内閣ってなにやるところなの?
そんな疑問に答えます。
三権分立的にいうと、内閣は『行政』を担います。国会が定めた法律や予算をもとに、国の政治の舵取りをするのが内閣です。
以下ではもう少し具体的に書いていきます。
内閣とは?
まずは内閣のトップは誰なのか?について書いていきます。
1:内閣のトップが内閣総理大臣
内閣のトップが総理大臣です。総理大臣のことを首相とも言います。
2:総理大臣はどうやって選ばれる?
総理大臣を選ぶのは国会議員です。衆議院総選挙が行われた後に開かれる特別国会で総理大臣は選ばれます。国民が総理大臣を選ぶことはできません。なぜ国民が総理大臣を選べないかと言うと、日本の政治は『議院内閣制』という制度を採用しているからです。
3:内閣ではどんな仕事をするの?
内閣は、国会の信用のもとで仕事を任されます。政府の決め事は大臣たちが集まって会議(閣議という)をして決められます。
ニュースや新聞を見ていると以下のような表現があります。
- 「政府は〇〇をすることになりました」
- 「国は〇〇する方針です」
「政府は」とか「国は」が内閣のことを指していると思ってください。内閣としての方針のことを「政府は」とか「国は」と表現しているのですね。(この辺りの言葉をもう少し分けて使ってくれたら、政府やら内閣やらの違いを理解できそうなのですけども😅)
冒頭にも書きましたが、国会が決めた予算や法律のもとで行政を行なっていきます。三権分立といえど、憲法に「国会が最高機関である」と書かれているように、国会が国の最高の機関であることをお忘れなく👍
1:政策の実行
内閣のメインとなる仕事が政策の実行です。国会が作った法律に基づいて、内閣が政策を実行していきます。内閣を組織する各大臣が、その下の各省庁に指示して、各省庁が実際に行動に移していきます。
2:予算案の作成
国がどのようにお金を使っていくかを最終的に決めるのは国会ですが、その予算案を作るのは内閣の仕事です。予算案作成を担当するのが財務省で、財務省は各省庁に「今年はどれくらい予算が必要?」かを聞いて、予算案を作っていきます。
予算案が完成したら予算案を国会に提出し、国会議員が『適切かどうか』を話し合います。国会で承認されれば、予算が成立します。
4:内閣にはどんな人がいるの?
一般に「内閣」というと、
総理大臣と、十数名の国務大臣(閣僚)
のことを指します。
国会で総理大臣が指名され、総理大臣が十数名の国務大臣を指名します。大臣の中で一番偉いのが総理大臣というイメージです。
5:アメリカの大統領と日本の総理大臣の違い
ここでアメリカの大統領と日本の総理大臣を比較して、違いを見てみましょう。
- 大統領:国を代表する人(国家元首)
- 総理大臣(首相):行政のトップ
アメリカはなかなか特別な国でして、総理大臣(首相)がいない国です。アメリカ大統領は、国家の象徴であると同時に行政のトップも兼ねているので絶大な力を持っています。
大統領と首相の両方が存在する国は多数あり、力関係は国によって異なります。大統領に強い政治的な力がある国もあれば、政治の実権がない国もあります。大統領はあくまで『国家元首というシンボル』ということですね。大統領に政治的権力がない国では、首相が政治的力を持っています。
ちなみに、大統領がいない国では、国王や情報が国家元首として国の象徴となっています。イギリスが代表例ですね。歴史的に見ると、絶大な力を持っていた王様に対抗するために『議会』が誕生しました。国王が好き勝手に国を動かすのではなく、国民が自分たちで代表を選び、その代表に国を動かしてもらおうということですね。そういう歴史的な背景もあり、国王や王女がいる国では議院内閣制となっています。
6:議院内閣制のメリット・デメリット
議院内閣制では、国会の多数派を占める与党から総理大臣(首相)が選ばれます。そのため、総理大臣が「これがしたい!」と言えば、議会も賛成しますから、スムーズに国を動かせます。
しかし、議会から選ばれてる以上、議会の意見に逆らうことが難しいというデメリットもあります😅
大統領制では大統領は国民の選挙で選ばれます。ですから「国民から選ばれている!」ということで、強い行動をとることができます。しかし、議会から選ばれているわけではないので、議会に大統領とは違う政党が占めると、大統領の方針に議会が反対してなにもできなくなってしまうこともあります。
議院内閣制も大統領制も一長一短です。
7:総理大臣から選ばれる大臣ってなにもの?
話を戻して、総理大臣から任命される大臣とはなにものなのでしょうか?
総理大臣は国会議員でなければなりませんが、
内閣は、過半数が国会議員であれば、それ以外は民間人でもいい
ということになっています。そのため総理大臣から指名されて民間人から大臣になる人もいます。
8:大臣と官僚の関係
官僚は公務員試験の中でもトップクラスに難しい試験に合格した、各省庁で働いている国家公務員のことです。各大臣の下には、各省庁の官僚たちがいます。そして各省庁でもっとも優秀な官僚が『事務次官』という役職に就きます。
大臣はそんな優秀な人たちを動かしていかないといけないのです。舐められるかもしれません🤢
各省庁とは以下の通りで、それぞれに大臣がいます。。
- 環境省
- 国土交通省
- 経済産業省
- 農林水産省
- 厚生労働省
- 文部科学省
- 財務省
- 外務省
- 法務省
- 総務省
- 防衛省
- 国家公安員会(警察を管理する組織)
期間限定として、
- 復興大臣(震災復興の担当)
- 国務大臣(オリンピック担当)
の2人がいます。
9:内閣府とはなにか?
内閣府は、内閣の重要な政策を推進するために、2001年の中央省庁再編に伴って作られました。官僚主導の政治をやめて、「内閣として政治を行っていこう!」というのが狙いです。省庁の枠を超えた仕事などを行っています。
内閣府の大臣は総理大臣が兼任します。ですがそれだと総理大臣があまりにも忙しくなってしまうので、内閣府特命担当大臣を置いて、各大臣にそれぞれの分野を担当させています。
- 金融担当
- マイナンバー制度担当
- 原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当
- 原子力防災担当
- 消費者及び食品安全担当
- 防災担当
- 沖縄及び北方対策担当
- クールジャパン戦略担当
- 知的財産戦略担当
- 科学技術政策担当
- 宇宙政策担当
- 経済財政政策担当
- 少子化対策担当
- 男女共同参画担当
- 地方創生担当
- 規制改革担当
などがあります。複雑です😱
10:内閣官房長官ってなにもの?
ニュースを見ているとよく出てくる言葉があります。『内閣官房長官』です。
内閣官房長官は内閣の大臣の1人で、内閣官房のトップを務めます。また、内閣官房長官は、
- 毎週2回開かれる大臣の会議(閣議)で議長を務める
- 内閣として決定したことを国民に知らせる
などの仕事があります。大臣が集まる場での議長、そして国民に知らせるという重大な役割、内閣官房長官は実力がないと務まりません。
そして、総理大臣に万が一のことが起こった場合、副総理または内閣官房長官が総理大臣の職務を代行します。(副総理は内閣によって置かれたり置かれなかったりします)
2000年の小渕内閣の時、小渕総理が倒れた時は副総理が置かれていなかったため、青木官房長官が総理の臨時代行となりました。
おわりに
内閣についてかなりガッツリ書いてきました。複雑で難しいですね。覚えておくことは、内閣は、
国会が定めた法律や予算をもとに、国の舵取りをしている
組織ということです。
さらに詳しく知りたい方はこちらの本を参考にしてみてください下
それでは!
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