万円
  • 長男:2500万円
  • 長女:2500万円

となります。

ここから先ほどの相続税の表から計算していきます。

  • 妻:5000万円→5000万×20%(税率)-200万(控除額)=800万円
  • 長男:2500万円→2500万×15%(税率)-50万(控除額)=325万円
  • 長女:2500万円→2500万×15%(税率)-50万(控除額)=325万円

これで全体の相続税が分りました。合計すると1450万円です。

実際の相続税を計算する

全体の相続税が分かった後、ようやく各人の相続税を算出していきます。

各人の相続税の求め方ですが、財産の取得割合に応じて各人の相続税が変わります。財産をたくさん取得すればその分だけ相続税も増えていくのですね。

たとえば妻、長男、長女で平等に3分の1ずつ財産を分けたとしましょう。

  • 妻:1450万円×1/3=483万円(相続税)
  • 長男:1450万円×1/3=483万円(相続税)
  • 長女:1450万円×1/3=483万円(相続税)

となり、これが各人が相続税として納税する額になります。

なんでこんなまどろっこしいやり方にしているかと言いますと、これは私たち国民にとっては優しい制度になっております。もし仮にいきなり基礎控除後の1億円に税率がかかったとすると、

1億×30%(税率)-700万=2300万

と、1450万円と比べてかなり高くなってしまいます。めんどくさいですが、ワンクッション挟むことで全体の相続税を下げられるような計算方法になっているのですね。(これを優しい制度というべきか、金持ち優遇制度というべきかは…人によりますね)

あとこうすることで、財産の分け方によって相続税が変動するのも防げるのですね。家族全体としてまず納税すべき額を出しておく方が、平等だと言えるのです。

配偶者控除で配偶者の相続税は基本0円になる

相続には配偶者控除というものがあります。(配偶者のみが使えるものです)

これ、控除額がめちゃくちゃでかいです。

なんと1億6千万円までは相続税が課されません。

というわけで、ほとんどの配偶者は相続税を払わなくてOKです。

金持ちの人以外は、「配偶者には相続税はかからない」と適当に覚えていていいでしょう。

配偶者控除の詳細についても、【円満相続ちゃんねる】税理士橘慶太さんの動画が参考になります↓

配偶者控除があるからといって配偶者にすべてを相続するとあとが大変

配偶者控除があるからといって、すべての相続を配偶者にしてしまうと後々問題が発生しています。

たしかに今回の相続では相続税が0円になるかもしれません。

しかし、配偶者が亡くなった場合、そこでたっぷりと相続税がかかる問題が発生します(今回の相続+配偶者自身が持っている財産がプラスされちゃうから)。これがいわゆる二次相続の問題ってやつです。

また二次相続の場合、法定相続人も減っているため基礎控除額が減ってしまいます。一次相続では『(配偶者+子の数)×600万円』が基礎控除額でしたが、二次相続では『子の数×600万円』になってしまいます。一人分の基礎控除額の600万円がなくなってしまうのですね。

配偶者控除があるからといって配偶者にすべてを相続させるのは、後々のことを考えると得策ではなかったりするのですね。気をつけましょう。

納税するときの注意点:親が子の相続税を払った場合に贈与税とみなされる可能性あり

配偶者控除で配偶者は相続税が0円ですが、子どもにはもちろん相続税がかかります。

で、子にかかる相続税を親が払っちゃうケースがよくあるそうです。

これ、贈与税とみなされる可能性があります。注意です。

税務調査が行われたら、「どの預金口座から相続税を支払いましたか?」と聞かれます。こういうところで問題が発覚する場合があるらしいので、お気をつけくださいませ。

親と一緒に住んでいる子どもは家の相続が安くなる

今回亡くなった人と同じ家に住んでいる人には『小規模宅地等の特例』という制度が使えまして、相続税が安くなります。

その額なんと80%オフ!

安い!

ただし「小規模」ですので、面積の制限があります。330平方メートル(100坪)までが80%オフになります。

その広さを超えたら使えない、ではなくて、その広さまでが80%オフになります。

これについても、【円満相続ちゃんねる】税理士橘慶太さんの動画が参考になります↓

兄弟で土地を分けるのは超大変

誰が土地などの不動産を相続するのか…兄弟がいると大変です。

私の家でもめちゃくちゃ問題になりました。兄弟の中で1人やべーやつがいるとかき乱されます…。(私の家の場合では、相続になった瞬間に長男がやべーやつになってしまいました)

んで、遺産分割の方法には次の4種類があります。

  • 現物分割:遺産の現物をそのままの状態で分割する
  • 換価分割:遺産を売却し、売却した代金を分割する
  • 代償分割:特定の相続人が遺産を相続し、他の相続人に代償金を渡す
  • 共有分割:遺産を共同相続人が共有の状態で相続する

これ、どれもメリットもあればデメリットもあります。

不動産は綺麗に分けられませんからね…。

共有分割とかは、兄弟間であれば自分達の代ならまだしも、自分の子や孫のことまで考えていくとトラブルの源になるためまったくオススメできません。

代償分割も、代償金というまとまった金額があれば払うことも可能なのですが、不動産分の現金ってそうそう用意できません。(ちなみに私の家でいうと、親が残してくれた現金は50万円くらいでした)

いやー、難しいです。困ります。築80年くらいでボロボロの家+庭付き(草が生えると近所が迷惑がられるので草掃除が必須)な実家って誰もほしくないんですよねー。田んぼとかも同様ですけど。マジでむずい!

