国債ってなんのために発行するの?国債って借金のことだから発行しないほうがいいんじゃないの?
そんな疑問に答えます。
日本は国債を膨大に発行しており、その総額は1000兆円を突破しています。それって大丈夫なのか?と思うのも当然のことです。
国債は次世代に負わせる借金なんて言われていますから余計にそう思うはずです。果たして国債を発行しまくって大丈夫なのでしょうか?
結論から言いますと、
未来をより良くするのであれば全然問題ない
です。以下では国債についてもう少し具体的に説明していきます。このページは元大蔵省(今でいう財務省)の高橋洋一さんの本を参考にしています。
政府が国債を発行する理由
国債を発行する理由はただ1つです。
税収が足りない時
に国債を発行します。なぜ税収が足りなくなるのか?というと、政府は先に歳出から決めるからです。ですから、歳出に見合うだけのお金がない場合、国債として発行します。歳出から決めるのが一般家庭や企業のお金感覚と違うところになります。
企業とは違う予算の立て方
政府(国)と企業で予算の立て方は全然違います。
- 企業:収入を考えて、そこから支出を決める
- 政府(国):収入より先に支出を決める
家庭も企業と同じで、「これくらいの給料があるから、これくらい使おう」という考え方です。これが普通の感覚です。
しかし政府は違います。支出から先に決めるのです。
政府はなぜ支出から決めるのか?
政府の1つの仕事として、
世の中に仕事を作る
ということがあります。例えば、将来のために橋を作ったり、道路を作ったりのことです。そのために国債を発行します。
いわば、国債とは投資のこと
です。国債を発行する以上のリターンがあれば、国債はどんどん発行してもOKなのです。
赤字国債とは?
国債に対してマイナスイメージを持っている人も多いですが、その一つの原因として『赤字国債』という言葉があるからだと思います。
国債は、
- 建設国債
- 赤字国債
と、学校の教科書では分けて教えられたはずです。建設国債が将来への投資、先ほどの橋を立てるなどの社会資本整備を目的として発行する国債で、赤字国債は使い切りの国債だと。
しかし、そんな分け方をしている国なんて日本以外にありません。結局は国債は借金なので、建設国債も赤字国債も借金なんです。
なぜ政府は赤字国債という言葉をつかうのか?
建設国債も赤字国債もどちらも同じ借金なのに、なぜ赤字国債と言う言葉を使っているのでしょうか。赤字と言う言葉がつくと、どうしてもマイナスのイメージがつきます。そんな言葉を選ばなければ国民のイメージももっと良かったはずです。
なぜ赤字国債という言葉を使うかというと・・・
国民に『国債を発行することはマイナス』というイメージつけたい
からです。赤字国債にマイナスのイメージをつけるメリットがあります。それは・・・
国債を発行するより税収を上げた方が良さそう
という流れに財務省がしたいからです。税収がアップすると、政府はよりたくさんのお金を使う(歳出)ことができます。(税収を管理するのが財務省)
なぜ財務省は税収を上げたいのか
それではなぜ財務省はそんなことしたいのでしょうか?
各省庁は財務省に予算をつけてもらうために、頭をペコペコします。財務省としてはそれが気持ちいいのです。それに接待もしてもらえるし、恩を売っておけば天下りもできるというわけです。
だからできる限りお金を増やして、各省庁にお金を配ることをしたいのです。
財政法だと国債を発行することは認められていない
ただし、財政法によると、原則国債を発行することは認められておりません。そこに、財政特例法で赤字国債という定義を無理やり作り、国債を発行しています。
それっていいの?って話ですが・・・だから違法にならないように特例法を制定したという経緯があるそうです。「本当はダメだけど、特例法作ったからOK!」って・・・ウーン。
おわりに:国債とは投資の意味もある
この記事では『国債』について書いてきました。
政府としては歳出から先に決めるので、国の発展を考えるのであれば国債を発行することは仕方のないことです。ただ・・・発行した国債が未来への投資となれば・・・の話であればですが。
投資にならないのに国債を発行していたら、借金を返済できないまま国債の発行額が増えていくだけです。実際そうなっているのですけれども。
積もりに積もった国債発行額は1000兆円超え!
いやいや、これどうなるのよ・・・ってな話です。投資効果のないところに国債は注ぎ込まれて、どんどん未来への世代にツケが回っていくのでした。国債は発行してもいいけど、ちゃんとリターンがあるところに投資して欲しいものなのです。
特に教育です。子供にお金をかけることの投資効果が高いことも分かっているのにです。教育国債を発行すれば、特に増税する必要なんてないのです・・・。それでは!
*経済関連記事
コメント