ってことで、親の生前からしっかりとお話ししておくことをオススメします。というか親に遺書を書いてもらっておきましょう。それが一番いいと思います。(親の頭がはっきりとしているうちに。つまり、いますぐに書いてもらいましょう!)

ちなみに代償分割は、遺産分割協議書に「代償分割により財産を支払う」ということを書いておけば贈与税はありません。

代償金を受領することで贈与税が課税されるのでしょうか。 代償分割を利用して財産を受領した場合、相続税の課税対象になりますが、贈与税が課税されることはありません。 そのためには、遺産分割協議書に「代償分割により財産を支払う」旨をきちんと記載しおく必要があります。 記載していない場合には、代償金が単なる贈与とみなされ、贈与税が課税されてしまう恐れがありますので注意してください。

https://www.zeirisi.co.jp/souzokuzei-isanbunkatsu/compensation_division/

また代償金を払った側はその分だけ相続税が安くなり、代償金を受け取った側はその分だけ相続税が高くなります。(全体としての相続税の額は変わりません)

国税庁のサイトで書かれている代償分割については↓

No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算|国税庁

【円満相続ちゃんねる】税理士橘慶太さんが、遺産分割の基本ルールと揉めやすい相続のパターンについて動画にしてくれています↓

こちらの動画では「遺言書の効力」についても話されていまして、たとえ遺言書であっても「相続人全員の合意」があれば遺言書の通りにしなくてもOKだそうです。逆に言えば、1人でも「遺言書の通りがいい!」といえば遺言書の通りになります。遺言書って強い!

不動産の相続登記にもお金がかかる

土地などの不動産を相続したのであれば、その不動産の名義を変更する必要があります。

これ、お金がかかります。いやー、相続税だけだと思っていたのですが、ここにもお金がかかっちゃうんですよね…。

必要な書類をざっとあげておきますと↓

  • 亡くなった人の出生〜死亡までの戸籍
  • 亡くなった人の住民票の除籍
  • 各相続人の戸籍
  • 不動産を取得する人の住民票
  • 固定資産税評価証明書(不動産所在地の役所の資産税課で取る)
  • 不動産の登記事項証明書(法務局で取る)
  • 遺産分割協議書
  • 各相続人の印鑑証明書
  • 登記申請書

です。うわー、めんどくさい。

これだけではなくて、登記の税金として『登録免許税』というものがかかります。これ、固定資産評価額×0.4%もかかります。いやー、大変です。

で、こーゆー面倒ごとを司法書士さんに頼むとそれなりの手数料もかかります。

  • 相続税
  • 税理士さんへの手数料
  • 登録免許税
  • 司法書士さんの手数料
  • 住民票などの発行手数料

ちまちましたお金がかかります。税理士さんや司法書士さんの手数料ならまだしも、住民票などの手数料が腹たつ。何回も取らないといけないのがスッゲー嫌なんですよね。もうスクショでいいじゃんよ!腹たつわ!

で、相続登記については、司法書士YouTubeチャンネル/諌山将史さんの動画が参考になります↓

遺留分:「全財産は愛人に渡す」と言われたらどうする問題

相続について勉強していくと「遺留分」という言葉を目にします。これなんぞや?

たとえば父親が、遺書に「全財産を愛人に渡す」と書いてあったとします。おいおい、これ、どうなんのって話ですよね。

そういう時に「遺留分」という制度があります。

これがなにかというと、残された家族が生活に困らないように「最低限の金額は相続できますよ」という制度です。ちなみに遺留分は権利なので、残された家族がなにも主張しなければ、全財産は愛人に渡ってしまいます。

では遺留分はどれくらいになるかと言いますと、国が定めた1つの分け方の目安である『法定相続分』の半分です。母親は配偶者なので法定相続分が2分の1です。で、この半分なので母親は4分の1を愛人から返してもらうことができます。

遺留分の詳細については、【円満相続ちゃんねる】税理士橘慶太さんの動画をご覧ください↓

おわりに:親には絶対に遺言書を書いてもらおう

相続を終えて、遺言書ってマジで大切なんだなと思いました。

親からすると「遺言書はまだいい。後で書ける。」と思うことでしょうが、頭が冴えている時に書いてもらわないとダメなんすよね…。死ぬ間際なんて頭が全然冴えていないし、遺言書どころじゃなくバタバタしてるので、本当に前もって書いておいてもらいましょう。

じゃないと兄弟間で争いが発生すると思います。

私のところは兄弟の仲が良かったはずなのですが、相続をきっかけに仲が悪くなってしまいました。「長男、マジでやべーやつじゃん」ってなってしまったのですね。残念。(長男がいきなり、「長男であるワシがすべてを相続するべき!」とか言い出したんですわ…)

参考までに。それでは!

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